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第3話「出撃!デカライナー・1号!!」

――前回までのあらすじ。


復活した暗黒皇帝ケツデカイナーに立ち向かうため、伝説の英雄マスターは高校生・殿岡に赤い指輪を託した。


「デカマラチェンジ!!」


デカマラレッドとして初陣を飾った殿岡は、必殺技「紅蓮一閃・デカマラブレイカー」で敵を撃退!


しかし、戦いはまだ始まったばかり。


そして今、彼らの基地では、ある巨大兵器の修理が進められていた――。


1.秘密基地、朝から大騒ぎ


「だから、そこはまだつなぐなって言ってんだろ!」


「接続しなければ起動試験ができない」


「起動したら爆発するかもしれないんだよ!」


「では、爆発しないように接続すればいい」


「正論で押し切るな!!」


地下基地に、岡部と奥の言い争う声が響き渡っていた。


その中央に鎮座するのは、巨大な列車型マシン――デカライナー・1号。


かつてマスターたちが使用していた戦闘兵器の一つだが、長年の封印によって各部が劣化していた。


岡部は工具を握り直し、機体の下へ潜り込む。


「くっそー、部品が古すぎる! 今どきこんな規格の機械、博物館にもないぞ!」


「文句を言う暇があるなら手を動かせ」


「お前、昨日からずっとそれしか言ってないな!?」


そこへ、赤いジャケット姿の殿岡が駆け込んできた。


「おはようございます!」


岡部が顔を上げる。


「おっ、昨日の新人!」


「新人って呼ばないでくださいよ! 俺、昨日あんなに頑張ったんですよ!?」


「そうかそうか。じゃあ早速、そこの工具を取ってくれ」


「えっ、俺も整備するんですか!?」


奥が淡々と答える。


「戦士にも機体の構造を理解する義務がある」


「学校じゃそんなこと習わないんだけど!?」


「では、今から習え」


「この基地、教育方針がスパルタすぎるだろ!!」


その様子を、少し離れた場所からマスターが眺めていた。


「……賑やかになったものだ」


ほんの一瞬だけ、その表情が柔らかくなった。


だが、次の瞬間。


基地内に警報が鳴り響いた。


『警告! 市街地に敵性反応! 複数の怪物を確認!』


奥がすぐさまモニターを切り替える。


映し出されたのは、街中で暴れ回る巨大な怪物だった。


全身が岩のような殻に覆われ、頭部には巨大な角が生えている。


その名は――ケツイノシシ。


ケツノアナーの兵士たちを従え、道路を破壊しながら進んでいた。


「なんだあいつ!?」


殿岡が叫ぶ。


「ケツデカイナー配下の怪人だ」


マスターが答えた。


「動物の特性を利用した怪人は、単純な兵士よりも厄介だ。あの怪人は突進力に優れている。正面から受け止めるな」


「なるほど……」


殿岡は拳を握る。


「じゃあ、横から殴ればいいんですね!」


「話を聞いていたか?」


「聞いてました!」


「本当に?」


「……半分くらい!」


「全部聞け」


2.レッド、再び出撃!


街では、ケツイノシシが暴れ続けていた。


「ブオオオオオッ!!」


怪人が地面を蹴る。


猛烈な勢いで突進し、駐車中の車をまとめて吹き飛ばした。


「逃げろー!」


人々が悲鳴を上げながら逃げていく。


その前に、赤い戦士が飛び込んだ。


「そこまでだ!」


デカマラレッド、再び参上!


「昨日の借り、返しに来たぜ!」


ケツイノシシが鼻を鳴らす。


「小僧が……また来たか!」


「小僧じゃない! デカマラレッドだ!」


「名前などどうでもいい!」


「こっちは結構気に入ってるんだよ!!」


怪人が突進する。


「うおっ、速い!」


レッドは横へ飛び退いた。


ドゴォォン!!


ケツイノシシが建物の壁に激突する。


「よし! 自滅した!」


だが、怪人はすぐさま向き直った。


「その程度で倒れると思うな!」


「ですよねー!」


再び突進。


レッドは避けようとしたが、怪人の巨体が予想以上に大きく、逃げ切れなかった。


ドガッ!!


吹き飛ばされたレッドは、道路を転がる。


「ぐっ……! こいつ、昨日の雑魚とは全然違う……!」


通信機からマスターの声が響いた。


『相手の動きを見ろ。力だけで勝とうとするな』


「動きを見るって言われても……!」


『突進の直前、何をしている?』


レッドは顔を上げた。


ケツイノシシは、突進するたびに前脚で地面を強く踏みしめている。


そして、頭を低くする。


「……あっ!」


レッドは立ち上がった。


「突っ込む前に、必ず頭を下げる!」


『気づいたか』


「だったら……!」


怪人が再び頭を下げた。


「今だ!」


レッドは突進をぎりぎりまで引きつけ、直前で跳び上がった。


ケツイノシシは勢いを止められず、レッドの下を通り抜ける。


「こっちだ!」


レッドは空中で体勢を変え、怪人の背中に着地した。


「必殺! レッド・ぐるぐる――」


『名前を考えている場合か』


「今いいところだったのに!!」


レッドは怪人の背中から飛び降り、振り返りざまに拳を叩き込んだ。


「デカマラ・ストレート!!」


ドゴォッ!!


怪人がよろめく。


だが、まだ倒れない。


「くそっ、あと一歩……!」


そのとき、怪人の周囲に黒いエネルギーが集まり始めた。


マスターの声が鋭くなる。


『レッド、離れろ!』


「えっ?」


「ブオオオオオッ!!」


ケツイノシシの全身が赤黒く輝いた。


次の瞬間、怪人は先ほどとは比べものにならない速度で突進してきた。


「速っ――!」


レッドは反応できなかった。


そのまま壁へ叩きつけられる。


「ぐああっ!!」


3.戦士の武器


レッドは膝をついた。


「くそ……このままじゃ……!」


怪人がゆっくりと迫ってくる。


「終わりだ、小僧!」


レッドは拳を握る。


まだ立てる。


まだ戦える。


だが、素手では決定打が足りない。


そのとき、基地から通信が入った。


『レッド、右手のリングに意識を集中させろ』


「リング?」


『武器を呼び出せ。お前の戦う意思に応えるはずだ』


レッドは右手の中指にはめられたリングを見つめた。


「頼む……来てくれ!」


赤い光が指輪から放たれる。


光は腕を包み込み、一本の剣へと姿を変えた。


その名は――デカマラカリバー!


「これが、俺の武器……!」


剣を握った瞬間、レッドの心に不思議な確信が生まれた。


使える。


この剣なら、あの怪人を止められる。


ケツイノシシが地面を踏みしめる。


「何を手に入れようと同じことだ!」


怪人が突進してくる。


レッドは剣を構えた。


「いや……今度は違う!」


突進の瞬間。


レッドは横へ身をかわし、剣を振り抜いた。


「紅蓮一閃――!」


赤い軌跡が走る。


「デカマラブレイカー!!」


斬撃が怪人の装甲を切り裂いた。


「ぐおおおおっ!!」


ケツイノシシの身体が光に包まれる。


そして――


ドッカァァァン!!


大爆発。


レッドは剣を地面に突き立て、なんとか立っていた。


「……やった、のか?」


通信機から、マスターの声が届く。


『ああ。よくやった』


レッドは思わず笑顔になった。


「へへっ……!」


だが、すぐに表情を引き締める。


「でも、まだまだですね。次はもっと上手く戦います」


『その心構えを忘れるな』


レッドは空を見上げた。


街は、少しずつ平穏を取り戻していた。


――そのとき。


空の彼方から、巨大な影が一瞬だけ姿を現した。


黒い装甲に覆われた、異様な形状の兵器。


それはレッドを見下ろすように旋回し、すぐに雲の向こうへと消えていった。


「……今の、何だ?」


基地のモニターにも、わずかな映像が残されていた。


奥が険しい表情を浮かべる。


「未確認の大型機影……。敵の新兵器か?」


岡部は腕を組んだ。


「まさか、もう次の手を用意してるってのかよ……」


マスターは何も答えなかった。


ただ、画面に映る黒い影を、じっと見つめていた。


その目には、長い年月を経ても消えない警戒心が宿っていた。


「……始まったか」


誰にも聞こえないほど小さな声で、マスターはつぶやいた。


4.暗黒皇帝の玉座


肛門騎士団の本拠地。


巨大な玉座に腰掛けるケツデカイナーの前で、レーションが報告を行っていた。


「ケツイノシシ、撃破されました」


「そうか」


ケツデカイナーは興味なさげに答える。


「新たな戦士の実力は?」


「現時点では未熟です。しかし、戦闘中に適応する速度は無視できません」


レーションは手元の資料を閉じた。


「成長する前に排除すべきでしょう」


「好きにしろ」


ケツデカイナーは笑った。


「マスターが育てた戦士が、どこまで持つか……楽しみではないか」


レーションは表情を変えなかった。


「理解できませんね。遊びのために戦力を放置するなど、合理的ではない」


「合理性、か」


ケツデカイナーが玉座から立ち上がる。


「お前は本当に変わらんな、レーション」


レーションは沈黙した。


「かつてマスターの隣にいた頃から、そうだった」


「……過去の話は不要です」


「そうか?」


ケツデカイナーの笑みが深まる。


「ならば、これからも忠実に働け。お前の計算が、どこまで正しいのか見せてもらおう」


「承知しました」


レーションは一礼し、玉座の間を後にした。


その背中を、ケツデカイナーは愉快そうに見送っていた。


「さあ、マスター……」


暗黒皇帝は静かにつぶやく。


「今度こそ、お前の大切なものをすべて奪ってやる」


玉座の間に、邪悪な笑い声が響き渡った。


次回予告


デカライナー・1号の修理がついに完了!


しかし、敵の巨大兵器が街に出現し、レッドは初めての巨大戦を強いられる。


操縦経験ゼロ。操作方法も不明。しかも、岡部と奥の説明は食い違ってばかり!


果たしてレッドは、巨大な敵を倒せるのか!?


次回、第4話「巨大合体!走れデカライナー!!」


「説明書は読んだのか?」


「読んでない!」


「なぜだ!?」


「だって文字が多いんだもん!!」


――つづく。


読んでくれて感謝!!

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