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第9話

短いのに更新遅くてすみません…。


ホムラ(夏輝)視点です。

騎士の朝は早い。

今朝は5時起きである。

…眠いです。



騎士団に入団して早2週間が立つ。

それまで私はずっと筋力トレーニングでした。

初日に騎士団で使っている剣を持たされたものの、持てなかった。

鉄の塊って重いんですねー。


現代日本人の体力なめんなよー。

こんな鉄の塊なんて、工事現場のお兄さんくらいしか持たないんじゃないの?

あと大工さんとか。鉄鋼肩に乗せてない?

でも女子高生には無理だって!


これでさらに甲冑という名の鉄の塊を身に着けるというのか…!

無理だよー。といいつつ筋力トレーニングです。

まあ、変な筋肉が付かないようにって、過度にさせられているわけじゃないんだけど。


それに、ハツカ村への遠征が終わったばっかりで、みんな時間があるのか一緒に訓練を受けてくれるから、あんまり辛くない。

この団には戦いの経験がある人や、他の団で訓練を積んだ人が来るから、全くの素人の私を見るのが楽しいんだと思う。

団長(たいちょう)の目があるからかもしれないけど…。


でも、走りこみや素振りの訓練で私がついていけなくても、みんな待っててくれるのが嬉しいのと申し訳ない。

私が1日かけてやることも、みんななら半日…ううん、ものの数時間でやってる。

それを私の所為で何時間もロスさせてしまうのだ。


それを謝ると、気にするな、ってまた励まされて落ち込むという…。

不甲斐ないけど、今できるのはちゃんと訓練することだよね!




ただ、今日は入団書類を書かなきゃいけないから、訓練棟じゃなくて団長の執務室に行きます。

なんでもっと早く書かないんだ、って?

なんか、提出書類の用意に時間がかかったんだって。


とりあえず必須事項である、名前とか住所、入団の経緯諸々…は書いたので、団長に見てもらうため執務室に入る。

コンコン、と扉をノックすして声をかけと、どうぞ、という返事が聞こえ扉を開けた。

「失礼します。」


執務室に入ると目当ての人物がいる。

部屋の中にはただ一つの家具である机があって、その椅子に座っている。

ハツカ村で私を助けてくれた、団長である。

命助けてもらったからね。たいちょう様って呼んだ方がいいかな?

絶対嫌がると思うけど。


やっぱりいつ見てもかっこいいなぁ。

聞いたところ、やっぱり女子に人気があるんだって。

騎士団には女性が少ないから、主に貴族の女性にらしいけど。


団長は結構硬派なので、女性の噂は特に無い。

モテるのにすごいよねー。

一夜の戯れでいいから、って誘う人もいるらしいんだけど、きっぱりと全部断るそう。


私?

かっこいいとは思うよ?でもそれ以上はないかな。

トリップしちゃったからって、そういう方面にははっちゃけられないって。

私の目標は家に帰ることなんだから。


恋愛より生存本能…的な。

だから彼氏ができたことないんですね。はい。

弟に笑われた気がする。むきー。


「どうした?」


はっ!!

夢想してしまった。戻って来い私。

咳払いして、私は近づいて書類を差し出した。

「入団申請書類の用意ができました。」


受け取った団長は、書類を上から読んでいく。

書類で彼の顔は見えないが、読んでくれてるのはわかる。


てゆうか団長ってまだ22歳なんだって。

どんだけ若いんだ!!

私だってもう少しで18歳だ――トリップしてなければ誕生日も祝ってもらえたんじゃないかな――けど、団長どころか隊長もできないでしょ。


団員のみんなも若くて、平均20歳ぐらいじゃないかな。

まあ独身の人が多いからそういうものなのかもだけど。

ほら、出張とか地方への異動って独身の人が多いじゃん?


「ホムラ。」

読み終わったのか、団長は唐突に顔をあげて私を見た。

その顔は眉が寄っている。


そして、またも夢想していた私は声が裏返った。

「ぅはいっ!」

恥ずかしくで目が泳いだ。

何か書き間違えているだろうか。


「なぜ希望する団を書かない?」


団長が返してきた書類を見直すと、下の方に“希望する団”の記入項目がある。

そこは空白で記入されていない。

私は首を傾げてしまった。


「ここって、たいちょーが書くんじゃないんですか?」


各団の呼び方は第1団、第2団…のように数字ではなく、“団長の名前”団、と記入する。

だが、私は団長の名前を知らないので、書きようがなかったのだ。

団長はそのことを知っていると思ってた。


でも名前聞き直すのもなぁ…。

気まずいよね。初対面でもないしさ。このくらい書いてくれたっていいじゃんー。

「お任せしていいですか?」


そう言われた団長はさらに眉を寄せた。

なまじイケメンなだけに凄みがあって怖い。

「お前まさか…。」


気づかれたっぽい。目が泳ぎまくってるからわかるよね…あわわわわっ。

でも怖くて声が出ない。すみませんすみません!

心の中では土下座してるよ!!


私が青い顔をしているのを見た所為か、団長はため息をついた。


「俺の名前はユウリ・アルベルトだ。ちゃんと書け。」


「はいっ!!」


団長の名前初めて聞いた!!

ほえー…顔が名前に勝ちすぎじゃないでしょうか?

アルフレッドとか、ラインハルトとか、ミドルネーム入ってるとか、もっと仰々しいの想像してた。


それはお前の主観だ、って?

…すみません。



団長の名前は一応伏線です。


あれ、伏線て言ったら伏線じゃなくなるのか…?

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