第十五話
「こっ、これは!」
マガラは森の奥、
ある木の下で驚愕の声をもらす
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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「クロトさん!クロトさん!
さっき白猿のナワバリですごいの見つけたんだ」
朝起きたら、緊急事態のメッセージが送られており、
急いでログインしたところ
興奮した状態のマガラが立っていた
「なんだ?襲撃か?!」
「違う、そう言うことじゃ無くて、
見てくれよコレ!」
その手に抱えられていたのは
りんご、バナナ、みかんにぶどうといった
様々な果物だった
「ただの果物に見えるが?」
これの何が緊急事態なのだろう
「そう!果物があったんだ。
これでもう、虫を食ったりしなくていいんだ」
「そうか、よかったな
で?それのどこが緊急なんだ?」
「えっ、いや...それだけだが」
「そうか、そうか...
夏休みのシーズンとはいえ、
まだ普通に仕事がある平日の昼間に呼び出した理由は
それだけなのか...」
虫食に抵抗があるのは知っていた
大抵の人はそうだし、
言動的にもわかりやすかった
でも、
緊急で呼ぶほどのことでは無いだろ?!
お陰で当日に午後休を取るという
非常識なことをするハメになったんだぞ
「とりあえず、白猿のナワバリは最後にする。
俺の手助け無しで、迷惑をかけないなら
1人でやってしまってもいいがな」
規律ははっきりとさせないといけない
別に虫を食うとかの話はホブゴブリン1体倒すのに苦労するような状況だったからでたもので、
馬肉でも熊肉でも、
肉自体は手に入っているのだからもう関係ない
とかいう正論は置いといて
勝手な行動、
そしてそれによる被害を減らすためにも
多少好感度が下がってでも厳しく接さなくては...
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
...どうしてこうなった?
ドカンッ!!
バキバキバキッ
ウキー〜〜〜〜〜ー〜!?!!
白猿、黒猪、
二つの縄張りの主が手を組んで攻めてきている状況を前に
そう考えずにはいられなかった
「アバドン!猪を先に狙え」
キチキチキチッ
対するのはマガラ率いるアバドンたち
食料の問題で数を維持できていなかったが、
それでも万を超える大群だ
猪の分厚い皮は破れなくても、
鼻や口、目の周りといった比較的柔らかいところから体内に侵入
内側から食い破られる感覚に木々をなぎ倒して暴れる
ちなみに、
俺は手を貸さないと言った手前
一切手伝わず、そしてマガラもその前提で動いているようだった
「あっ」
キキー〜!!
グサッ
木で出来た槍が飛来し、
マガラの胸を突き刺す
...が、倒れない?
「はっはー!残念だったな猿ども、俺は不死身なんだよ!!」
不死身...は不死身だろうけど、
それは復活できるからで、
なんで倒れない?
そう思いよーく観察してみると、
凱たちのうちの一体が倒れている
「なるほど、身代わりか」
簡単な話で、
そもそも当たってないんだ
しかし、そんなことを知らない猿たちからしたら驚愕もの
動揺が走る
その隙にもアバドンはどんどん敵を食い殺し
数を増やしていく
もちろん、ゴブリンたちと違い相手は動物なので
同じ量を食っても繁殖できる数は減る
なので
群れの混乱を収めるために前にでてきた2体の長によって
殲滅速度が増殖速度を上回ってしまった
形勢が二転三転と変わっていく中、
マガラのとった行動は...
「死ねえーー〜!!」
白猿への特攻だった
長剣が突き刺さり、片腕を貫通する
反対の手で繰り出される反撃を
身軽な身体を活用し、突き刺さった剣を軸に回避する
援護に向かう他の奴らをアバドンが壁となって遮り、
一対一の状況になった
これでは中がどうなっているのか見ることは叶わない
そして、中から外の状況を知ることも叶わない
大熊と一対一で戦った俺の真似か、
それとも自信からくる驕りか
悪手をとったマガラに呆れつつ、
俺も行動を始める...
「蚣龍、俺は手を貸さないと宣言したが、お前が戦う分には
お前の自由だ。遊んできていいぞ」
進化先の赤足蜈蚣が好戦的なのか、コイツ自信が好戦的なのか、
先ほどから緊急地震速報レベルで戦いたいという意思を示す蚣龍に自由行動の許可をだす
シャーーー!!
「さて、アイツが負けた時の準備をしなくちゃな...」
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sideマガラ (戦いを始める前)
なんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよなんだよ
たしかに?
今回のことは俺が悪いと思っている
だが、白猿の縄張りを後回し?
それはつまり、まだ虫を食っとけということだろ
嫌がらせか?
いや、そんなことをする人じゃない
...本当にそうか?
出会ってまだ数日、
ゲームの初期も初期、
人間性なんてわかりっこない
そもそも相手は初対面で首キメてきたやつだぞ?
.........いやいやいや
よくない思考に陥っている
だめだな
もっとポジティブに考えよう
初対面がどうであれ、
恩がある、尊敬できるところがある、俺より強い!
そう、これは嫉妬だ
...七つの大罪っていいな?
あ゙あー〜〜!!
だめだめ、厨二心くすぐられるワードだが、
それとは関係ないし、なにより嫉妬はなんかネチネチしてそうで嫌だ!!
どうせなら傲慢、暴食、憤怒らへんがいい!
って、脱線してる
それより、食料の問題だ...
あっ!
『〜〜俺の手助け無しで、迷惑をかけないなら
1人でやってしまってもいい...』
つまり、これは虫を食っとけ...では無く
一人でもいけるな?信用してるぞ...ということか!!
認識の相違だねッ!
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