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うつとぼく25

 ぼくのうつの具合はすぐには変わることはなかった。むしろ自覚して重くなっていたようにも思う。ただせっかくのまとまった休みだ。これを機に今までやり残していた宿題を片付けることにした。まずは旅行だ。平日にガラガラの旅館を利用できることなどそうない。温泉にでも行って心を落ち着けよう。できれば田舎の方がいい。ということで早速、海の見える旅館を予約した。ディナーはお高いコース料理だ。

 当日、旅館の前にぼくの母校付近を回ることにした。下車した瞬間から懐かしい。都会とは違う美味しい空気がぼくを包む。大きく深呼吸して懐かしい味を噛み締める。懐かしい駅のホーム、懐かしい待合所、全てが今のぼくを形作ってきた風景だった。

 よしまずは揚げ物屋さんに行こう。高校生当時、部活帰りによく通っていたお店だ。老夫婦で切り盛りしており、孫世代に当たるぼくによく「おまけ」をしてくれた。おまけを当てにしてコロッケ1個なんて買い物をするもんだから、これがなかった時の絶望が半端かったのをよく覚えている。そこのおばあちゃんは亡くなったぼくの祖母に似た雰囲気を持っている方だったため、久しぶりにおしゃべりを楽しもうという魂胆だった。ところがお店はお休み。会いたい人に会えなかった虚無感が気持ちをどろんと落ち込ませる。まぁしょうがない。だいぶお年を召していたし。まだご存命ならまた会えるだろう。

 次はクレープ屋さんだ。この辺りには珍しいおしゃれな雰囲気のお店。店内には手書きのメニューが暖色のライトで照らされている。ぼくは「手作り苺ソースと生クリーム」を注文した。小さいカウンターに座り出来上がりを待つ。いいね。作っている最中を見ながら待つのも。店主と少し話したが盛り上がらず、クレープを受け取った。手作りの真っ赤な苺ソース。ホイップがなみなみと盛られた上には桜型のチョコが乗っている。う〜ん最高!揚げ物は食べられなかったけど第二の故郷を満喫することができた。

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