第82話 相談
そして、部屋から一葉が出てきて、入れ替わりに俺も着替える事となった。
そして着替えて、食事を取る。
その時に、母さんに言いたいことがある。
「母さん」食事の場、俺は母さんに話しを振る。
「母さん、なんで今日一葉が泊ってるかの理由って聞いた?」
まず俺はそう問うた。
「知らない、何で?」
母さんはあっけらかんにそう返した。
「理由があるんだ。これからの話だよ」
そう、俺は言い放った。
そして、かくかくしかじか話を開始する。
「ふうん、なるほどね」
母さんが言った。
「あの人がどういうかは分からないけど、私はいいわよ」
母さんは、そうはっきりと言い放った。
「いいの?」
「いいよ。ただ、お金の面もあるけれどね」
「確かにな」
お金は問題だ。
母さんに、一葉の分の衣食住のお金と、高校の学費を払ってください、なんて言っても話にならないだろう。
お金の話は情だけでは何ともならない部分だ。そこはシビアにならざるを得ない部分であるのだ。
「それと、許可が無いのはだめね。誘拐になっちゃう。私も一葉ちゃんを家で住まわせたい気持ちはあるの。だけど、最低限一葉ちゃんがこの家に住む許可を、出来るなら養育のためのお金ももらって欲しいの。それが難しい話っていうのは私が一番よくわかってるわ。だけど、これはあくまでも必要な条件よ」
「分かってる」
俺は頷いた。
「お母さん」鏡花が口を開く。「あたしが絶対に条件を取り付けて見せる。あたしに全部任せてよ」
はっきりと鏡花はそう言い放った。
そうだ、鏡花というはっきりとした見方もいる。
「今日、交渉に行くなら、私はいけないから。その場合は」
「ああ、母さんから許可を貰ったという前提条件が欲しいから。ラインでも書面でも貰いたい」
「分かったわ」
「後、いざとなったら電話するけどいい?」
「ええ。だけど、お父さんの許可ももらわないとね」
そうだ。貰わなければならないのは何も母さんの許可だけではないのだ。父さんからの許可ももらわなくてはならないのだ。
俺は父さんにラインを送った。
それはすぐに、既読がついた。
『その選択はいいと思うし、俺も認めたいと思う。だけど、条件がある。母さんが言っているのを含めて、だ。俺はそれに追加して――』
その父さんの条件は至極真っ当なものだ。
だけど、それを含めたらさらにハードルが上がっていくだろう。
出発前に二人と一緒に作戦を練り直して……
そして、いざ出陣だ。




