④ 天空神ホルス
「…そして、天空神ホルスは…貴女です、雪子さん。」
流石の雪子も、この雪村の宣告には、冷静さを保てなかった。
「と、突然何を言いだすのよ?それじゃあ私は、古代エジプトの伝説によれば、そこに居る成雪君…つまりセト神と、カタキ同士という事になるじゃないの?」
「…昔の事です。今はもう、何のわだかまりも、有りませんよ。」
セト神の成雪は笑った。
「それに、私と争いを起こしたホルス神は、貴女ではないのかもしれない。何しろ、真田雪子という存在は、並行世界に無数に居るのだから…。ホルス神の魂も、伯爵同様に、12名どころか、無数に別れているのですよ。」
「でも…私は、かなりの数の別の私に出会い、そのスキルを回収したわ。」
「…そんなモノは、氷山の一角にすらならない。ですから私は、もはや貴女の事を、ホルス神として敵視するつもりは、更々無いのですよ。」
成雪は、雪子に重ねてそう言った。
雪村も良かれと思い、言い添えた。
「それに貴女は、僕自身の一部でもあるから、貴女に敵意を向ける事は、すなわち太陽神ラーに歯向かう事を、意味しますからね。」
雪村にそう言われて、雪子も、何とか安心出来たような気がした。
雪村の話はまだ続く。
「…因みに香子は、植物再生の神オシリス、由理子は母性愛の神アセト、だったりしますがね。」
「ええっ!?」コレは香子の反応。
「わあ、嬉しい!」コレは由理子の反応である。
「…そして我々は皆、或る目的のために、知恵の神ジェフティ…つまり伯爵によって、この亜空間レストランに再び集められたのです。」
「或る目的って…?」
由理子が尋ねる。
「…今から約6年後。1999年の7月にやって来る恐怖の存在。"アンゴルモアの大王"への対策です。」
それが雪村が答えだった。
「ノストラダムスの大予言ですよね?」
サン・ジェルマンが、そのフレーズに反応した。
「やって来るのが、ただの隕石なのか…それとも他の良からぬナニかなのか…?残念ながら今のところ、私にもソレは分かりませんが…。」
「でも、"備え有れば憂い無し"という事ですね?」
酒井弓子がそう言った。
「…そう言う事です。」
伯爵が答えた。
「恐らくコレは、惑星ガイアの、あらゆる並行世界に関わる事象かと…。」
「それで、我々にも声を掛けたのだな?」
獅子王レオンがそう言った。
「おっしゃる通りです。チカラを持った者を、古代エジプトの時のように、出来るだけたくさん集めて、有事のために備えておきたいのです。」
伯爵が答えた。




