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第20話 カラオケ

 そして、土曜日がついにやってきた。

 土曜日。一葉は俺と遊ぶつもり満々であっただろうけれど、俺はその気持ちをくじく結果になってしまった。


 一葉は『私のこと嫌いになった?』なんてメールで送ってくる。俺はそれに対し、


『今日は用事があるだけだから』


 と、返信をした。

 勿論本当の事は言えない。一葉はきっと全力で止めて来るだろうから。



 そして、早速俺はそのまま待ち合わせ場所となるショッピングモールに行った。

 

 

 ショッピングモールには様々な商業施設や娯楽施設もある。実際にこの前に行ったゲームセンターもここにあったものである。

 そこの入り口付近、マクドナルドの近くに俺は経った。

 待ち合わせ場所に指定されていたのだ。

 まだ、時間が早いからか赤松君は着ていない。実の所、待ち合わせ時間まで後10分あるのだ。少し早く来すぎたかな、なんて思う。



 そして、三分後に赤松君がやってきた。


「お待たせ」


 肩から息を流しながら彼は言った。どうやら、疲れ切っているようだ。


「大丈夫?」


 俺が訊くと、


「ああ、大丈夫だ。……実は朝寝坊しちまってな。こんな時間になっちまった」

「間に合ったからいいじゃん」

「そうだな」


 そして、早速ショッピングモールの地図を互いに確認していく。

 

「ここ行くか」


 そして彼が指さしたのは、フードコートだった。


 まあ、朝ごはん少ししか食べてないから、構わないところだ。


 俺たちは席に着き、そして、注文をする。


 注文は店で行う。俺は早速ラーメンを注文した。赤松君はその間に、お肉屋さんに行っていた。

 そして、ラーメンを受け取り席に戻る。


「へえ、そんな見た目なんだね」


 赤松君が言う。彼が持ってきたのはガーリックライスだ。ガーリックの入ったら椅子に牛肉が上に乗っかっている形状になっている。


「そっちもおいしそうだね」

「一口食べる?」

「いや、いいよ」


 個人的に人の物を食べるなんてことは少し気が引けるのだ。一葉と家族は例外だけど。


 そして、俺はレンゲでまずはスープを救い、飲んでいく。うん。コクがあっておいしい味だ。


 赤松君も、「うめえな」なんて言っておいしそうにガーリックライスを食べていた。





「で、今日どこに行くんだ」


 食べ終わった俺たちは、ショッピングモール内を歩いている。


「せっかく親睦を深めるんなら、ここだと思ってる」


 彼はマップのある地点を指さした。

 そこはカラオケだった。


「カラオケか」

「不満なら別の場所にするけど」

「いや、大丈夫だよ」


 カラオケに苦手意識があるわけではない。歌うのは得意ではないけれど、最低限人に聞いてもらえるくらいの歌唱力はあると考えている。


「じゃあ、終わったら行こうぜ」


 そう、にこっと笑って見せた。

 そして俺たちは食事の後、カラオケへといった。そして、ポテトだけ頼んで、そして中に入っていく。


「じゃあ、早速発案者の俺から歌うぜ」


 そう、赤松君がいい、歌っていく。

 

 その歌唱は中々上手いな、と感じた。その歌唱は感情がこもっているように思えた。


「どうだった」

 元気よく言った。その言葉に「良かったよ」と、俺は拍手をした。


「ありがとう」爽やかに赤松君が言った。


「でも、次は君の番だよ」

「無茶ぶりだね。あれの後に歌えって」

「自信なさげかな」

「いや、大丈夫」


 俺はそう言って歌を歌った。

 正直自身なんて言う物はない。だけど、きっと許してくれるだろう。


 俺は心の底から歌った。

 音程バーが外れるたびに少し不安になる。久しぶりのカラオケは一葉と一緒に行くべきだったかな、なんてふと思う。だけど、今そんなことを考えても仕方がない。



 歌っていくしかない。

 そして、胸の奥底から歌唱していき、ついに歌い終わった。 


 疲れた、と感じた。

 こんなに熱唱したのは、正直久しぶりだった。

 歌い終わり、そっと息を漏らす。


「良かったぞ」と、彼が、赤松君が言った。その言葉に俺は安堵を覚えた。

 彼は馬鹿にするような人間ではないと、思っていたが、実際に馬鹿にされなくてよかった。


 今思ったら、俺は理子と一緒にカラオケに行ったこともあった。もしかして、あの時の理子は俺の歌を聞きながら、冷笑してたのかな、なんて思うと少しいやだ。


 そして、俺は歌唱をして、とにかく歌いまくった。


  そして最後は、アイドルの曲を歌った。その曲自体に罪はないが、その独特な歌詞、そして、男の子が言ったら一般的に面白い歌詞という事で、罰ゲームにふさわしい曲を歌ったのだ。

 

 誠心誠意必死に歌唱した。すると、赤松君が「ひーっおもろいおもろい」と、謎の関西弁交じりで手をパンパンと叩きながら、笑ったのだった。


 


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