ep.47
『まさかキミがここを選ぶなんてね』
「疲れてたし丁度いいんだよ」
ベンチに座るミウロゥと俺。
レルナとリルナはクランを引きずって迷路の中へと入っていった。
助けを求める声が聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。
『……ねぇ、リベット』
「ん?」
『私って本当は勇者じゃないんだよ。みんながそう言ってるだけで』
「だろうな」
セトルもソレーもヘクサもミルリも、あの村で出会った全員誰もそんなことを言っていなかった。
マエロと先生、あとはリニダーのギルドにいた受付嬢くらいか。
クランは……多分からかい半分くらいか。
『気づいてたの?』
「お前の仲間は誰も言っていなかったからな。薄々そんなことだろうと思っていたよ」
『……これはね、遠い遠い昔の話なんだけど』
話題が突然変わった。
それと同時にミウロゥの雰囲気もいつもと違うものになる。
『かつて山に封印された災いがいました。しかし月日が経ち、封印は解け、世界へと飛び出してしまいました。そんなある日、私も呪いに掛けられて、旅にでることになったんだ。その旅の果てに決着をつけたんだ』
「その災いと、か?」
『決着……かな? 何しろ当の本人は私にかけた呪いと契約のせいでズタボロだったし』
呪いと契約……?
『それで私の旅は1度終わったんだけど……その災いというかうーん……』
「話しにくいなら別に話さなくていいんだぞ?」
『そうじゃないんだけど……そうだなー……分かりやすくいうと、災いというのは魔物だったんだ。ミルリが地底世界に行ったでしょ? そこに本来はずっといるはずなんだけど、なぜかこっちにまででてきたんだって』
魔物か。
モンスターとはまた違う存在なんだろう。
どう違うのかは分からないが……
『で、魔物の王様……魔王が私に会いたいって手紙が来たんだけど、行ったら行ったでこれが酷くてね……』
「確か……ふんぞり返ってるんだったっけか?」
『そうなの。そっちが会いたいって言うから頑張ったのにさ。だからその時にいた全員でボッコボコにしたんだ。まぁその魔王もニセモノで本物は封印されてました、っていう話なんだけど』
とんでもない旅をしてきたことだけは分かったぞ。
『で、色々世界を旅して最後には破壊神になったバカと世界を賭けての大バトルってね。その結果勇者なんて呼ばれるようになったんだ』
「スケールが壮大すぎて想像もつかねぇな……」
『フフフ、私もそうだよ。最初は呪いと契約をなんとかするための旅だったんだ。それが終わったら次は自由に世界を見てまわりたくなった。ただそれだけなんだ』
「いいじゃねぇか。勇者なんて呼ばれてもミウロゥはミウロゥなんだからさ」
ベンチの背もたれにもたれかかって少し下の花畑を見る。
夕焼けが花を照らしていて、これはこれで風情があって綺麗だ。
昼間ならきっと色とりどりの花が咲いていてそれはそれで綺麗なんだろうけど、今は夕焼けで一色に染まっている。
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
ミウロゥにもそんな過去があったんですねぇ……




