第86話 ライン
「で、次はこれだな」
俺は自身のスマホを見せる。
そこには、赤松から来たラインが表示されていた。
先ほどまで見ていなかったものだ。
「今度は俺の件で恐縮だか」
「別にいいよ」
一葉は小さく頷き、
「それで、なに?」
「そうだな」
俺は頷き、メールを見せる。
中身自体俺ははっきりと見ていたわけではない。が、しかし、内容自体は予測は出来るだろう。
このタイミングで赤松が俺に助けを求めてきた。
それがどういった神経で話しかけたのだろうか、なんて思う気持ちもある。
そして、メールの内容だ。
「最初は未読スルーしようかなって思ってたんだけどな」
俺はそう呟く。最初は既読スルーなんてしようと思っていた。
だけど、それではいけないと思ったのだ。
理由は単純、気になる内容があるのだ。
「これを見て欲しいんだ」
そのメールの内容には理子にふられたという内容と共に、俺に助けを求めているものがあった。
しかし、助けを求めているのはあくまでも、理子に対して、という事らしい。
理子の虐めに対して助けを求めているようだった。
「なるほど」
意味が分かった。
助けを求めたのはそう言う事らしい。
理子を助けて欲しいと言っているのだ。
「馬鹿らしいけどな」
俺は呟いた。
理子を助けるという選択肢などない。
最初に裏切ったのは彼女出会って、いじめられている所に同情の余地などない。あるわけが無い。
しかし気になるのは、彼が振られているという事だ。
どうやらあの後、理子から正式に別れを告げられているという事だ。
つまり、理子から捨てられている。
それなのに、縋るというのは強いなと、感じる。
それほどまでに好きだったのだろうか。
正直恋愛面に関しては、好きにしてくれたらいい。
正直個人的には報いは十分に受けていると思う。
許せない部分はあるし、この醜い感情が晴れるときは来ないとは思うが、
それでも、恋愛をする権利を俺が縛るなんてことはしてはいけないと思う。
「どうすればいいと思う」
俺は鏡花の目を真っ直ぐに見、そして一葉の目を見た。
一葉は手を前で組み始める。
「私は……もはや放置してもいいと思ってるけど」
「まあ、そう言うと思ってたよ」
「あたしもそう思う」
鏡花も頷いて見せる。
「だけど、嫌な予感がするんだ。言葉では上手く言い表せないんだが」
「考えすぎでしょ」
一葉が言った。
だけど、鏡花は
「あたしも心配かな……」
そう、呟いた。




