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失恋し、裏切られた俺の家に、転校してきた幼馴染が毎日ゲームをしにやって来るようになった  作者: 有原優


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第65話 ファミレス


 そして、当初の予定通り、ファミレスに行くこととなった。


 とはいえ、当初の一緒にご飯を食べる意図での、楽しむためのファミレスとは空気感が違う。

 とはいえ、事件前の話し合いではなく、事件後の話し合いだ。そのことを考えれば、結局シリアスじゃなく。楽しい会になるのかなと、思った。

 



「詳しい話をお願い」


 そう、一葉に言われ、俺は小さく頷いた。一言で話すのは難しいが、


 俺は丁寧に説明することを徹底して説明する。



 ――――――



 ――――――





 ――――――――――




「なるほど」


 俺の10分間に及ぶ説明が終わると、一葉はうんうんと頷いて見せた。

 鏡花に関しては「ひどい」と呟いた。


「理解できた」


 それを聞いて、安堵する。俺の説明が分かりにくくなくて。

 そして、一葉に無事に伝わってくれた。


「あたし、もっと早く気が付けばよかった」


 鏡花は無念さに唇を尖らせた。


「あたしだったら、あの女をぼこぼこに出来るのに」

「気持ちだけでうれしいよ」

「でも、本当にそう。恭介君に被害が及んだし、田淵さんにも申し訳ないし。……もっと早く行動してたら」

「だけど、まだ先生が動いてくれる可能性もあったから」


 だが、流石に週末を超えて何もなければ、

 先生がまともに動いてくれていないと判断してよかったと思うけど。


 その、タイムリミット前日に動いてきたという訳だ。


「それに関しては、やらかしたと思うよ。だけど、結果的に売春をしていたという話を聞けた。あいつが自滅してくれた。それに関しては安堵してる」

「恭介君はそれでいいの?」

「とは?」

「だって、そんな甘い結末で」

「如何かな」


 確かに甘い処遇だと思う。

 彼女は俺を苦しめ、そして絶望に叩き落した。

 一度は本当に気力を無くして、自死を選ぼうかと、思った時もあった。



「確かに甘いかもしれない」


 だけど、俺は。


「あいつと同じレベルに堕ちたくないんだ」


 復讐を完全に遂げるという事は、俺は鬼になるということだ。確かにそれもいいかもしれない。

 だけど、俺は最後には、鬼や悪魔になる事はしたくない。


「恭介君。一応言っておくね。漫画キャラとかアニメキャラみたいに、かっこいい事をしても、この世界に読者はいないんだよ。ここは、かっこつけなくてもいい所だよ」

「うん。あたしもそう思う。許さなくてもいいんだよ。これを警察に持って行ってもいいんだよ。売春の証拠と一緒に」

「そうかもね」


 俺が理子を真の意味での絶望に叩き落さないという行動をして、スタンディングオベーションをする人はいないかもしれない。

 だけど、俺はそれでいいんだ。


 俺は、いいんだ。


「恭介君。一応切り札は持ってるから、次恭介君に何かあったら、私が責任もって地獄に叩き落すから」

「だな。とはいえ、もう地獄に落ちてるかもしれなんが」


 今の状況。完全に理子は地獄に落ちている。


 何しろ、嘘でつないでいたクラスメイトの信頼を裏切る結果になった。

 自分から、あたしは悪です。クズです。と、発言させたみたいな事だから。


 俺たちが暴露しなかった、と言う事で、一葉は売春を行っているという事をクラスメイトにばれない、退学しない。その二点で理子は救われただけだ。


 理子が地獄なのは変わりがないだろう。

 

「あたしは、もっと地獄に叩き落したいよ。お兄ちゃんに酷い事をしたあの女は許せない」


 一葉よりも、鏡花の方が怒りに満ちているようだ。


「大丈夫。そこは何とかなると思うから」

「お兄ちゃんは甘いよ……」

「大丈夫だよ」


 俺はそう言って鏡花の頭を撫でた。

 そこで、ようやく料理が届いた。美味しそうなハンバーグだ。

 俺はそれを口にくわえていく。


 美味しいと感じた。戦いの後、疲労の後のご飯だ。美味しいに決まっている。


 三人で食べるご飯は、勝利の味がした。

 そして、明日からの理子の落ちぶれようが楽しみだ。

 なんやかんや言って、理子の絶望を楽しみにしている俺がいる。


 売春の事は、保険として持っていればいい。今はただ、明日の理子を楽しみにしていよう。

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