ep.54
今回も三人称視点になります。
ご注意ください。
「さて、と」
トランプの束を手にリンナの前に立つ。
自身にかけられた謎のオーラの正体も分からぬままリンナは顔を上げることしかできない。
「俺には武器がない。なので、これで勝負を決めよう。コイツは俺のパートナーでな。でた絵柄によっては……まぁ、そう痛くないだろうさ」
「う、ウソよ……絶対痛いに決まってるわ……」
「かもな。だが、悪いな。吹っかけられた勝負を自分から降参するほど俺もお人好しじゃないんでな」
リベットがカードを1枚捲ろうとしたその時、
「……へぇ?」
「エスタ!!」
「リンナには手を出させません。確かにリンナから言い出した勝負です。ですが、パーティーメンバーの1人として……いえ、彼女のパートナーとして、僕は彼女を護る!」
持っていた杖を構え、リベットと対峙する男、エスタ。
それを見たリベットは頷くと、
「そうか、そうか。1人で戦う約束はどうする?」
「卑怯だと言われようとなんだろうと構いません。僕はリンナを護るためなら卑怯にだってなってやる」
「……」
その言葉にリベットはトランプを懐に戻すと、クルリと彼らに背を向けた。
「に、逃げるんですか!?」
「逃げる? 違うとも。リルナ、レルナ! あとは2人に任せたぞ!」
「「かしこまりました、お父様」」
リベットと入れ替わるように2人はその場に現れた。
レルナは右手にステッキを、左手はリルナの右手を。
リルナは左手にステッキを、右手はレルナの左手を。
それぞれ握りながら、一礼する。
「初めまして。私たちはお父様の忠実なる僕にして、娘です」
「初めまして。私たちはお父様の忠実なる僕にして、兵士です」
「「我らが主の命により、私たちのお父様のお言葉により、これよりあなた達には素敵で愉快なショーをお見せしましょう」」
2人が再び顔を上げると、そこにはニヤリと笑う赤い半月が浮かんでいた。
「……え」
勝負はまさに一瞬でついた。
リルナとレルナの姿が消えたその瞬間にはリンナとエスタ、それぞれの背中にステッキが突きつけられていたからだ。
「これにて」
「チェックメイト」
「「お遊戯の時間は終わりなのです」」
2人の背中にステッキを突きつけながらリルナとレルナは宣言する。
なんとか足掻こうとするリンナだったが、体は未だに重く、まともに動かせない。
「で、2人とも。そこからどう終わるのかな?」
「……そ、それは今から考えるのです」
「リルナ! それは言っちゃダメなのです!」
問いかけたクランはそれを聞いてため息を着くと、
「仕方ないな〜。だから詰めが甘いんだよ?」
指を1度鳴らした。
途端ロープで縛られるリンナとエスタ。
「これが本当のチェックメイト、さ。と、いうことで、リベット〜。ボク頑張ったよね? ね? ご褒美ちょうだ〜い!」
「しまらねぇなぁ」
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
こういうのホント苦手なので何とかしていきたい……
それはそれとしてキリッとしても実は締めが甘かった2人でした。




