ep.39
『冗談だって、分かってるよ。リベットがそんなことするはずないもの』
「ジョークではありません、お父様」
「私たちは本気なのです、お父様」
「「お父様のお言葉、お父様からの命令、お父様が私たちになされることの全てが、私たちにとって至上のご褒美なのですから」」
「やめなさいって。そろそろ怒るぞ?」
ちょっとこれは教育しないといけないんじゃないのか?
どういう思考AI組んでるのか、1度運営に文句言ってやろうか。
というか2人して照れ照れしてるのはなんでなんだ?
『お遊びは終わった? もう着くよ』
「いつの間に……」
気づけば冒険者ギルドが目の前にあった。
扉の上には分かりやすく
〖冒険者ギルド・本部〗
と書かれているため遠くからでも分かりそうだな。
「ここでやることは世界地図を貰うことと、マエロから報酬をもらうこと。他になにかありそうか?」
『んー……報酬次第では依頼を受けても良さそうかも』
「あー……」
俺の財布はスッカラカンだからな。
というかあげた花やら情報やら頭やらから金を取ればよかったが……まぁいいか。
「んじゃ入るか」
ギルドの扉を開けると、中は随分と騒がしかった。
「おい聞いたかよ。宇宙ステーションで爆発だってよ」
「アソコはいつもボンボンさせてるだろ」
「関わってるの工場長だろ? 爆発なんて優しいよ」
「前は国1つ煤まみれにしたんだっけ?」
「新エリアの情報!?」
「情報は少しずつだせっていつも言ってるだろ!」
「ファーザーのやることだからなぁ……」
「場所までわかってるんだ! 火山行くぞ!」
「え!? このカエルの素材はもう買い取って貰えないの!?」
「当ギルドの倉庫は既に沼カエルの素材で一杯ですので」
「パーティー募集か」
「たまにはいいんじゃねぇの?」
「そーそー。ウチらだけじゃ人数不足だって」
色鮮やかな防具の煌めきがギルドの中を支配していた。
あとたまに人と同じサイズの虫を見かけるんだが、あれが例の最新装備か……なんか、嫌だな……
「すごい人だな……」
『ここはいつもそうだよ。昔から変わらない』
「お父様、アレがお邪魔ですか?」
「お父様、人払いが必要ですか?」
「「私たちにお任せ下さい、お父様」」
「大人しくしてなさい」
とりあえず2人は俺が手を繋いでいればいいだろう。
それはいいとして、リニダーの街からマエロが来てるはずだが……
「カウンターで聞けばいいかね?」
『たぶん?』
とりあえず人を避けながらなんとかカウンターにたどり着く。
途中ヒソヒソとこっちを見ながら何か言われてるような気がしたが……気にしない気にしない。
多分2人のことだろうし。
「すまない、ここにリニダーの街からギルドマスターのマエロが来ていると思うんだが」
「はい、確かにマエロ様は来訪されていらっしゃいます。失礼ですがどちら様でしょうか?」
「マエロから依頼を受けていた冒険者でリベットという。彼女に会いたいんだが」
「少々お待ちください」
受付嬢は手元で何やら操作したあとに、1つ頷き、
「確認が取れました、別室で会われるそうです。あちらの扉からお入りください」
「ありがとう、助かった」
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
仕事の速いファーザー。
工場長の種族はロボットです。
趣味はロボットを作ることで、よく大爆発を起こしています。




