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第14話

お気に入り登録&評価ありがとうございます!!


サクラ視点です。

「リオン!ちゃんと休憩しなきゃだめじゃない!!」


私はリオンの前に回りこみ、腰に手を当ててむっとした顔をする。

ヒロインがすることそのまんまだけどね。


やっと気づいた彼は、剣を振る手を止め、目を丸くした。

「サクラ?ごめん、全然気づかなかった。」


やっと剣下ろしてくれた。

なんでこんな危ないもの持ってる奴に近づけるかなー。

怪我はしないってわかってても怖いよ。…ヒロイン恐るべし。


「もぉ。全然休憩とって無いんだから。ほら、タオル。あと果物持ってきたから。」

ほんとは蜂蜜レモンがいいかな、なんて思ったんだけど手がべたべたになるかと思って、リンゴとオレンジの皮をむいて持ってきたんだ。

…蜂蜜レモンの作り方を知らないってのもあったけど。

携帯電話がないって不便だねー。あればすぐに調べられるのに。


「ありがと。練習してた甲斐あったな。」

ふふ、と彼は笑って先にタオルを受け取り、軽く頭を拭いたあとに果物が入った容器を受け取った。


やっぱ絵になるなぁ。かっこいい人って何してもかっこいいから得だよねー。

こんな人現実にはいないよねぇ。

2次元だもんね…って何拗ねてるんだ私。


「頑張りすぎだよリオン。もう少し休まなきゃ実力出せないんだからね!」

これもヒロインのセリフ。確かこんな感じの内容だったはず。

内容なんて忘れてるかなって思ったけど、案外覚えてるものだね。


この調子なら、シナリオ通りにエンディング迎えられそう!

目指せトゥルーエンドで元の世界へ帰還!



「だってやるからには優勝したいじゃないか。サクラにもいいとこ見せたいし。」


リオンはそう言って微笑むが、実は闘技大会では結果はすでに決まっている。

私がリオンを応援しようがしまいが、優勝は別の人間なのだ。

もちろん負けたあとに、慰めイベントなるものが発生してそこでも好感度をあげることができる。


「そんな無理しなくたって…。」

これは本心から出た。

だって、ひたすら練習してるんだもの。


「ありがと。でも、もう昔みたいなことが起きてほしくないから。」

リオンは眉尻を下げた。


ここで、リオンの過去を思い出すシーンが入るんだ。

ヒロインとリオンは昔、大きな魔獣に襲われたってゆう過去があって、それを期にリオンは騎士を目指し始めたから。

そしてヒロインの心の内がセリフで表記される。


「(あの時のことだよね…。)」

みたいな。


ここで選択肢が現れる。

励ますか、慰めるか、流すか。


「リオンならきっと優勝できるって信じてるよ。だから、頑張ってね!」

もちろん励まします。

優勝できないって知ってるけど。ごめんね。ものすごい罪悪感。


「うん!サクラに言われたからには優勝しなくちゃね。ありがとう。」


彼はごちそうさま、と言ってタオルと二口ほどしか食べていない容器を鞄へしまう。

そして周りを片付けると、鞄を持って立ち上がった。

どうやらもう帰るらしい。


「あれ?帰るの?」

ゲームでは、会話が終わったあと、すぐに寮内のシーンだったので一人で帰ったのだと思っていたけど…。


「女の子を一人で帰らせるわけにはいかないからね。さ、行こうか。」

そう言って格技場を出る。




「サクラ。」


格技場を出て、2人並んで寮へ向かう。

リオンが私の名前を呼んで横顔を見てきた。


「なあに?」


「こんな遠いとこまで来て、迷わなかったかい?」

困ったように眉を下げた。


確かに、格技場はほとんど人が来ない場所である。

授業も来月にならないと、この場所は使われないため、この時期にここへ来られる者は少ない。


ぎくり。

そりゃやりこんだ上に設定資料なんかも頭に入ってるから、ほぼ迷わなかった。

むしろ近道した。


でもここで迷わなかったよ、なんて言ったら怪しまれるかな。

だって入学時の学校案内だって、格技場はあっちですよ、って感じで校舎内から指差されただけだったし。


「な、なんとかね。」

冷や汗だらだらで、さらに目を泳がせながら言った。

こんな会話ゲーム内では無かったよー。って当たり前か。


「そっか。すごいね。僕だって少し迷ったのに。」

彼は感心したように、にこりと笑った。


私の動揺は気づかなかったみたいだ。

ふー。焦った焦った。



これ以上話すと、ぼろが出そうなので、何かと理由をつけてそこで分かれた。

だって、乙女ゲームの話とかしたら絶対引かれるし、攻略とか元の世界に帰るとか、そういう話じゃなくなっちゃうかもしれないしね。




や、やっとイベントにいける…!

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