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第39話

連続2話投稿です。

ホムラがとうとう衣装チェンジします!


ホムラ視点です。



カレンさんが先日の魔獣グノーム戦で消耗した装備品を新しいものに変えてくれた。


今まで使っていたロングコートのような、丈の長いアウターは元々裾が解れていたし、魔獣グノームとの戦いでずたぼろになっていたから。

訓練のときはなくても困らないけど、戦いの際には必要なのでカレンさんに予てから頼んでおいた。


「はい。これができあがった防具です。今までのは損傷が酷かったから破棄しましたわ。」


そう言ってカレンさんは手に持っている防具を渡してくれる。

今回の防具も衣服のように袖を通しやすそうだ。


「ありがとうございます。今回のは丈が短いんですね。…あ、ホットパンツ。動きやすそう。」


受け取った防具は、腰ほどの長さのジャケットとこげ茶色のホットパンツ、それから指先のないグローブだった。

以前のアウターのように腰の下の部分がひらひらするのもマントみたいでよかった。けど、この短いジャケットとホットパンツも空気抵抗が少なくなって動きやすくなりそう。


「ええ。前回は前身を守れるようにと、長いものを用意しましたが、ホムラが素早い動きが得意と聞いてこちらを用意しました。不具合はありませんか。」



ホムラ、と敬称なしで呼ばれて視線を上げた。


「ホムラと呼ばせて貰えませんか?…わたくしのことも、カレンと。」

眉尻を下げてカレンさんは微笑んだ。


「もちろん!…かっ、カレン…。」

恥ずかしくて尻すぼみになってしまった。


「ええ。よろしくお願いしますね、ホムラ。さ、ジャケットを羽織ってみてください。」


そう言われてジャケットとグローブを付けてみた。


ジャケットの生地が思いのほか柔らかく、肩の動きを制限することがない。

グローブも手にしっかりフィットして握りこぶしをつくっても手に違和感はなく、剣を握っても邪魔しなさそうだった。


「サイズぴったりですよ!手のサイズまでどうやってここまで…?」


「ふふ。わたくしと室長の手にかかればこのくらい大した問題ではありません。」

カレンは得意げにふふんと笑って見せた。


「…ですね。ありがとうございます。剣技大会で使わせてもらいますね。」

感謝の気持ちが伝わるように笑顔で頷いた。


インナーやタイツを用意すればこれで戦えそう。



ゲームのキャラクターっていつ着替えてるんだろう、とか思ってたけど納得。


キャラクターの服装っていつも同じでしょ?

それこそ1年とかずっと同じ服じゃない?

私も何着持ってるんだろう、とか思ってたんだ。


だけど、こうやってカレンに防具をもらうとわかるけど、1着だけなんだよね。

それこそ耐久性は高いから、騎士団の鎧みたいに毎晩磨く必要はないし、定期的に鉄加工のお店に持って行かなくてもいい。

普段の訓練はジャージで、実戦のときに防具を用いればいいんだ。

だから、何着も持ってなくてもいいんだね。


学校の制服みたいだな。

高校入って3年目だけど、制服って1着だよね?

他校では季節に合わせて2着とか3着あるみたいだけど…。

一応スカートは夏用冬用持ってるけど、ブレザーは1着だけだよ。


このバルテッタ学院みたいに派手じゃないけどね。

普通に紺のブレザーです。




「ところで…。」


うんうん、とジャケットを眺めていたら、カレンが小さく呟くような声で私を見た。

上目遣いやばい。超かわいい。


「本当に、本当に大会に出るのですか?」

その顔には大きく不安と書いてあった。


「はい。実力を試すいい機会かな、と思って。」

半分は本当だ。


「ですが…。」

恐らく、以前の魔獣グノームと戦ったときを思い浮かべているのだと思う。


カレンだけでなく、団長や魔術師団長も、私がまた無茶しないか心配しているらしい。

だけど、ここで立ち止まっては先に進めないのだ。

何せ手がかりが目の前にあるのだから、それを手にしないという選択肢はない。


先日身に付けた魔術がどのくらい使えるのかとても気になっているし、実戦でどれだけ戦えるのか「結果」として残る大会はいい機会だと思う。

それに…団長の分まで勝ちたい。頑張りたい。


なんていうか…グノームと戦ったからかな。

人間相手なら大丈夫だろ、ぐらいの気持ちになってる。

今回は模擬試合っていうのもあるんだけど。



団のみんなにも特訓してもらって、結構自信がついたんだ。

戦うこともそうだけど、進むことも。


正直この先が待ってるのかわからない。全くの未知。

不安しかない。


気づけば異世界にいて。

気づけばこの世界が乙女ゲームかもしれなくて。

気づけば死亡フラグ回避して――というかフラグを折って?――。


次に何が待ち受けているかわからない。


今度こそ死んでしまうかもしれない。


――怖い。


例え魔獣だろうがなんだろうが、来ることを知っているのと知らないのでは、その恐怖の大きさは違う。

心構えが出来るのと出来ないのではやっぱり違うのだ。


だけど。

魔獣グノームに関しては知らなくて良かったかも。

知ってたら絶対遠征なんて行かなかっただろうし。


…でもこれから先は自分から先に進まねば。


帰るんだ。

元の世界に。



「私の実力見て、きっとびっくりすると思いますよ。だから、楽しみにしててくださいっ。」

私はにっと笑って、カレンに茶化すようにそう言った。


私の家路はまだ始まったばかりだ。


「まったく。調子がいいんだから。」

私の顔を見て、カレンの不安そうだった表情も緩む。


「えへへ。頑張ります!」




2人だけの女子会は、今度こそ魔術師団長に邪魔されないよう見つからないように行った。


はずなのに。


「ホムラく~ん!カレンく~ん!君たちがここら辺にいることはわかっているんだよ!速やかに出てきなさ~い!」


魔術師団長の声。

学院の入り口近くについているカフェテリアにいたのに、ここまで探しに来たらしい。


私たちはびっくりして2人で顔を見合わせ、お互い大笑いしてしまった。


「ここか!!」


私たちの笑い声で、とうとう魔術師団長に見つかってしまったのであった。



ゲームのキャラクターってずっと衣装が同じなので、何着持ってるんだろうっていつも思ってました。この回を書いてて、勝負服は1着なのか…!!という発見をしてます(*´ω`*)

ちなみに私の高校時代は替えがないので毎日同じ制服でした。しかも制服って高いのでブレザーは1着冬や寒い日だけ着用で、中はワイシャツの上からベストを着るというちょっとダサい制服だったんです。今回ホムラもそんなイメージで書いてます。



続きを書いたのですが、結構長くなってしまったので活動報告にて書かせていただきます。よろしければそちらもどうぞ。

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