第8話「二人じゃ足りない!?迫る陰謀と新たな影!!」
デカマラマスター秘密基地。
「よーし! 今日から俺とネイビーさんの最強コンビで、肛門騎士団をぶっ飛ばしましょう!」
デカマラレッドこと殿岡は、朝からやる気満々だった。
一方、デカマラネイビーこと内藤は、ソファに座って魚の干物を食べていた。
「んー、うまい。やっぱ朝飯は魚だな」
「ネイビーさん! 聞いてます!?」
「聞いてる聞いてる。最強コンビな。いいじゃないか」
「じゃあ、さっそく連携訓練を!」
「その前に朝飯のおかわりを……」
「戦隊の朝は早いんですよぉぉぉ!」
岡部は頭を抱えた。
「お前ら、温度差がすごすぎるだろ……」
奥は訓練用のシミュレーターを起動した。
「二人の戦闘データをもとに、連携訓練プログラムを組んだ。敵役は三体。互いの動きを読みながら戦ってくれ」
「了解!」
「おう」
訓練開始。
シミュレーターから三体のケツノアナーが飛び出した。
「行くぞ、ネイビーさん! 俺が正面から攻めるので、右側を――」
「おっ、あいつ動きが面白いな!」
ネイビーは説明を聞き終わる前に突撃した。
「ちょっ、待ってください! 作戦が!」
「大丈夫だ! 勢いでなんとかなる!」
「それ、俺の悪いところを先輩が拡大してるだけじゃないですかぁぁぁ!」
ネイビーは敵を豪快に蹴散らしたものの、その勢いでレッドまで巻き込んだ。
ドゴォン!!
「ぐえっ!」
訓練終了。結果は失敗。
奥が無表情で告げた。
「連携成功率、4%」
「低っ! 俺たち、敵より味方にやられてない!?」
ネイビーは悪びれずに笑った。
「ははは! まあ、最初はこんなもんだろ!」
「笑いごとじゃないですよ!」
マスターは腕を組み、二人を見つめていた。
「強い者が二人集まれば、必ず強いチームになるわけではない。互いの力を理解し、相手を信じることが必要だ」
レッドは真剣な顔でうなずいた。
「はい! もう一度お願いします!」
ネイビーも干物を置き、立ち上がった。
「よし。今度はちゃんと合わせよう」
そのころ、肛門騎士団の秘密基地では、レーションが新たな作戦を進めていた。
巨大モニターには、街の交通網、電力施設、避難経路が表示されている。
「デカマラレッドとデカマラネイビー。個々の戦闘能力は高い。しかし、連携は未熟……」
レーションは指先で画面を操作した。
「ならば、二人が別々の場所へ向かわざるを得ない状況を作ればいい」
部下が報告する。
「レーション様、ご指定の怪人が出撃準備を完了しました!」
「そうですか。では、作戦を開始してください」
「はっ!」
部下が走り去る。
レーションはその背中を見て、鼻で笑った。
「まったく、命令されなければ何もできない。自分で考える頭すらないとは……」
別の兵士が恐る恐る口を開いた。
「ですが、レーション様。今回の作戦は、部隊にもかなりの危険が――」
「君は自分の心配をしているのですか?」
「い、いえ……市民への被害を……」
「市民?」
レーションは心底おかしそうに笑った。
「君は敵の街を心配する前に、自分の仕事を心配したほうがいい。雑種が正義感を語るとは、実に滑稽ですね」
兵士はうつむいた。
「申し訳ありません……」
「謝罪は結構。結果を出しなさい」
レーションは画面に目を戻した。
「使える駒なら、僕も多少は評価するのですがね」
その直後、街の中心部で爆発が起きた。
ドゴォォォン!!
建物の外壁が崩れ、道路の一部が陥没する。
人々が悲鳴を上げて逃げ惑う中、怪人が姿を現した。
その名は、アナカラス。
全身を黒い装甲で覆い、地面に潜る能力と、複数の場所に偽の振動を発生させる能力を持つ怪人だった。
「カァァァッ! 肛門騎士団の新たなる刺客、アナカラス様のお通りだ!」
怪人は両腕を地面に叩きつけた。
すると、街のあちこちで地響きが起こった。
「カァッカァッカァ! どこが本物の攻撃地点か、貴様らに見破れるかな!」
秘密基地の警報が鳴り響いた。
「怪人出現! 市内の三か所で同時に異常振動を確認!」
岡部がモニターを操作する。
「くそっ、信号が分散してる! どこが本当の出現地点なんだ!?」
奥が眉をひそめた。
「三つの反応のうち二つは偽物だ。だが、解析には時間がかかる」
マスターがレッドとネイビーを見た。
「殿岡、内藤。出動だ」
「了解!」
二人は基地を飛び出した。
現場に到着すると、三方向から助けを求める声が聞こえた。
「こっちです! 建物の中に人が!」
「道路が崩れそうだ! 早く避難してくれ!」
「地下駐車場から出られない人がいるぞ!」
レッドは拳を握った。
「三か所同時なんて……!」
ネイビーは周囲を見渡し、すぐに判断した。
「殿岡、君はあっちの建物へ行ってくれ! 俺は地下駐車場を助ける!」
「でも、怪人がどこにいるか分かりません!」
「だからこそ、目の前の人を助けるんだ!」
ネイビーは穏やかな声で言った。
「怪人を倒すのも大事だ。でも、救助を待っている人たちを放っておくわけにはいかないだろ?」
レッドははっとした。
「……そうですね!」
二人はそれぞれの現場へ走った。
「デカマラチェンジ!!」
レッドが変身し、崩れかけた建物の中へ飛び込む。
「みんな、こっちだ! 慌てずに、一人ずつ避難してくれ!」
瓦礫の下に取り残された人を見つけると、レッドは力を振り絞って梁を持ち上げた。
「今だ! 早く!」
「ありがとう、ヒーローさん!」
「礼はいいから、急いで!」
一方、ネイビーも変身して地下駐車場へ向かっていた。
「デカマラチェンジ!!」
「深き海の守護者! デカマラネイビー!!」
彼は車の間を走り抜け、閉じ込められた人々を誘導した。
「大丈夫だ! 俺が来たからには安心しな!」
「でも、出口が崩れてしまって……!」
「なあに、道がなければ作ればいい!」
ネイビーは倒れた障害物を持ち上げ、安全な通路を確保した。
しかし、そのときだった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
地面が激しく揺れた。
「な、なんだ!?」
天井に亀裂が走る。
ネイビーは人々をかばいながら、出口へと走った。
その様子を見ていたレッドも、別の場所で地面の異変に気づいた。
「この振動……!」
レッドは周囲を見渡した。
怪人の姿はない。
だが、地面の下から聞こえる音には、一定のリズムがあった。
「待てよ……。三か所で同時に揺れてるんじゃない。地下を移動してるのか!」
レッドは基地へ通信を試みた。
「岡部さん! 奥さん! 聞こえますか!」
『聞こえてるぞ!』
「この振動、地下を移動している怪人のものかもしれません! 三つの地点を順番に移動しているんです!」
奥がすぐにデータを確認した。
『なるほど……! 振動の発生時刻にわずかなズレがある。お前の推測が正しければ、本体は現在、港の地下にいる!』
「港ですね! 分かりました!」
だが、そこへアナカラスの声が響いた。
「カァァァッ! よく気づいたな、デカマラレッド!」
怪人が道路を突き破って出現した。
「だが、気づいたところでどうする? お前の仲間は別の場所だ! 助けに行けば市民が危険にさらされるぞ!」
レッドはデカマラカリバーを構えた。
「確かに、俺一人じゃ全部を守れないかもしれない」
「ならば諦めろ!」
「でもな!」
レッドはまっすぐ怪人を見据えた。
「仲間を信じることならできる!」
そのころ、ネイビーは最後の避難者を救出していた。
通信機からレッドの声が聞こえる。
『ネイビーさん! 怪人の本体を見つけました! 港です!』
「よし、すぐに向かう!」
『でも、そっちの救助は!?』
「全員避難完了だ! 心配するな!」
ネイビーは走り出した。
「待ってろ、殿岡! 今、兄貴が行くぞ!」
港では、レッドがアナカラスの猛攻を受けていた。
「カァッ! 仲間など来ない! 貴様はここで終わりだ!」
「来るさ!」
「何だと!?」
「俺の仲間は、約束したらちゃんと来る人なんだよ!」
その瞬間、遠くから豪快な声が響いた。
「待たせたなぁぁぁ!!」
ネイビーが駆けつけ、怪人の背後から強烈な一撃を叩き込んだ。
「なっ、デカマラネイビー!?」
「うちの新人をいじめるのは、その辺にしてもらおうか!」
レッドは笑った。
「ネイビーさん!」
「おう! ここからは二人で行くぞ!」
「はい!」
アナカラスは地面へ潜ろうとした。
「カァッ! また地下へ逃げれば――」
「逃がすか!」
ネイビーが地面を強く踏み鳴らし、怪人の動きを止める。
レッドはその隙を逃さず、デカマラカリバーを構えた。
「ネイビーさん、今です!」
「任せろ!」
二人は左右から同時に攻め込み、怪人の防御を崩した。
レッドの剣が装甲を切り裂き、ネイビーの拳が怪人を吹き飛ばす。
「ぐおおおおっ! この連携は……!」
「一人でできないことも!」
「二人ならできるってことだ!」
「うおおおおっ!」
レッドは剣を掲げた。
『アナイアレイト』
「燃え上がれ、正義の刃! 紅蓮一閃・デカマラブレイカー!!」
紅蓮の一閃が怪人を貫く。
「カァァァァァッ!!」
アナカラスは爆発し、地面に倒れた。
だが、すぐさま暗黒エネルギーが降り注ぐ。
『まだ終わりではない! 巨大化せよ!』
「やっぱり来たぁぁぁ!」
巨大化したアナカラスが、港のクレーンをへし折った。
レッドはすぐにリングを掲げる。
「デカライナー・1号! 出撃!!」
巨大列車型マシンが轟音とともに現れた。
ネイビーも海へ向かって手を掲げる。
「デカサブマリン、発進!!」
海中から巨大潜水艦が浮上した。
二機のマシンが怪人を挟み込む。
「今度は逃がしませんよ!」
「海と陸、両方から攻めるぞ!」
デカライナー・1号が正面から突撃し、デカサブマリンが側面から敵の足を崩す。
「カァァァッ! 動けん!?」
「これが俺たちの連携だ!」
レッドの号令に合わせ、二機が同時に加速した。
「デカライナー・フルスロットル!!」
「蒼海轟砕・ネイビーノヴァ!!」
二つの攻撃が交差し、巨大アナカラスは大爆発を起こした。
戦いが終わり、二人は変身を解いた。
レッドはネイビーに向かって頭を下げた。
「ありがとうございました! 俺、仲間を信じるってどういうことか、少し分かった気がします」
ネイビーは笑って、レッドの肩を叩いた。
「いいってことよ。俺たちはチームなんだからな!」
二人は基地へ帰還した。
その戦いを、レーションは黙って見つめていた。
「……なるほど。連携の経験を積ませてしまいましたか」
部下が震える声で尋ねる。
「レーション様、次はどうなさいますか?」
レーションは眼鏡を直した。
「次は、彼らの連携を逆手に取ります。仲間を信じることが、必ずしも正しいとは限らないと教えてあげましょう」
「しかし、それは……」
「また君ですか」
レーションは冷たく笑った。
「僕の作戦に口を挟む暇があるのなら、少しは役に立つことを考えなさい。……ああ、君には無理でしたね」
部下は唇をかみしめ、うつむいた。
レーションはそんな様子に興味も示さず、次の資料を開いた。
その一方、街の高層ビルの屋上では、一人の青年が戦闘の映像を見ていた。
青年は、レッドとネイビーの連携を見て、静かにつぶやく。
「……二人であれだけ戦えるのか」
彼は懐からリングを取り出した。
「だが、俺は誰かと組むつもりはない」
青年はリングを握りしめ、屋上から姿を消した。
その背中には、誰にも頼らずに戦い続けてきた者の孤独があった。
第8話・完。
次回、第9話「孤高の戦士!デカマラシアンの沈黙!!」
誰とも組まない謎の戦士が、ついに姿を現す!
レッドたちは彼を仲間に迎えようとするが、返ってきたのは予想外の一言だった。
「……俺に、近づくな」
次回も、全開バリバリで行くぜ!!
読んでくれて感謝!!
評価と感想おねがいします!




