ep.45
とりあえず荷台と王城の庭を見に行くために1度ギルドの外へ出る。
途中更にザワメキが酷かったが、気にしない。
「で、どっちからいく? ボクとしてはちょろっと庭を見てとっとと荷台を見に行くのがいいと思うけど?」
『あんなところよりもっといい場所知ってるのに』
どんだけ王様嫌われてるんだよ。
一体何があったんだ……?
「いずれはお父様が支配される城をみておくのは悪いことではありません」
「いずれはお父様の別荘となる城をみておくのは悪いことではありません」
「「そうです、今すぐ戴冠式を行うべきなのです。まず手始めにお父様を王へと」」
「ならないからな?」
とりあえずクランには後で文句言っておくか。
この子達を創った本人らしいからな。
ジッとクランを見ると当の本人は明後日の方を向きながら下手な口笛を吹いていた。
「……まぁいい。とりあえず王城の庭だ。一通り見てから馬車の荷台を見に行くとするか」
「お、王城ならこの道を真っ直ぐ進むといいよ! ほら一直線だし!」
教会から来た時は気づかなかったが、確かに一直線だ。
若干坂道になってはいるが……
「それよりほら、なにか食べなよ」
「いいのか?」
「もちろん。だってボクは君のパートナーだよ? ご主人様には尽くすものさ!」
「クラン……それはそれとしてトランプの兵士に関して後で話があるからな?」
「な、ナンノコトカナー」
カタコトでハグらかそうとするな。
【リンゴ】
〖赤いリンゴ。非常に甘く、しばらくの間体力を回復し続ける〗
このリンゴ……リジェネ効果まであるのかよ……どこ産のリンゴだ?
試しにかじりつくとたしかに甘い。
程良い歯応えがあっていつまでも食べていたくなる。
【リンゴの種】
〖かつてはリンゴだったモノの果の姿。土に植えると再収穫可能となる〗
いつの間にか種だけが手に残っていた。
しかし、土か。
満月花と新月花も植えることが出来るらしいし、植木鉢も購入するか。
「なぁ、クラン」
「んにゃ?」
「……いや、食ってからでいい」
気づけば全員リンゴを食べていた。
美味いのは分かるが……
「んぐ、どしたの?」
「植木鉢を見たいと思ってな。荷台の後でいいからいい店を知っていたら教えてくれないか?」
「しょうがないな〜、ボクのご主人様は〜。はい」
「……一応聞くがその手は?」
「情報には対価を。ボクはこう見えても情報屋だよ? ということでお小遣いちょうだい!」
まぁそれも一理あるか。
パートナーとは言えど、そこはしっかりしておくべきか。
「それじゃ」
「お金を出さなくていいのです、お父様」
「穀潰しに渡す必要はないのです、お父様」
「「このゴミ屑には何かと理由をつけてお父様に触ろうとしているだけなのです」」
「もう少しだけ言い方を工夫しような?」
やっぱりクランを問いただすべきなのでは?
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
情報屋として稼いだお金はありますので、貢ごうと思えば貢げるクラン。
それはそれとして触れ合いたい気持ちもあったりなかったり。




