第61話 理子
その頃
SIDE理子
「ねえ、桐花」
あたしは桐花を呼んでカラオケに来ていた。
理由は単純。あたしには聞き出したい事、訊き出さないといけない事があったから。
「ねえ、何で。彼と一緒に遊園地に行ったの?」
桐花はあたしを裏切っているかもしれない。そう考えると、色々と筋が通ってくる。
最近は恭介と一緒にご飯を食べてるみたいだし。
全部赤松が調べてくれた。桐花に反旗の疑いがあるって。
もし、それが本当ならあたしは桐花を許せない。
恭介を精神的に追い込みたいのに、恭介に味方が出来たら困る。
そしたら、あたしの鬱憤を晴らせない。
「それに、あたし聞かれたの。いじめを行ってない? って先生に」
そしてあたしは机をトントンと爪で叩く。
「訊いてんの?」
それに対して桐花は「訊いてます」と小さな声で言った。その声は小さく、恥ずかし気な表情だった。これは完全に黒。アタシを裏切っているとしか思えなかった。
「あたしは、失望してるの。あなたに」
あたしは。陽太。あいつを絶望させたいだけ、だったのに。
ムカつくムカつく。イライラする。
「どうして」
そんな時桐花が口を開く。
「どうしてそんなに恭介君の事を嫌うんですか?」
理由なんて、決まっている。
「あたしの華の三年間を奪ったからよ」
あたしにとって、恋人関係は重い物だ。だけど、それを友達の延長戦として見られていた。
あたしを、彼女じゃなくて、ただの友達として見ていた。それが一番我慢ならない。
★
その言葉は本心じゃないと、桐花は思った。
やっぱりだ。本心ではそんなこと思っていないのに、自分を偽っているんだ。
最近の理子はおかしい。前までそんなことはなかったのに、どうして今の形になっているんだろうか。
桐花が理子に向き直ると、理子は不機嫌そうに机をトントンと叩きながら、
「決めた」
そう、不穏な一言を口にする。それは、
「あたしの言いなりになってくれない?」
その表情は悪そうなものだった。
それから、桐花は強引に理子の家に連れていかれた。
表向きは友達として、恨む気には今から調教するために。
理子の目の前で桐花の両腕は後ろ手で縛られている。
「あたしを裏切って恭介の味方になった。その罰を受けてもらう」
その目線は怖い物で桐花はぎゅっと目をつぶった。
(恭介君、助けてください)そう、願えど、党の本人は今平和の中バトミントンをしている。
そして、理子は桐花の制服を脱がしていく。
そしてあっという間に下着姿が見えた。
「あたし、これから桐花をいじめるの楽しみ」
そう、悪魔のささやきを桐花に対してして見せるのだった。
それから、桐花は完全に理子に屈服させられていく。
理子の加減すら知らないような、尋問。そして拷問によって。
外傷はつけられていない。つけられていないが、その中で桐花の精神はどんどんと削られていく。
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「ねえ、桐花は、あたしの味方だよね?」
その問いに桐花は力なくうなずくのだった。
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「今日楽しかったね」
そして俺たちは帰路へとついている。
「ねえ、恭介君」
「なんだ?」
「明後日証拠出しちゃおっよ」
そう、一葉が言った。
「あたしも付き合おっか?」
「いや、俺たちだけでいいよ」
理子が俺を裏切った証拠をラインでばらまく。
いや、証拠画像を出す。
もしかしたら、フェイク画像として、言い訳を聞かされてしまうかもしれない
だけど、その時に追撃する手札もそろってる。
だから、大丈夫だ。
もう、先生には頼れない。だからこそ、俺たちで頑張るしかないのだ。
そして、理子を地獄に落とす。その覚悟も出来ている。
やるしかないのだ。
流石に、二日連続でお泊り会は違う。と言う事で、今日は解散と言う事になった。
そして鏡花と二人家までの帰り道を歩んでいく。
「お兄ちゃん」
鏡花がこちらを真っ直ぐに見る。
「今日はありがとね」
「どういたしまして」
「でも、あたし今日行ったところは避難所にするつもりなの」
「その心は?」
「部活にも挑戦したいから」
そう、強い意志を持ちながら鏡花が言った。
「応援するよ」
俺はそんな鏡花の頭を優しく撫でるのだった。
★
SIDE一葉
楽しかったな。そう思いながら私は帰路についた。今日、正確には昨日からずっと楽しかった。
恭介君と一緒なら、何でも楽しい。
嫌だなあ、と思う。正直な事を言うと、あの家にはあまり帰りたくない。
だって、ずっと。
ううん、こんなこと思っても意味がないって私は知ってる。
恭介君を私の家の問題に巻き込みたくはないんだから。




