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仮想現実の世界で自由な旅を 【完結】  作者: からくり
chapter1

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ep.40

受付嬢が掌を差し出す方には確かに扉があった。

ヒソヒソが少しずつ大きくなっていく中で俺たちはようやく喧騒の中から抜け出すことが出来た。


「全く疲れるぜ……」

『人気者は大変だね』

「お前も大概だと思うがね……」


何しろ世界を救った勇者様だしな。


「疲れているところ申し訳ないな。メニーリアから話は聞いている。無事届いたとな」

『やぁ、ギルドマスター。こっちに来るなんて珍しいね』

「少し野暮用でな。私としてはあの街にずっといたいものだが……」


扉を開けた先で壁にもたれ掛かるように立っていたマエロ。

大変なんだな、ギルドマスターも。


「さて報酬の件だったな。立ち話もなんだ、こっちの部屋で話そう。ついでに紹介したいヤツもいるのでな」

「紹介したいやつ?」

「……どうにもお前に興味を持ったらしい、リベット。嫌なら断っても構わん、むしろ断れ」


一体どんなのを紹介されるんだ……


「この部屋だ。私は報酬を用意しないといけないから、あとでもう一度来る。それまでに何とかしておいてくれ」

「なんとかって……おい!」


スタスタと行ってしまった……どんだけ会いたくないんだよ。


『まぁ私もいるし、大丈夫大丈夫。いざとなったら王都を更地にしちゃえばいいんだし』

「そこまでする必要あるか?」


できそうなのが余計に怖いんだよ。

扉を開けて中に入ると、そこにいたのは真っ黒のスーツをきた女性だった。

髪は……内側が青で外が黒か?

随分とオシャレにもできるんだな、このゲーム。

名前を見ようとしたところで、


「やぁ、君の活躍をずっと見ていたよ! 素晴らしいじゃないか! 月光の森でプロテージャーと戦っているのが君じゃなくてちょっとホッとしたけど、そこは君が戦っているところを是非とも見たかった……! でも怪我なんてして欲しくない。そのためにその"トランプ"を忍ばせたんだ! でもまさか、他のクマが襲い掛かるとは思いもしなかった……あぁ、今すぐ君を助けたい! でもそんなことをしたらボクがいるのがバレてしまう! せっかくかの勇(・)者(・)様(・)にもバレないように何重にも隠蔽の魔法をかけて動きを非常にのっそりとさせていたんだ! ここでバレるわけにはいかない! と、ハンカチを噛みちぎりながら思っていたら、君はやっぱりボクが見込んでいたことだけはある! まさかあそこでカードを引くなんて誰が思う!? ボクも予想してなかったさ! そして無事に勝っただけではなくて、ジョーカーまでもまさか自分の娘にしてしまう! あぁ、なんと素晴らしいことか……! これほどまでに神に、いや、創造主たる我らが主に感謝を捧げたことは無いよ! 君を一目見た時からボクの心は休まるときを知らない! この世界にようこそ、リベット! そしてボクが君を見つけたことに感謝を! ここまで来てくれたことにボクは心からの拍手を送ろう!」


パチパチパチ、と部屋の中で響く拍手。

と、とりあえず何か、何か言わないと……


「もちろん! 君がここに、王都に来ない可能性もあった。誠に残念なことに異界人の3割ほどは王都に来なかったという結果もでている。だけど! リベット、君はきた! そして今ここで! ボクと出会えた! まさに奇跡だ! それでは自己紹介をしようじゃないか! ボクの名はクラン! またの名を"トリックスター"。この世界にいる12の王のエクストラ。本来は存在自体がありえない"13番目の王"。そして、君の第2のパートナーさ!」


あー、うん。

長いよ。

今回もお読みいただきましてありがとうございます。

長いよ。

それはそれとして実は勇者だったミウロゥ。

え、そうなの?

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― 新着の感想 ―
“クラ(ウ)ン”で“トリックスター”ねぇ……
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