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おせっかい令嬢は悪役回避してハッピーエンドを目指します!~転生先は現代に似た財閥異世界!?~  作者: 星降る夜
第1章

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34 西園寺 虎太郎


 「おい、虎太郎。愛梨花ちゃんから写真が来たぞ」


 のんびりとベッドの上で母様と色々な番組を見ていたら父様に呼ばれた。


 「日本はもう年が明けているわね」


 母様が嬉しそうに言う。


 愛梨花ちゃんから写真だなんてどうやって送ったんだろう。


 不思議に思いながら、父様に見せて貰った携帯には、愛梨花ちゃんと愛梨花ちゃんの顔より大きいパフェが写っていた。


 うわっ、良いなぁ!!!


 僕も行く!愛梨花ちゃんと一緒に食べる!


 愛梨花ちゃんの笑顔が浮かぶ、きっと楽しいに違いない。


 パフェよりも愛梨花ちゃんに凄く会いたくなった。一緒にいるとフワフワした優しい気持ちになるんだ。


 あっ、愛梨花ちゃんは誰かって、幼稚園の友人だ。


 愛梨花ちゃんのことは最近までよく知らなかった。


 だいたい女の子なんて直ぐ泣くし、わめくし、いつも翔と僕の邪魔をしてばかりだ。


 ブランコを漕げば危ない、ジャングルジムは怖いだの、ままごとしたいとかうるさくて仕方ない。


 うんざりしていた。


 ある日幼稚園で先生が愛梨花ちゃんの事を皆に言った。


 ”しばらくお休みをしていた愛梨花ちゃんが明日から登園します。色々忘れてしまっているからみんなで教えてあげましょう”


 ん? そんなことがあるのか?


 僕にはわからない。


 そう言えばうるさくわめいていた女の子がいたような気がする。


 最近見なかったな。まっ、僕には関係ない。そう思っていた。


 数日後、何気なく図書室を覗くと午後の光を受けてキラキラ輝く部屋に女の子がいた。


 フワフワの髪が光にすけて金色に見えた。


 本を読んでいるだけなのに表情がクルクル変わっている。


 目が離せなかった。


 しばらくすると翔がやって来てあれが愛梨花ちゃんだと教えてくれた。


 翔は女の子の事に詳しい。


 姉が2人いるせいか、女の子の扱いにも慣れていて助かっている。


 何となく気になって教室で声をかけたら、”誰?”と言われた。


 本当に覚えていないんだ。


 僕も覚えていなかったのに何だかガッカリした自分がいた。


 それからは何をやってもムシャクシャした。胸もモヤモヤする。やってられない。


 翔が”気になるなら面倒見てあげればいいよ”と言ってきた。そうだ父様や母様もいつも小さい子の面倒を見てあげるんだよ、と言う。


 愛梨花ちゃんは小さいから面倒を見てあげないといけないんだ。


 そう思ったら胸のモヤモヤが取れたような気がした。


 幼稚園の先生が”移動の時は手をつないで下さい”と言うから、愛梨花ちゃんの手もつないだ。いつも隣にいた翔とは違って、手も何だか小さかった。


 歩くのも遅いし直ぐにつまずく。でも頼られているみたいで、心地よかった。


 ランチを食べている時、お遊戯の練習をしている時、お教室で本を読んでいる時、いつも愛梨花ちゃんの事を目で追ってしまう。視界に入っていないと不安だ。


 愛梨花ちゃんは他の女の子達みたいにうるさくないし、洋服も引っ張らない。


 クルクル変わる表情は可愛くてずっと見ていても飽きない。


 叔父様の家で子犬を見た時みたいだ。相手をしたくてたまらないんだ。


 母様に言ったら嬉しそうに微笑んだ。”素敵なお友達で嬉しいわ。会うのが楽しみね”とはしゃいでいた。


 お遊戯会の練習にうちに連れてきたら、母様と気があったみたいで楽しそうにケーキを頬張っていた。何だか面白くなかった。


 翔をかばって頬を打たれていた時に心配よりも何故か翔をかばった事が面白くなかった。


 軽井沢に行くと言うから父様に言って僕達も軽井沢に行った。愛梨花ちゃんに会えて凄く嬉しかった。毎日幼稚園があれば良いのに。休みなんてつまらない。


 悪い奴に捕まったときも愛梨花ちゃんがいるから不安は無かった。僕が守るんだ!


 でも僕が飛ばされて涙が出そうになったときに、愛梨花ちゃんが母様みたいにギュッとしてくれた。


 良い匂いがした。安心でそのままずっといたかった。


 翔と遊ぶのは楽しい。でも愛梨花ちゃんはそばにいるだけで良いんだ。


 父様から写真を見せられた時にすぐに行こうと思った。


 「愛梨花ちゃんとパフェ食べに帰る。一人でも行く」


 そう言って父様を見ると父様は驚いたみたいだ。今までそんなことを言った事が無かったから。


 「いや、しかし……」


 父様が口ごもって母様に助けを求めるように視線を合わせると


 「温泉に入りたいわ。初詣にも行きたいし。ねっ」


 母様も嬉しそうだ。


 「い、今すぐにかい?」


 父様が母様に確認をする。母様は僕に大丈夫だよと言うように僕の頬を撫でた。


 「もちろんよ!これから出ましょう。月光院様に連絡して下さいな。あ、な、た」

 「しかしだな……」


 父様はゴルフの予定がビッシリと入っていた。母様はゴルフはしないんだ。


 「ハワイなんていつでも来られるじゃない」


 父様は母様には頭が上がらない。


 惚れてる弱みだと、時々言うけど僕には良くわからなかった。父様は本当に帰るのかと何度も何度も母様に確認していた。そして観念して電話をかけたんだ。


 やったあ!


 もうすぐ愛梨花ちゃんに会える!


 待っててね!


 


 いつも読んで頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら評価ももらえると嬉しいです。

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