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失恋し、裏切られた俺の家に、転校してきた幼馴染が毎日ゲームをしにやって来るようになった  作者: 有原優


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第67話 桐花とのカフェ


 SIDE理子


「なんで、あたしが」


 あたしは、今トイレでご飯を食べている。

 一番したくなかったこと。

 だって、トイレでご飯を食べるなんて、陰キャがやる事じゃない。


 なんで、それをあたしがしなきゃならないの。


 それは、恭介のせいだ。

 でも、恭介には逆らえない。


 一葉、あの女にも逆らえない。売春の事を言われたらあたしの人生は詰む。


 高校退学なんて、あたしの経歴にどれだけの傷がつくんだろう。

 それはたぶん大きなもの。あたしの人生を路頭に纏わせるほどの物だろう。

 あたしは桐花にも見捨てられた。たぶんまた洗脳しようとしたら恭介に情報を漏らされるだろう。


 あたしの人生お先真っ暗だ。



 あたしは何を望みに生きたらいいんだろう。

 あたしは、ただ、恭介と体を繋げたかっただけなのに。


 ★


 帰宅路、帰る前に、桐花ちゃんを誘った。一葉には悪いけれど、一葉と一緒なら話しにくい事もあるだろうという事で、桐花ちゃんと二人きりで話せるようにカフェに来た。

 スタバではなく、別のカフェだ。


 そこで、カフェラテを頼み、桐花ちゃんと向き直る。


「改めて謝りたいです」


 そう言って頭を下げる。


「この前は本当にごめんなさい。大好きな恭介君を裏切る結果になってしまい、本当にごめんなさい」



 その言葉は、本心から言っているように思えた。


「それは良いよ。結果上手くいったんだし」


 今の桐花ちゃんの様子。そして、理子の家に囚われた時の桐花ちゃんの様子と、理子の拷問の内容を考えれば、簡単に分かる事だ。

 そう、桐花ちゃんが心の中から望んで、俺の誘拐に力を貸した訳じゃないという事は。


「でも、本当に謝らせてください。すみませんでした」

「分かった。謝意は受け取っておく」


 受け取らないわけにはいかない。桐花ちゃんは誤ってすっきりしたいのだろう。


「あれからどうだ?」

「少し気分は悪いです。でも、もう理子さんに対しては。見限るというのもおかしいですけど、もうかつての理子さんはいないんだと……理解したくはないのですけど、残念ながら、と言うのも変ですけど、理解することが出来ました」

「そうか。それはいい事なのかな」

「いい事なんでしょうかね……」


 そして、桐花ちゃんはラテティーを飲んでいく。


「理子さんの口からはっきりと、恭介君の事に対して嘘をついていたと知って、愕然とした気持ちはありました。私も最初は恭介君を信じられてなくて……今でも申し訳のない気持ちでいっぱいです。私は理子さんの事も好きですけど、裏切られた気持ちもあって……」

「それが当たり前だよ。桐花ちゃん、君は最後まで信じていたんだからな」


 ただ、逆に理子には作戦の一旦は担わせていなかった。赤松と同じように先兵として使っていなかった。

 

 それは、桐花ちゃんの手を汚させたくはなかったからなのか、裏切ると分かっていたからなのだろうか。


「理子はこれからどうなるんだろうか」

「たぶん、いじめにあいますね」

「そうなのか?」

「はい、恐らく」




 ――


 ――



 ――――




「恭介くん」


 桐花ちゃんは口を開いた。


「私の気持ちにはいつ応えてくれますか?」



 告白の答えだろう。


「今言うのは違う気がしますけれど……でも私は口でキスをする日を待ってます。今すぐにとはいいませんけど、答えは出してくださいね?」

「ああ、わかってる」


 分かってるとは言ったものの、桐花ちゃんには申し訳ないが、すっかりと忘れていた。


 告白の答えか。

 俺が答える気が無いって知ったら怒るだろうか。

 クズと罵るだろうか。


「答えるよ。じっくり考えてな」


 俺は曖昧な言葉で濁すのだった。


 

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