ep.33
「ちなみに私のメインストーリーはこうなっている。迷える子羊達に神の教えを説きなさい、と。人数は100人とかなり多くはあるが、もう少しで達成する。ちなみに数に含まれるのはこちらの世界の住民に限るのだがな」
「ファーザーが神の教えを……?」
神父なんだから当然なんだが、現実の親父を知っているだけにちゃんとできているのか不安になる。
「もちろん、最初はそんなつもりはなかった。だが、いつの間にかこうなっていてね……私も少々困惑しているのだよ、フッフッフッ」
「随分楽しそうじゃねぇか」
困惑してるとは一体。
「アタシはねー、各地のボスモンスターを他のプレイヤーと協力して倒すことがクエストになってるよ!」
「たしか……傭兵をやってるんだったか」
それでそういう系統のクエストか。
「私はこの世の情報全てを手中に収めることが目的ですのよ」
「クエストを達成しろ、クエストを」
フフフ、じゃねぇのよ。
「俺は伝説の武器を造ることがクエストだな。クッソ大変だけど、楽しいぜ!」
「魔王でも倒すつもりか?」
この世界に魔王いるっぽいんだよなぁ……ミウロゥが戦ってるし。
「私、メインクエストが一旦終わりを向かえちゃったのよ〜。まだ出てこなくって」
「マザーは一旦終了か。何かやり残したことがあるとかかね?」
出ないこともあるんだな。
「それで、我が息子リベットよ。お前のメインクエストはどういうものなのか教えてもらおうか」
「俺は……世界各地を巡ることだな。とりあえず王城に入って……」
これ果たして言ってもいいのか……?
「どうした? 続きはあるのか?」
「……ビックリするなよ? 火山の奥へ入る、妖精の森・離れに向かう、地底世界に進入する、賢者の塔を訪れる、東方の国を訪ねる、東の更に果てで変わり者と会う、だ」
クエストにでている地名とかを読み上げるともれなく全員ポカンとしていた。
だから言ったのに。
「に、兄様。その……色々と聞きたいことがありましてですね?」
「話ならミウロゥに聞け。俺は彼女から話を聞いただけで、クエストは勝手にでていたんだ」
「そ、そうではありません! というか気軽に勇者様とお話出来るわけがありませんのよ!」
はるかに小さいヤツが耳元で騒ぐんじゃない。
羽が擦れてちょっとこそばゆい。
「いやはや驚いた。我が息子ながらとてもビッグな目標ではないか」
「ビッグって言う点ならファーザーも似たようなもんだと思うが?」
「私なんてたかが知れていることだ。だがね、お前のあげた地名その全てが、初めて聞いた情報だと言ったらどうする?」
「1年しか経ってないんだから知らないのも当然だろ?」
「今明かされている最新エリアは宇宙の手前でまだ解放すらされていない。しかし、情報屋でもある我が娘が聞いた事のない地名のようだ。今やプレイヤーの目は高い空の向こう側に行っているが……いやはや、どうしたものか……」
宇宙に行けるのか。
現実だと身近だが、こっちだとどういう感じなんだろうな。
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
VSWにおいて1番のホットな情報は宇宙関連になります。
リアルの話は出ない予定なのでここだけの話ですが、リベットのリアルでは宇宙とか普通に行ける世界になっています。
まぁその結果あーだこーだがあったようですが……それはこのお話とは無関係なので。




