ep.28
「似合ってるじゃない」
「そりゃどうも」
渡された燕尾服とズボンは確かにそのまま変更できた。
ゲームらしくて助かるな。
「それとこれは私たちからプレゼント」
「御新規さんには優しくがモットー」
そう言ってリルナとレルナにはお揃いのポシェット。肩からかけられるようだ。
で、俺には
「スーツケースとシルクハット?」
「生憎とステッキは専門外なのよ」
「ポシェットは流石に似合わないし、スーツケースなら完璧ね」
杖までお揃いにしようとしてたのか。
そりゃいいが……
「流石に貰いすぎだ。追加でこれもだそう」
追加で新月花を1輪カウンターに置いておく。
固まってる2人をそのままに外へ出る。
そこには先に出ていたミウロゥがいた。
「よ、待たせたな」
『ううん。それよりも随分と格好よくなったね』
「こういう格好も悪くないもんだが……汚したくなくなるな……」
『ならしなきゃいいのに』
呆れたようなおかしいような顔をしてミウロゥがそう言う。
「……爺さんのことだが」
『気にしないでいいよ。いつかはそうなると思ってたし』
「……そうか。なら俺は何も言わない」
多分それでいいんだろう。
『それでよし。さっ、喫茶店? 目指していこう!』
「お、おい! 引っ張るなって!」
思わず転けそうになり、ミウロゥにそういうが、
どこか楽しげに笑っていた
ので……まぁいいか。
そうして走ること数分。
確かに冒険者ギルドの近くに喫茶店はあった。
ここで待ち合わせとは言うが、時間の指定がないんだよな……
「お? 兄さん、こっちこっち!」
「おー……随分と甘そうなもん食ってんな」
声の方を向くとテラスに待ち合わせ相手はいた。
巨大なパフェを食べながらだが。
「仮想現実だしね。向こうじゃ食べられないんだからたっぷり食べなきゃ損ってものよ」
「お、おう」
「で、兄さんのことなんて呼べばいいの? アタシはサリア」
「リベットだ。んでこっちが」
『ミウロゥ、よろしく』
左手をあげてフリフリするミウロゥはまだいいとして、
「この人がお父様のご家族様ですか」
「この人がお父様と親しい方ですか」
「「初めまして、私たちはお父様の娘です」」
勝手に娘になるな。
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
切るタイミングの都合で今回は短め。
今更ですけど、どれくらいの長さがちょうどいいんですかね?
この話くらいの長さが丁度いいというのがあればこっそり教えて貰えると助かるなーとか思ったり。




