ep.55
しまらない終わりをしたクランの顎をワシワシしながら、リンナとエスタの方を見る。
「そっちも人型のパートナーを連れてたんだな」
「か、隠してて悪かったとは思ってるわ。でも人型のパートナーなんてあまりいないもの……」
「り、リンナは悪くないんです! 不甲斐ない僕が悪いので……」
「別に責めてる訳じゃないんだが……」
パートナーが人によって異なるのは知っているが、人型になるとそんなに少ないのか。
「まぁ詳しく聞きたいわけじゃない。俺だって隠し札だらけだしな」
「そ、そうよ! なんなのよ、あの大岩は!!」
「こっちの札を見せたらそっちも見せないといけなくなるが?」
トランプをヒラヒラさせると、リンナは何も言えなかったようだ。
まぁそれはいいとして、だ。
「で、あのデカブツ相手にどう戦うつもりだったんだ? そのハンマーじゃ随分と分が悪そうだが」
「あ、あんなに大きいのは知らないわよ! というかあたしが昨日来た時はもっと小さかったもの!」
「小さかった?」
どういう事だ?
俺たちがここに来た時は既にあの大きさだったのに?
「んー……答え合わせ、いる?」
「……そのポーズでいいのか?」
「気持ちいいし〜」
ずっと顎を撫で続けられているクランがウットリとした顔でそう言ってくる。
リルナとレルナは……あー、クランの足を引っ張って引き剥がそうとするのをやめなさい。
「さて、と! 充電も終わったし、クラン先生による授業を始めよう!」
「頼んだぞ」
「さてさて、ではまずあのヒュージスライムだけど……多分リベットが原因だね」
「俺?」
「そう。なぜだか知らないけど、異界人の冒険者は人によってボスモンスターの強さが異なる。ボクも詳しく調べた訳じゃないから恐らくとしか言えないけど、倒したボスモンスターの数によって変わるんじゃないかな?」
プロテージャーはミウロゥが倒したが、パーティーメンバーとして加算されたんだろうか?
「で、次の街に行くために必ずボスモンスターを倒さないといけない。それがあのヒュージスライムだね。ちなみにあんなに大きい理由は分からないよ」
「あたし達はサンフ前で沼カエル、クレプス前はゴースト、王都前で大きな草原鶏だったわね」
「そうだね。この次の街がツワイトでそのボスモンスターがスライムなんだけど……」
エスタの視線がヒュージスライムへと向かう。
「ちなみにリベットはプロテージャー……というよりコックベアーを倒しただけだね!」
「あのクマそんな名前だったのか……」
「そう! だから爪でガリガリしてたでしょ? あれ、料理の真似らしいよ」
俺はまな板の上に置かれた肉だったのかよ……
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
普通なら月光の森なんて通らないからいくつかの街を通りながらグルっと回り込んで王都に、なんですが……
月光の森を突っ走った結果真っ直ぐ王都に行ってしまったリベットなのでした。
森の前には警備兵がいるので、許可証がないと入れません。が、ミウロゥさん、屋根から大ジャンプしちゃったから……




