第67話 桐花とのカフェ
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SIDE理子
「なんで、あたしが」
あたしは、今トイレでご飯を食べている。
一番したくなかったこと。
だって、トイレでご飯を食べるなんて、陰キャがやる事じゃない。
なんで、それをあたしがしなきゃならないの。
それは、恭介のせいだ。
でも、恭介には逆らえない。
一葉、あの女にも逆らえない。売春の事を言われたらあたしの人生は詰む。
高校退学なんて、あたしの経歴にどれだけの傷がつくんだろう。
それはたぶん大きなもの。あたしの人生を路頭に纏わせるほどの物だろう。
あたしは桐花にも見捨てられた。たぶんまた洗脳しようとしたら恭介に情報を漏らされるだろう。
あたしの人生お先真っ暗だ。
あたしは何を望みに生きたらいいんだろう。
あたしは、ただ、恭介と体を繋げたかっただけなのに。
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帰宅路、帰る前に、桐花ちゃんを誘った。一葉には悪いけれど、一葉と一緒なら話しにくい事もあるだろうという事で、桐花ちゃんと二人きりで話せるようにカフェに来た。
スタバではなく、別のカフェだ。
そこで、カフェラテを頼み、桐花ちゃんと向き直る。
「改めて謝りたいです」
そう言って頭を下げる。
「この前は本当にごめんなさい。大好きな恭介君を裏切る結果になってしまい、本当にごめんなさい」
その言葉は、本心から言っているように思えた。
「それは良いよ。結果上手くいったんだし」
今の桐花ちゃんの様子。そして、理子の家に囚われた時の桐花ちゃんの様子と、理子の拷問の内容を考えれば、簡単に分かる事だ。
そう、桐花ちゃんが心の中から望んで、俺の誘拐に力を貸した訳じゃないという事は。
「でも、本当に謝らせてください。すみませんでした」
「分かった。謝意は受け取っておく」
受け取らないわけにはいかない。桐花ちゃんは誤ってすっきりしたいのだろう。
「あれからどうだ?」
「少し気分は悪いです。でも、もう理子さんに対しては。見限るというのもおかしいですけど、もうかつての理子さんはいないんだと……理解したくはないのですけど、残念ながら、と言うのも変ですけど、理解することが出来ました」
「そうか。それはいい事なのかな」
「いい事なんでしょうかね……」
そして、桐花ちゃんはラテティーを飲んでいく。
「理子さんの口からはっきりと、恭介君の事に対して嘘をついていたと知って、愕然とした気持ちはありました。私も最初は恭介君を信じられてなくて……今でも申し訳のない気持ちでいっぱいです。私は理子さんの事も好きですけど、裏切られた気持ちもあって……」
「それが当たり前だよ。桐花ちゃん、君は最後まで信じていたんだからな」
ただ、逆に理子には作戦の一旦は担わせていなかった。赤松と同じように先兵として使っていなかった。
それは、桐花ちゃんの手を汚させたくはなかったからなのか、裏切ると分かっていたからなのだろうか。
「理子はこれからどうなるんだろうか」
「たぶん、いじめにあいますね」
「そうなのか?」
「はい、恐らく」
――
――
――――
「恭介くん」
桐花ちゃんは口を開いた。
「私の気持ちにはいつ応えてくれますか?」
告白の答えだろう。
「今言うのは違う気がしますけれど……でも私は口でキスをする日を待ってます。今すぐにとはいいませんけど、答えは出してくださいね?」
「ああ、わかってる」
分かってるとは言ったものの、桐花ちゃんには申し訳ないが、すっかりと忘れていた。
告白の答えか。
俺が答える気が無いって知ったら怒るだろうか。
クズと罵るだろうか。
「答えるよ。じっくり考えてな」
俺は曖昧な言葉で濁すのだった。




