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おせっかい令嬢は悪役回避してハッピーエンドを目指します!~転生先は現代に似た財閥異世界!?~  作者: 星降る夜
第2章 小学校

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76 体力つけたい!


 体力をつける!


 家に着くと早速、体力お化けの高島に相談した。


 「私も空手習う事にしたわ」


 小学校へ入ったら習い事を再開しましょうと以前お母様が言っていたのだった。その後お母様はお仕事で忙しくなったから、誰も何も言ってこなかった。以前何を習っていたのかは覚えていないから、何でもいいよね。きっと。


 「お嬢様が空手ですか?」


 驚いた様に高島が言った。


 「今日学校で体力測定があったんだけれど。私は全然出来なかったの。皆に笑われてしまったの」


 そう言うと俯いた。久々に女優してます。


 「お、お嬢様泣かないで下さい」


 慌てたように高島が言った。今日は空手の日で、虎太郎君も一緒に帰ってきた。


 「愛梨花ちゃんは僕が教えるよ。ねっ高島先生いいでしょう?」

 「しかし、お嬢様の習い事は大旦那様にお伺いをたてないと……」


 高島が困ったようにモジャモジャの眉尻を下げた。


 「私鍛える。1番になるの」


 涙をふく振りをすると虎太郎君が背中をポンポンとしてくれた。アイや~~虎太郎君も単純だよ。


 「わかりました。お嬢様は、まず基礎トレーニングからやりましょう」


 やったあ!心の中で叫ぶ。なるべくさりげなく顔を上げると着替えるために部屋へ向かった。


 今日から鍛えるんだ。


 小学生の勉強は前世で大学を卒業している私にはまだ余裕があるから、今は他のことに挑戦したいんだ。


 早速、動きやすいトレーナーの上下に着替えると、いつも高島が空手を教えている離れへ行った。


 離れは庭の脇にたたずんでいて、天井の高い平屋造りだ。一面に鏡が張ってあり二面がガラス張りでスケルトンになっている。床は木目で隅にピアノが置いてあり防音設備も完璧だから音楽のレッスンやダンスのレッスンも出来る。


 庭の方に面したガラス窓は開け放つ事が可能なので、ガーデンパーティーの時にちょっとしたミニコンサートが出来そう。考えて見れば離れには初めて顔を出すかも。


 庭から中が丸見えだから虎太郎君が空手の形をやっているのが見えた。この後、龍一郎君も来るらしい。皆熱心だ。私は中に入ると、すみで柔軟体操から始めた。


 「お嬢様、まずは腹筋から」


 高島から声がかかる。仰向けに寝ると高島が足を押さえてくれた。ピクリとも起き上がる事が出来ない。虎太郎君がやって来て見本を見せてくれた。まねをするんだけれど、ただ真っ赤な顔をしてウンウンうなっているだけだ。高島が少し考えるように頭に手をやった。


 「その感じなら無理だとは思いますが、腕立て伏せは出来ますか?」


 今度はうつぶせになった。身体を持ち上げようとしたけれど全く出来なかった。腕立てする以前の問題だよね。きっと……


 困った。高島の顔を仰ぎ見ると大きなため息をついていた。


 「お嬢様に空手は向かないと思いますよ」


 空手が無理でも体力は付けたい。これから成長するからあきらめるのは早いと思う。子供のやる気をつぶさないで欲しい。


 入り口のドアが開いて龍一郎君が顔を出した。


 「あれ?愛梨花ちゃんどうしたの?そんなところに寝て」


 いつもいない私を見つけて不思議に思ったみたいだ。しかも、うつぶせだし……


 「龍一郎、愛梨花ちゃんは腕立て伏せをしているんだ」


 虎太郎君に言われて何をやらせているんだという視線を高島に向けている。


 「腕立て伏せ?」

 「お嬢様が体力測定の結果が悪かったので鍛えたいと」


 龍一郎君は部屋の隅にカバンを置くと私の方にやって来た。


 「高島先生、愛梨花ちゃんは基礎体力と柔軟だけで良いのではないですか?」


 私の側に来て高島に真っ直ぐな視線を投げかけた。


 「お嬢様はおやつを作って下さるだけで大丈夫ですよ」


 高島が腕を組みながら言う。おやつを作って体力つくのか?多少はつくのか?私は真面目にやりたいんだ。


 「体力測定D判定だったの」


 こんなことを龍一郎君には聞かれたくなかったんだけど、隠してもしょうがない。どうせ虎太郎君がすぐに言いそうだしね。


 「D?一体どうやったら……取れるんだ……」


 流石の龍一郎君も考え込んでいる。”走っただけでもC判定出るはずだけど”と言っていたのは聞こえなかったことにしよう。


 「お嬢様、少し時間を下さい。プログラムを考えて見ますから。当面は柔軟をメインで行きましょう」

 「それが良いよ。ヨガとかの方が良いかもしれないしね」


 龍一郎君も賛成してくれた。そうか、少しずつやって行こう。


 ヨガかぁ~~ダイエットによさそう!


 「母様がヨガを習っているから聞いて見るよ」


 ポンポンと床に寝転がっている私の頭を叩いた。東郷寺のお母様とヨガかぁ。それも何だか楽しそうだ。嬉しいかも。


 「お願いします」


 そうと決まれば今日はこれからおやつ作って来ます。ピヨンと起き上がると、足取り軽くスキップしながら厨房へ向かった。走ると転ぶけどスキップしても転ばないの。この世の七不思議の1つだと思う。


 後ろで笑い声がしたような気がしたけど気にしないでおこう。


 私は立ち直りが早いんだ!


 今日はクリーム入りのドーナツが食べたい気分!



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