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看護師が異世界の令嬢に転生しスキルを使って無双する話だったハズなのに!?  作者: VANRI


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トニーVSフラン

―――それより少し時を遡り、トニーとフラン―――




「やっと決着をつける時が来たな」

トニーが剣を構え、微笑みながら口を開く。


「魔剣をやっと手に入れたみたいですが、僕はもっと前から使ってるので力の差は歴然でしょうね」

フランもそれに合わせて剣を構える。


「やってみないとわかんねえだろ」

「平和ボケしてるトニーさんなんかに負ける気がしないですけどね」

「平和ボケ……?」

「僕が去った後、メアリーちゃんとうまくいってるんでしょ?」


「い、いや……」

「は? まさか何も……?」


 フランが半笑いで続ける。

「僕が身を引いたのに?

トニーさんになら任せられると思ったのに……?」


 口籠るトニーに言葉を浴びせ続ける。

「奥手もここまでいくと滑稽ですね」


「うるさい。さっさとやるぞ」

「なーんだ、じゃあ心おきなくやれます。

メアリーちゃんにとって大切な人になっていたらやりにくかったけど、

 『ただの他人』ですもんね、フフ」


 フランの持つ剣から水が溢れてくる。

トニーも力を込め、剣の周りを水流で囲み始める。


 フランが間合いを詰め、体勢を低くしたかと思うと左下から右上に剣を振るう。

それをトニーが剣で受け止めた。


「これは……魔剣じゃなかったら折れてたな」

笑みを見せながら剣を持つ手に力を込める。

「魔剣でも折れるかもしれないですよ」


 しばらく睨み合いと力のせめぎ合いが続く。


 だが突然の轟音と兵士たちの喚き超えが聞こえ、目だけそちらを向ける。

メアリーやアーシュがいる辺りに血だらけの兵士が転がっているのが見えた。


 トニーの力が一瞬弱くなったのを見逃さず、フランは腹を横から蹴り飛ばした。

 トニーの手から剣が落ち、離れた場所へ飛ばされる。

立ち上がろうと身体を起こした時には目の前にフランの姿があり、不適な笑みを浮かべていた。


 トニーの剣は到底手の届く場所にはない。

フラン越しにメアリーの姿が遠くに見える。

 アストラの剣から真っ直ぐに噴射された鋭利な水がメアリーへ直撃しようとしていた。


「メアリー!!」

トニーは思わず声を上げた。


 それに合わせフランも振り返る。

だが、水はメアリーを避け背後の兵士たちへと向かった。


 フランが目を離した隙にトニーは足を蹴り体勢を崩させる。フランの身体が地べたに倒れた瞬間にフランの剣を奪い、足で胸を踏みつけその剣をフランの首元へ向ける。その時間わずか数秒。


「終わりだな」

形勢逆転し今度はトニーが見下すような目でフランに目を落としている。


 フランは胸にある足をどけようと両手で掴むがびくともしない。


 フランは舌打ちをしながらトニーを睨み上げる。



 トニーは大きく息を吐いた。

「こんなことやってる場合じゃない」


 トニーが視線をやった先を見ると、アストラが剣を持ちアーシュに近付いている。


 トニーはフランから足を離し、腕を引っ張り立ち上がらせる。

 そしてフランの肩に左手を置き、瞳を捉える。

唖然としているフランに諭すように言う。


「殺したいならいつでも来い。相手になってやる。

だが今じゃない」


 そう言って剣をしっかりと握らせる。

トニーは背を向け自分の剣を拾い、メアリーたちの方へ足早に去っていく。



「カッコつけんなよ……」

フランが小さく呟いた。



 フランはそれを追いかける。

だが、トニーはメアリーたちの元へ行く途中で不意に足を止めた。

 フランは状況が読めず同じように足を止める。


 トニーが一点を見つめ、絞り出すように声を出した。


「父さん……」


 トニーは父と呼んだ男の方へ近づいていく。

呼ばれた男性もトニーの方へゆっくりと足を進めている。


「父さん……帰ろう。

母さんや弟や妹たちも喜ぶよ」

トニーのその目には涙が光っている。



 トニーがその男性に触れるその時、風を斬る剣の音がして剣同士がぶつかる金属音がした。

 

「なんで……」

トニーは剣を抜く暇もなかった。

目の前の光景に目を疑った。


 目前では、トニーの父ジェームスとフランの剣が交差している。


「ジェームスさん、これはあんまりじゃないですか?」

フランが怒りを含んだ声を出した。


「フラン……一体……」

トニーに最後まで言わせず、フランがトニーを怒鳴りつける。


「あなたもいい加減気付いてください!!

国を捨てこちらに来たということはそういうことですよ!!」

剣に力を入れジェームスを睨み据える。


 トニーがフランの背後から声を出す。

「父さんは家族を捨てたということか……?」

「実際今見てるでしょう!?

あなたを殺そうと刃を向けたからこうなってるんだ!!」


 ジェームスが馬鹿にしたような笑いを見せる。

「フラン、俺に勝てるとでも思ってるのか?

お前に剣を教えたのは俺ぞ」




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