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「雪村と古代エジプトの神々」(セーラー服と雪女 第25巻)  作者: サナダムシオ


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⑦ 京子と弓子

 京子と弓子は、テレビ塔すぐ下の久屋大通公園で、ベンチに座って、お互いの伴侶の帰りを待っていた。


「こうして二人きりでお話するのも、久しぶりね?」

 京子が沈黙を破る。

「昔は、色々と有りましたから……。」

 弓子がそんな風に答える。


「……あの頃のアタシは、自分が一番、雪村君の事を理解しているという自負があったから……でも、ソレと愛される事とは、別モノだったわ。」


「……私は……何もしていない。知らないうちに、雪村君に愛されていた。」

「それが、未だに悔しいポイントよ。それでも貴女は、彼にそれとなく好意を伝えていたはず。」


「何となく覚えているのは、小学生の頃かな。確かに私は、彼の事が好きだった。でも中学生になって、しばらくしたら、私、入院してしまって……。」


「そうだったわね。アタシが病室に押しかけて、もう雪村君の事は諦めるように、貴女に引導を渡した。あの時は…悪かったわ。アタシも若かったのよ。」


「……もう昔の事よ。忘れましょう。今はアナタも幸せなんでしょう?」

「そうね。事実婚とはいえ、アタシの相手は"あの"サン・ジェルマン伯爵ですからね。」


「……ねえ。」

「なあに?」

「不老不死って、どんな感じなの?」

「ああ、貴女たちは、そうじゃないものね。」


「……で、どうなの?」

「なんだ。貴女がそんな事に興味が有るなんて、意外だわ。確かに私は或る日、永遠の23歳になったわ。そして彼は、永遠の35歳。そうね。概ねイイものよ。」


「どんな事が?」

「お肌にシワは寄らないし、大怪我しても、割とすぐに治るしね。」


「……そうなんだ。」

「貴女も成りたいの?不老不死に。」

「私は……雪村君と一緒にちゃんと歳を重ねて生きたい。」


「じゃあ、イイじゃない。何か問題でも?」

「私は元々、あんまりカラダが丈夫な方じゃないから……雪村君のこれからの人生にとって、足手まといになりそうで。」


「……それならいっそ、不老不死になろうかって?甘いわねえ。いつまでも歳をとらない者は、もはや人外よ。数年後に、同じ場所で観測されたら危険だし、チームのメンバー以外に、オチオチ友人も持てないわ。」


「……そうよね。」

「それに、あのバケモノじみたチカラを持つ雪村君だって、歳をとるんだから、貴女だけいつまでも若かったら、釣り合いが取れなくなるでしょ?」


「……そうなのよね。」

「まあ、これからも彼に、しっかりと守護してもらう事ね。」

「うん、そうするわ。」


「それにしても、あの人たち、遅いわね。」

「……そうね。」

 そしてまた二人は、沈黙したのだった。


挿絵(By みてみん)

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