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失恋し、裏切られた俺の家に、転校してきた幼馴染が毎日ゲームをしにやって来るようになった  作者: 有原優


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第89話 感想会

 そして、映画を見終わった後、二人でお茶をした。


 近くのカフェだ。


「それで、映画度だった?」


 一葉は早速話題を切り出してきた。


「面白かったよ」

「どこか?」


 一葉は身を乗り出す。


「一言でいうのは難しいんだけどな。でも、世界観が良かったよ。まず」

「うんうん、それでそれで?」


 一葉はまた身を乗り出す。乗り出し過ぎて、確実に俺の陣地を侵害している。


「そりゃ、キャラとか、色々」

「色々ってどんな?」

「それ教えないと」

「駄目だよ!」


 一葉は俺に対して求めている。


「じゃあ、10個言って。いいと思った事」

「言わなきゃ」

「駄目!」


 一葉は楽しそうにそんなことを言ってくる。

 なんとなくうれしいな。


 そんな一葉の楽しげな表情を見ていると、俺も嬉しくなってくる。


 そんなわけで俺たちはじっくりと話し合った。

 一時間くらい話し合った後、席から立ってカフェから出た。


「ねえ、恭介君」

「どうした?」

「あれ、わざとだよね」

「わざと?」

「わざと以外ありえないって」


 理子のストーカーの事だろう。

 俺はというと、わざとだとは思わない。

 一葉と一緒に映画に行くと誰かに言った記憶はないし、知られる理由がない。

 

 赤松が俺を尾行して理子に伝えていたとなれば、分かるかもしれないが、だとしても、理子が来るのが早すぎる。一葉のいわば気まぐれで映画館に行くことになった。そこから隣の席を取れる確率なんて、ゼロに等しいだろう。


 これはあくまでもうろ覚えだし、俺の記憶力ほど信用できない物もない。しかし、確かに隣の席は埋まっていたはずだ。


「俺はわざとじゃないと思うけどな」

「わざとでしょ」


 一葉は言った。


「わざと以外ありえないって」


 一葉は確信しているようだ。


「あり得ないもん」


 そして、唇を尖らせら。


「根拠は」

「ない!」


 ないのかよ。


「無いけど、わざと以外ありえないよ」

「そうかもな」


 俺は頷いた。




「恭介君……」

「なんだ?」

「あの人に、懐かないでね」


 理子に、という事か。


「当たり前だろ。理由がない」

「それならよかった」


 そう言えば、 桐葉ちゃんと理子との間の関係って今どうなっているんだっけ。

 確か、気まずい事になっていると、言っていた気がする。


「じゃあ、家に帰るか」

「うん」


 




「はあ、やっぱりこの時間が幸せ」


 一葉はゲーム機をいじりながら、そう呟いた。


「そうだな。そりゃそうだな」


 当たり前だ。

 俺は今僅差で逆転負けを喫したのだから。


「俺は今楽しくねえよ」

「そんなこと言わないでよ」


 一葉は軽く唇を尖らせた。


「もう!」


「次は勝って俺が気持ちよくなるから、覚悟しとけよ」

「えーそんなこと言わないでよ」


「覚悟しとけよ」



 そして、そのタイミングだった。

 家のインターフォンが鳴った。


「宅配便かな」

「今日家に誰かいるっけ」

「誰もいないな」


 母さんは今買い物に出かけてる。


「私、出て言い?」

「ああ、頼む」


 そして一葉は玄関へと向かった。


 その数秒後の事だった。


「きゃーーーー」


 一葉の悲鳴が上がった。


 これは、まさか、強盗?


 ちくしょ、俺は馬鹿だ。なぜ一葉一人に行かせてしまったのだろうか。

 後悔してもしきれない。だけど今しなければならないのは、一葉を助ける事だけだ。



「一葉!!」


 俺は叫んだ。


 そして、家への侵入者——


 彼女を見た瞬間俺は驚いた。

 いや、其れもあるが危機感もまた同時に覚えた。

 なぜ、ここにいるんだ。



「なぜここにいるんだよ。理子」


 俺は叫んだ。

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