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おせっかい令嬢は悪役回避してハッピーエンドを目指します!~転生先は現代に似た財閥異世界!?~  作者: 星降る夜
第2章 小学校

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75 体力測定


 光星学園は少人数制のクラスだ。


 授業は基本クラス単位なんだけれど、体育、音楽は合同授業になっていた。


 虎太郎君と翔君、すみれちゃんに会える!


 たった2週間ほどだけれど、凄く久しぶりな気がして嬉しい。緊張する小学校と違って幼稚園がこんなに懐かしく感じるとは思わなかった。


 しかも自由に座っていいの。きっと皆、もう新しいお友達が出来ているのだろうなぁ~~。手を振るぐらいだけど楽しみ。


 私の横にも神馬君と御園君が陣取っていた。いつの間にか3人一緒だと思われているから不思議だ。


 3組が先に体育館に入っていたから1組が入ってくるのを眺めていた。すみれちゃんに手を振る。次は虎太郎君にと思って虎太郎君と目が合った。んっ?一目散にこちらに走ってきた。


 えっ!?


 2組からは翔君が虎太郎君を追いかけるように走ってくる。

 

 「あ、あいつこの間の?こちっに来るぞ、もう1人は幸司の知り合いか?」


 不思議そうに神馬君が御園君に聞いていた。御園君が首を振った。


 「1組と2組の学級委員だね。駿、この間のことは水に流そうと言ったよね」


 先日学級委員会なるものが開かれて顔合わせしたらしい。何故か3人からそれぞれ報告を受けた。翔君もわざわざ報告に来てくれたんだ。まるで私が元締めみたいだ。違うから。


 特に翔君と話すのは久しぶりだった。ここの所以前のように虎太郎君と翔君は一緒にいなかった。従兄弟同士なのに、私のせいだ。翔君のお母様が私と付き合うのをイヤがったからみたいなんだ。翔君も色々気を遣って大変だ。親の影響恐るべし!


 自己紹介をしなくても神馬君以外は皆知っていることになる。御園君が神馬君に2人を紹介していた。皆、硬い表情で挨拶しているけど、大丈夫か?


 まるでゴレンジャーみたいな組み合わせだ。体育の先生も少しあきれて、”そこは首脳会談でもするのか”と言ってきた。3クラスのクラス委員が全員揃っているからね。


 私は心の中で冷戦状態だと思った。初日のことは、もうお互いに水に流したはずだ。それでも何だかバチバチしていた。


 「先生、何か問題でもありますか?自由にグループを作って良いんですよね。クラス対抗ではないんですよね」


 虎太郎君に言われると先生は頷いた。


 「ああ、今日は体力測定だ。グループごとにまわるから、皆も好きに5人~6人でグループ作って良いぞ」


 ザワザワと生徒達が移動してグループを作っていった。1人1人に体力測定のカードが配られた。


 2人や3人のグループとあまった生徒達が集められて、先生が適当なグループを作っていく。その中に何故か1人でいる北川さんの姿を見つけた。青空さんのグループに入らなかったみたいだった。


 学級委員の青空さんのグループは人気だからあぶれたのかも。


 「北川さん、こっちにおいでよ」


 私が声をかけると御園君が面白そうに神馬君を見た。虎太郎君と翔君は顔色1つ変えない。虎太郎君に至っては、男子でなければ関係ないといった風なんだ。面白い。


 「女の子1人じゃ寂しいからいいでしょ?」


 私は神馬君に聞いた。なぜなら他の皆は多分大丈夫だと思ったから。神馬君は私が神馬君にだけ聞いたので気をよくしたみたいだ。単純な奴め。


 「ああ、別に」


 そう言っていつも虎太郎君がやるようにそっぽを向いた。思わず笑みがこぼれる。こういう所が似ているんだな。


 「愛梨花ちゃん、僕もいいよ」


 虎太郎君がそう言って手を握ってきた。


 はいっ?ここで手を握るの?思わず周りを見渡した。周りの視線が刺さる。特に1組の視線が痛い。


 いくら何でも恥ずかしい、もう幼稚園じゃないんだから。いつの間にかあきれたような顔の北川さんが目の前にたっていた。


 「私、お邪魔じゃないかしら?」


 まるでどこぞのお姉様みたいな言い方だ。私はブンブン首を振った。


 「お邪魔じゃないです」


 北川さんと手を繋ごうとして手を伸ばす。その手を横から神馬君に取られた。思わずギョッとして神馬君の顔を見た。何なんだこのデジャブは……


 「手もちっせいな」


 翔君が笑い転げて。御園君が面白そうに口角を上げた。北川さんはあきれていた。虎太郎君は神馬君を睨み私の手を自分の方へ引っ張った。


 思わずよろけそうになり天を仰ぐ。誰か何とかしてくれ……しかし、頼りになる人はいない。


 自分だけが頼りか、なんとかせねば……


 「カードが持てないから手を離してくれる?」


 ニッコリと笑顔で2人に言えば御園君がカードを拾ってくれた。


 「僕がつけてあげるよ」


 ですって!よ、余計な事を、やめてね。自分でやるから!


 もはやあきらめの境地で手を繋ぎながら3人プラス笑いまくっている3人でまわっていると、やっと先生が気が付いてくれた。


 「そこ、仲がいいのはいいが、幼稚園じゃないんだから手は繋ぐな」


 ですよね、ですよね、もっと言ってやって下さい。何なら男同士で繋いで下さい。私は小さいかも知れなけれど小さい子ではありませんのでね!


 そして私は、体力測定で驚愕の事実を知ることになった。


 私の体力は殆どなかった。


 走れば転ぶ。ジャンプすれば転ぶ。腹筋も腕立て伏せも出来なかった。


 それを見て神馬君は笑い転げ、虎太郎君はぎゅうっとハグしてくれた。どちらも恥ずかしいから止めて欲しかった。


 翔君は肩をふるわせて笑い、御園君からは残念な子を見る視線を投げられた。


 そして、北川さんは”あなたといると面白いわ”と不敵な笑みを見せたの。


 私はどこまでも落ち込んだ。


 考えて見れば、運動は苦手だ。前世の小学校では運動会で転んで、男子からはウンチと変なあだ名まで付けられた事を思い出した。運動音痴の略だった。


 しかもこのグループ、男子はもとより女子の北川さんまで走るのは速いわ、反復飛びから鉄棒までこなしていた。


 結果はさんざんで、評価はD、最低だ。皆はもちろんS。D評価は学年で3人しかいなかった。しかも後の2人は見学者と欠席者だった。


 「おまえ、身体弱いのか?」


 神馬君が遠慮なしに聞いて来る。私は首を振った。


 「ちょっと、油断しただけだから」

 「無理するなよ」


 御園君がポンと私の頭に手を置いた。えっと思って顔を上げると、その手を虎太郎君が払っていた。


 「気やすく触るな」

 「まあまあ、愛梨花ちゃんは少し体力作りしないとね」


 翔君に言われてはっとした。そうだ私にはそれが必要なんだ。何事も練習するに限る。報われない努力はないんだわ!


 「うん、頑張る。皆を追い抜くから!」


 私がそう言って拳を上に上げると皆で笑い転げた。その態度、失礼じゃありませんこと。


 今に見てらっしゃい!!!



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