48.肉食なのか、肉食系なのか
お。ちょっとエンジン始動してきました。
お待たせしまして、申し訳ないです。
「夏祭り?今年はねぇ、紫野さんたちと焼肉になったよ〜」
ちょっと祭りはりきっていたから、残念なんだけど…。でも美味しい焼肉屋さんらしいし!まっ、いっか〜!
花より団子。…花火より肉?
ふふ。
『あら?意外と肉食女子なのね?』
そうは思わなかったわぁ…。と。
ヨーコ所長がチラリと、どこかに視線を送ったように見えた。
いつもの飲み会。
「そうなんです!お魚も好きですけどね、お肉の方が大好きです!」
『豚バラでしょう?祭りで串買ってたじゃないですか…』と、隣で牧くんがグラスワインを、ちびちびしながら言った。
いつものメンバー。
よく覚えてるねぇ⁈
「そう!特に好き。豚トロとかイイよね〜…」
はぁ。ウットリ…。
ハッ!ヨダレよだれっ!
思わずウットリしちゃった私を、何だか生ぬるい目で見てるヨーコ所長と…
???
どした牧くん?
いつもの軽快なツッコミはどうした⁈
と、思わず襟首つかんでガクガクしたいくらい…私の隣でグラスをボーッ…と眺めてる。
あれ…?怒ってるん?
“空気読み”が得意技の私の勘は、正しい。
コレで世の中渡って来れたんだから。
と自画自讃。自惚れやさん♪
いやいや!意識戻して…
「所長。私何かマズイことしましたかね?」
『うん?うーん。まぁねぇ…肉食系男子からしてみればねぇ〜?』と、ヨーコ所長からは、ちぐはぐな返答が戻ってきた。
私に…ではなくて牧くんに言ってる?
なんで労わるような感じなのでしょう。
『食い気ばかりだと、色気の変わりに、焼肉の匂いが出てきますよ』
いやぁ、雰囲気だいなし。
と、クスッていつもの牧くん節が出てきた。
んだとぉ⁈
と、言い返そうとした私に、フッと牧くんが向き直って言った。
『それではそそられないなぁ…残念』
と、ニッコリ…コワイ笑顔で。
…なんでだろう。
その笑顔に
そのコトバに、ドキッとした。
…?あれ?
なんだろう…空気読めない。
なんでだろう…?
あんまり経験したことのない感覚に
私は戸惑いを感じた。
『…ふふ。肉食だねぇ。食うか喰われるか。楽しみだねぇ』
ヨーコ所長が、くすぐったそうに肩をすぼめて笑っていた。
いや。私は食いますけども?
肉食。魚ならなんて言いますかね?魚食?なんか肉食より生々しい感じ…。




