ep.23
「貰ったはいいけど、鞄ないんだよな……」
『ならあそこにいいものがあるよ』
そう言って指さす方には倒れているプロテージャー。
まさか……
『解体ナイフ、買っておいてよかったね』
ミウロゥが指示してくる順に解体ナイフでバラしていく。
中々切れなかったりするところはリルナとレルナが後ろから引っ張ってなんとか切り落としていく。
「初めての出番がこれとかお前も散々だな」
血塗れになった解体ナイフについ話しかけてしまう。とりあえずなんとかプロテージャーを解体し終えた。
正直歪だけど、とりあえず王都で鞄買うまでの繋ぎだと割り切った。
紐はミウロゥの不思議なポーチから出てきたが……
『さぁこれで入れ物はできた。ということで私からもキミに』
「いいのか? これ特効薬の素材なんだろ?」
『いいのいいの。どうせこれだけ咲いてるのに朝日が昇ったら全部枯れちゃうんだし』
満月の夜限定で咲く花だから、か。
そういう場所が他にもありそうだな。
『ということでジャンジャン入れちゃおうね』
「リルナ、負けてられません。私たちもお父様へより多くのプレゼントを」
「レルナ、負けてられません。私たちもお父様により多くお渡ししましょう」
「「私たちの愛は誰にも負けないことを証明するのです」」
競走するんじゃ、あ、あぁ……綺麗な花畑が一瞬で更地に変わってしまった……
というか全部根っこ付きって。
『ふぅ、満足。さて夜の間にさっさと王都を目指そう。満月花から特効薬にするのに時間かかるし』
「と、いうことは?」
『今度は大丈夫。ちょっと走っていけば辿り着けるし』
と言ってたのは嘘だ。
ちょっとじゃないだろ!
めちゃくちゃ全力疾走じゃねぇか!
『頑張れー、リベットー』
「め、めちゃくちゃ、よ、余裕、あるじゃねぇか!」
い、息が!
「レルナ、やはり我々がお父様をお運びするべきでは?」
「リルナ、それはいい案です。お父様は私たちがお連れするべきです」
「「お父様、失礼します」」
「お、おい!?」
空中を浮いて着いてきた2人が急に俺の腕を掴む。
「お、おー? これは楽だ。ありがとな2人とも」
手をそれぞれの頭に……シルクハットが邪魔だな?
顎らしき場所に手が届いたからそこを撫でる。
「く、くすぐったいです、お父様」
「で、ですが気持ちいいです、お父様」
「「これが私たちに贈るお父様の愛情ですね」」
「お、おう、そりゃよかったな?」
『……リベット。後で私にも要求するから』
「お前は嘘ついただろ」
そう言うとプイッと前を向いてしまった。
なんなんだ一体……
今回もお読みいただきましてありがとうございます。
愛ですよ、愛。




