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ベルディア保護区


「・・・・・・承ったって、そう言う護衛の役目は近衛兵とかの仕事なんじゃ」

「ああ、少し語弊があった。正確には第7騎士団隊長、副隊長、そして6人の部下の計8人編成での守備任務だった。もちろん、国王陛下、姫君の側には側近と鮮鋭の護衛が常に控えていた」


シェナの疑問にユージーンは答える。


「その編成の中にオーガスタが入っていたと、」

「いや、オーガスタは隊の編成に組み込まれてはいなかった」

「??」

「いなかったのだが、視察当日、隊の部下の一人と入れ替わっていんだ。・・・・いや、俺達第7騎士団を欺いた言った方が正しいか」


暗い表情のユージーン。その表情からは後悔の念が浮かばれる。


「奴が入れ替わったのに気がついた時には、俺達はすでにベルディア保護区の敷地内に入っていた」

「送り返せばよかったのに」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・シェナ」

「それが出来たら、苦労しないでしょが」


思った事をそのまま口に出すシェナの言葉にユージーンは気まずそうな表情をし、呆れるロベルトとエマ。


「あ、でも、」


シェナの記憶の中である物がふと思い出した。


「?どうかしましたか、シェナ」

「あ、はい。ユージーンを見つけた時、ユージーンがフルフェイス型の兜を被っていたのを思い出して。まあ、気を失っていたユージーンを運ぶのに気を取られて落とした兜回収するの忘れてましたけど」

「なるほど、入れ替わった部下とオーガスタの背格好が似ていて顔の確認を上手く回避したとしたら、それで、気が付かなかったと」

「・・・・・恥ずかしながら」


ユージーンは過去の自分の不甲斐なさに、顔を歪め、


「更に彼奴は変身魔法で部下の1人に成りすまして部隊に潜り込んでいた」


深い溜息を吐くユージーン。


「オーガスタの存在に気付くことが出来なかった俺達は任務を始めた。ベルディア保護区には島の3ヶ所に施設が存在し、一同はその中の1番大きな施設、第一施設へ通された。そこで俺は見たのは、13年前に国に保護された番いのドラゴンだった」


ユージーンはあの時の出来事をロベルトとエマ、そして、シェナに語った。


+++++++



ベルディア保護区へ視察に来られた国王陛下と姫君。国王陛下の側近と護衛、そして俺達第7騎士団は保護区の施設、第一施設へと通された。


国家機密に関わるのであまり多くは話すことは出来なかったが、施設の中は魔法で保護した魔獣達に適正な環境を再現し、見る者を驚かせた。

そして、開けたまるで洞窟の地底湖のような場所へ入る。

洞窟は薄暗いが光を放つ魔光石が、淡く洞窟内を照らしていた。

洞窟の入り口付近には簡易的な柵が建てられていた。


「国王陛下。エミリア王女。こちらがこの度、無事に卵を産みました、番いのエンシェントドラゴンにてございます」

「これは、」

「まあ!!」


国王陛下と姫君は洞窟の奥を見て歓喜の声を上げる。

我々の場から少し離れた湖の辺りで身を寄せ合い警戒した様子で此方を見ている二体のドラゴンがそこにいた。

2体共、ドラゴンという割にはそこまで体は大きくはなかった。せいぜい体長3メートルもないだろう。ドラゴン族の中では小型の分類に入るだろ。

だが、スラリとした身体に全体を覆う美しい藍翠色の鱗。水晶のように輝く2本の角。胸元には大きな藍色の宝石。こちらを伺う金色の眼。そして、光の加減で飛膜が淡く虹色を帯びて見える4枚の翼。

その姿はまるで、全て美しい宝石で作り上げたかのように神々しく、見る者を惹きつけた。


「エミリア。どうだ?お前が見たがっていたエンシェントドラゴンだよ」

「はい、お父様。なんて、美しいの」


エミリア姫は二体のドラゴンにすっかり見惚れていた。

そして、


「あ、お父様!!アレはもしかして、」

「ああ、アレがエンシェントドラゴンの卵だ」


ドラゴンの足元にはよく見ると岩や石でゴツゴツとした地面が開け周りを囲む様に岩や石の壁が作られている。互いに寄り添う様に、一体のドラゴンは立ち上がり、此方を警戒し、もう一体は身体を横たえ藍色の卵を守るように抱えてあった。

此処から見えるだけでも3つの宝石のような藍色の卵が見えた。


「エミリア。コレが、遙か昔、我が国に富と英成を齎したと言われるドラゴンの末裔の姿だ」

「はい。とても美しいです。お父様、連れて来てくれて本当にありがとうございます」


ドラゴンの卵を見えた事がよっぽど嬉しいのか先日、12歳の御誕生日を迎えられた、エミリア姫はキラキラとした目でエンシェントドラゴンを見入るエミリア姫。


「王女様。今宵は魔素が最も高まる満月の日夜、もしかしたらエンシェントドラゴンが卵から孵るかもしれません」

「ええ!?それは本当ですか!?」


施設の人のその言葉にエミリア姫は頬を桃色に染め、国王陛下の裾を握り、


「お父様!!私、ドラゴンが生まれてくるところが見たいです!!」


エミリア姫のその一言で当時予定されていなかった、国王陛下とエミリア姫の宿泊が決まった。


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