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仮想現実の世界で自由な旅を 【完結】  作者: からくり
chapter1

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ep.30

2人にホットケーキを食べさせていると、サリアの傍に誰かが近寄ってきた。

シスター?


「随分と楽しそうね、サリアちゃん」

「助かるよマザー。まさかここまで知らないで来るとは思わなかったからさ」

「いいのよ。私も久しぶりに会えたし」


知り合い……なのか?

少なくともこんなシスターは見たことがないぞ。


「あー、えっと、どこかで?」

「ほらー、やっぱりわかんないって言ったじゃん」

「リベットちゃん、私よ私」

「あん?」

「あ、な、た、の、マザー♪」


……あー。


「おふく……失礼、マザーもやってたんだな、VSW」

「そうよ? ついでに言うとファーザー達もいるわよ」


親父もか……

達……って言うことは


「リンとケンもいるのか?」

「いるわよ。リンは情報屋でケンは鍛冶屋だったっけ?」

「積もる話は後にして、教会に案内するわ。王都にも支部があるのよ」


あんまり行きたくねぇなぁ……

お袋と親父がシスターと神父やってる姿とか想像できないし、したくなかった……


『随分愉快な家族だね、リベット』

「お前の所も似たようなもんだと思うが?」

『うーん……言われてみれば、昔別れたメンバーも似たような感じだったかも……?』


ホントに濃い旅してたんだな。

他のメンバーも濃かったとは……4人も大概だったが。


「お父様、こちらがお父様のお母様ですか?」

「お父様、この方がお父様の御母堂ですか?」

「「とても素敵な方ですね、お父様」」

「……まぁ、良くはしてくれたな」


迷惑もかけたが……愛情もあったと今なら思うよ。


「あらー! リベットちゃん、いつの間にか父親になっちゃって!」

「違うって言ってるだろ……」

「ウフフ、あのリベットちゃんがねぇ……」


感慨深くしてるところ悪いがとっとと移動するぞ。

席を立ち、レジに向かう。

機械がある世界観だし、レジもあって当然……か?


「会計を頼む」

「400セーリになります」


パンケーキとプリンでこれか……

もうスッカラカンだな……


店の外にでると、馬車が止まっていた。

馬……馬か? 6本もある馬もいるんだな。


「これはセイホース。見ての通り6脚の馬よ」

「普通の馬より走る速度がすごいのよ〜」


ほー……そこはゲームっぽくあるんだなー。


「ささ、全員乗ってちょうだい。王都は広いから馬車で移動した方が早いのよ」

「お、おお」


馬車の中は中々に広かった。

座る場所もあるし……金貯めて買うのもいいな……

乗り込むと、リルナとレルナが片手を伸ばしてぴょんぴょん跳ねながら、縁に捕まろうとしていた。

ステッキを持っているから片手なのはまだ分かるが、飛べばいいのでは……?

と思ったが、口に出すのもアレだしな。

とりあえず降りて1人ずつ持ち上げる。

さっきはリルナからだったからな。

まずはレルナを持ち上げると、


「お父様! これが噂に聞く高い高いですか!? 楽しいです!!」

「お、お父様! レルナだけずるいのです! 私たちにもお願いします!!」

「分かった分かった。順番だぞ」


後ろでニヤニヤしてるのは分かってるんだぞ、サリア。

律儀に順番待ちしてるミウロゥは……まぁ、左手だけじゃ辛いわな。

何とか乗れそうな気もするが。

全員乗り込んだところで、馬車はゆっくりと動き出した。

少しずつスピードが上がるにつれ馬車はガタガタ揺れ始める。


『馬車、か……』

「ミウロゥは好きじゃないのか?」

『揺れるのがね。それにあの時は途中から竜の背中に乗ってたし』

「随分と豪華な話だ」

『フフフ、リベットもそのうち乗せてあげるよ。アレもリベットのこと気にいると思うし』

「どんな竜だよ……」


確か竜王にあったんだったか……その配下とかか?

流石に王の背中に乗れるほどの度胸はないぞ。


「お父様、竜の背中に乗りたいのですか?」

「お父様、竜をペットにして乗りたいですか?」

「「お父様の頼みなら、私たちなんとでもしますので」」

「やめなさい、竜が可哀想だろ」


なんとなーく負ける未来が見えねぇんだよなぁ……なんでだろ。


「やっぱり父親じゃん」

「……もうそれでいいよ……」


しばらくガタガタ揺られていると、馬車が止まった。


「着いたわよ〜」

「んじゃ降りるか」


降りる時も3人がこっちを見ていたから順番に降ろす。

流石に降りることは出来ただろう……


「ようこそ、教会へ♪」

「おお……現実とあんまり変わらないんだな?」


想像していた教会はもっと大きくて三角屋根をしていたのだが、実際にはただの小屋みたいな場所だった。


「そこまで大きくなくてもいいかなって。ささ入って入って」


扉を開けてまず目に入るのが大きなステンドグラスだった。

青を基調に様々な色で造られたそれは見事の一言に尽きる。

そして、祭壇の近くに背の高い男、横に長い席の右と左にそれぞれ頭だけ生えてるが……


「ようこそ、迷える子羊よ。今日はどのような懺悔をしにきたのかな、フッフッフッ」

「ファーザー……か?」

「如何にも、我が息子よ。お前の父であり、迷える子羊達の父親でもある。しかし、お前も立派な父親になっているではないか。父は鼻が高いぞ、フッフッフッ」

「怪しい神父だな、おい」


ちゃんと神父やってるのか?


「お父様、アレがお父様のお父上ですか?」

「お父様、あの怪しい神父がお父上ですか?」

「「お父様、騙されていませんか?」」

「大丈夫だ、多分」


教育に至極良くないことだけは確かだが。

今回もお読みいただきましてありがとうございます。

普段よりかなり長くなってしまいましたが、どうでしょうか?

次回、リベットのリアル家族集結。

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