ep.26
仮想現実とは言え中々濃いものだ。
確か向こうは数倍の速さで時間が経っているんだったな。
……いや、にしても濃すぎると思うが……
アラームが鳴りそうだったのはどうやら以前までの設定がそのまま引き継がれていたようだった。
とりあえずこれは削除して、必要なアラームだけ設定。
軽く小休憩を取って、妹に連絡を入れておく。
確か向こうでもメールは見られるはずだったから、届いたら分かるだろう。
それじゃまたログインしますか。
「……で、これはどういう状況なんだ?」
『おはよう、リベット』
目を開けると俺の上にミウロゥが乗っていて、左右にリルナとレルナが抱きついていた。
なんで?
「おはようございます、お父様。素晴らしい朝です」
「おはようございます、お父様。幸せな朝です」
「「朝からお父様のご尊顔を拝見できた喜びに感謝を」」
「おう、おはよう。とりあえず三人とも降りろ、な?」
ログアウトする前、ベッドに引きずり込まれたのは覚えてる。
その時はリルナとレルナと俺しかいなかったはずだ。
「いつの間に忍び込みやがった……」
『ヌッフッフッ、私にできないことは多いけど、出来ることはできるのだよ』
どう返せばいいんだよ……
で、2人は2人で離れないし。
「とりあえず外に出るぞ。メニーリア先生に挨拶しないと」
『おじいちゃんから伝言。挨拶はいらない。達者でな、って』
「まぁ忙しいだろうしな」
病院を出たところで、メールが届いた。
えーと……これはゲーム内じゃなくて現実の方でリンクさせておいたメールだな?
【王都へようこそ!】
『もう辿り着いたの? アタシの予想より随分速かったけど、何かあったの? 色々話ししたいから喫茶店で待ち合わせしようよ。場所は王都にある冒険者ギルドの近くだから!』
「ミウロゥ、少し用事ができたんだが、どうする? 何だったら別行動でもいいが」
『家族と会う件でしょ? 私も行くよ。挨拶しないとね』
「リルナ、私たちもお父様のご家族に挨拶をしないといけません」
「レルナ、私たちもお父様のご家族に紹介していただく必要があります」
「「お父様、私たちもご家族と会いたいです」」
「分かった分かった。分かったから引っ張るな」
場所知らないだろ。
『それで場所は?』
「冒険者ギルドの近くに喫茶店があるんだってよ。そこで待ち合わせだ」
『ほむ……なら正装しないとね。まだ残ってるかな……』
「正装……俺もこのボロくなった服から着替えねぇとな……」
背中とか酷くなってる予感がしてる。
というかさっきから視線を感じてる。
『とりあえず行ってみよう。昔からの行きつけがあるんだ』
「昔ってどれだけ前だよ……」
『まぁまぁ。こっちだよ、着いてきて』
そう言って歩き出すミウロゥ。
その後ろを着いていきながら王都の中を軽く見回す。
木造の2階建てが随分と多い。
通りもリニダーの街と比べると人が多い。
流石は国の中心にある王都と言ったところか。
確か王城がオススメだったな。
夜に見た時はただのデカい城って感じだったが……ここからじゃあまり見えないな。
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
リベットのリアルはあまり出さないように心掛けています。
VRモノなのにリアルばっかり出てくるのって……ねぇ?
でも私が書いてるのもゲームっぽくないのは自覚はあります……
かと言って異世界転移系でもないしなぁ……
難しいですね。




