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私は皇帝  作者: 破魔矢タカヒロ
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18/21

その18


 ハメリカとキタコウライの戦争。その戦況が目下の最大の関心事だ。しかし、私には、戦争と比べれば些細ではあるが、もう一つ気になることがある。


 それは、皇帝警察の若い警察官のことだ。私のポテトを横からつまんだ警察官のことだ。


 彼は若く、まだ二十六歳だ。


 その彼のどこが気になるかと言えば、それは、彼が私の孫娘、コカのことを意識していることだ。彼は、時々、コカの方に短く目をやるのだ。


 私は妃のコチミの感想を聞いてみた。


「ねえ、コチミちゃん、あの若い長身の警察官、どう見ても、コカのことを意識しているよね」


「ええ、意識していますわね。たぶん、みんなでテニスをした時からでしょうね」


「そう言われると、そうだね、それまでは、特に意識していなかったような気がするね。けど、どうしてテニスをした時からなのだろう?」


「それは簡単ですわ。男はみんなスケベだということですよ」


「なにそれ、意味が解らないよ」


「では、ヒントを差し上げます。アンダースコートですよ」


「アンダースコート、あ、そう言えば、お尻の頬っぺたがいつもよりも出ていたような気がするね」


「はい、そのとおりですわ。あの警察官は、そこを見てから、意識するようになったのですよ。それに、そうでなくても、コカは美人で可愛いですからね」


「なるほど、そういうことか。それにしても、どうして、あんなに、お尻が出ちゃったのだろうね?」


「ウフ、コカが着けていたアンダースコートが小さ過ぎたからですわ」


「どうして、そういうことになったの?」


「あのアンダースコートは、コカが中学生だった頃に着用していたものなのですよ。城内にたまたまあったものです。借りるように言ったのですが、コカが人のアンダースコートを借りるのを嫌がって、無理矢理はいたのですよ。そうしたら、あのようなことに」


「そうだったのか。いずれにしても、あの警察官のこと、注意しないとね。悪い虫になってもらっては困るからね」


「あら、その必要はありませんことよ」


「どうして?」


「だって、コカの方も彼のことを意識していますわよ。気が付かれませんでしたか?」


「え、そうなの。気が付かなかったよ。それだったら余計に気を付けないと」


「彼なら彼でいいじゃないですか。好青年ですよ。家柄もルックスもいいし。それに、彼の長身から繰り出す剛速球サーブ、カッコよかったでしょ。そりゃあ、コカだって意識しますわよ。自然の成り行きに任せましょうよ」


「そうかなあ。なんだか不満だなあ。まあ、いいや。今はそれどころではないしね」


 そう、それどころではないのだ。なにせ、ハメリカとキタコウライが戦争をしているのだ。


 それでも、その夜は、キタコウライ側からのさしたる反撃もないままに終わり、私たちは就寝した。


 ところが、翌日の未明になって、シェルター内に警報音が鳴り響いた。


=続く=


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