ep.32
「ふぅ……で?」
「良い父親をしているでは無いか。感心したぞ」
「あれが兄貴のパートナー? ずいぶん珍しい人型のパートナーだなぁ」
「兄様、これからは私に随時情報を。あのような人型タイプのパートナーは情報にありませんの」
「さぁ、兄さん。キリキリ吐いちゃいな!」
帰ってもいいか?
「とりあえずイチから簡単に説明するからよーく聞いてくれよ」
ということで、王都でメニーリア先生と出会う所まで掻い摘んで話すと、
「ミウロゥ……隻腕隻眼の少女……まさか!」
「知ってるの、レン?」
「姉様! あの方は勇者様ですわ! 冒険者ギルドに所属している住民で知らない者はいないと言われているあの!」
「ええ!?」
妹2人がうるさいし、
「マジかよ……あのプロテージャーを倒しちまうのか……しかも解体まで終わってるとか……なぁ、兄貴! なにか素材持ってねぇの!?」
「頭ならあるぞ」
「おお、これが……これでなにかいい防具を作れそうだ!」
弟が1人で盛り上がっていたり、
「満月花と新月花……リベット、よければ私にも分けてくれないか? もしかしたらクエストが進みそうなのだ」
「お、おお。そりゃいいが……クエスト?」
親父に花を分けたり、
「あの2人以外に何十人もトランプの兵士を出せるなんて便利ねぇ〜」
「時間制限付きだし、多分ランダムだぞ」
「それでもよ。数は多いほど正義だもの」
ウフフと笑いながら物騒なお袋にちょっと引いた。
「さて、と。では根本的な説明からしようではないか」
「サンキュー、ファーザー」
「うむ。まずはウィンドウを呼び出したまえ」
言われた通りに開くと、
【リベット】【ジョブ:】
【武器:なし】
【スーツケース】
【パートナー:トランプ兵士】
【所持金:90セーリ】
【クエスト】〘NEW〙
【システム】
クエスト?
「その顔から察するに今気づいたようだな」
「あ、あぁ。クエストなんてなかったぞ」
「王都に入って特定のタイミングで追加されるのだ。これからはよく開くように」
特定のタイミング……メニーリア先生の病院を出たあとか?
「恐らく、お前にクエストが追加されたのは病院を出た後だろう。クエストを開いてみろ」
【クエスト】
●満月花を採取し、王都に届ける
・満月花の採取〘クリア〙
・メニーリアに届ける〘クリア〙
・マエロから報酬をもらう〘NEW〙
●世界各地を巡る
・王城に入る
・火山の奥へ入る
・妖精の森・離れに向かう
・地底世界に進入する
・賢者の塔を訪れる
・東方の国を訪ねる
・東の更に果てで変わり者と会う
おお……なんか色々すごいな?
上は冒険者ギルドのギルドマスターから受けた依頼、クエストになるってわけか。
で、下が……これチュートリアルに聞いたやつと賢者の塔以外はミウロゥが言ってた場所じゃねえか。
「表示されているクエストには種類がある。片方はメインクエスト、要は自分だけのオリジナルストーリーだ。もう1つはサブクエスト、つまり住民や我々からの依頼が表示されるのだ」
世界各地を巡ることが俺のメインクエストってわけだ。
……これホントに行けるのか……?
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
32話にしてようやくメインクエストの出番。
ファーザーもどうしてか満月花と新月花を知っていますねぇ。
プロテージャーに関しては有名なので名前は知ってるし、時々市場に素材が出回っていたりします。
超高額で。




