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ハッピーホラー  作者: 天使 かえで
第二章

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8/9

理解ある相棒

 男は優柔不断だった。何を決める時も本当にこれでいいんだろうか、別のよい方法があるのではないかといつも時間をかけて考えていた。


 それは慎重というには些か慎重すぎるほどだった。


 ある時、男は男の考えに賛同してくれる理解ある相手に出会った。


 その相手は男の話を聞き、もともと考えていた結果を後押ししてくれるアドバイスをくれる事が多かった。


 男にはそれがとても気持ちの良いものに感じた。あいつに聞けば何でも答えてくれる。俺の背中を押してくれる。悩む必要なんて無かったんだ。理解ある相棒を見つけたと思えた。


 男は何でも相棒に相談するようになった。


 意思決定は早くなり、悩むことも無く快適に物事が進むようになった。


 そう思っていた矢先、仕事の取引先からひとつ小言を言われた。クレームとまでは言えないくらい、ちょっとした愚痴のようなものだった。


 小さい事ながらも、男にとっては今までに無い事だったのでとても驚いた。


 こんな事があったと男は相棒に相談した。


「取引先にこんな事を言われたんだが、俺は悪くないよな?」

「はい。あなたは悪いところなんてありませんよ」

「良かった」


 相棒が理解してくれる。それで自分が間違っていないと男は思った。


 しかし、それから男にクレームが来ることが増えた。


 男は相棒に相談する。


「本当に俺に悪いところなんて無いよな?」

「はい。ありませんよ」

「そうだよな」

「はい」


 ……


「もしかして俺からの質問に『はい』としか答えない?」


「はい。そうですよ。最初から」

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