③ 我々の正体
「……まずは、私の事から。」
雪村はそう言って、グルリとみんなを見回し、一呼吸置いてから話を続けるた。
「私のこの三次元世界での現在の名は、真田雪村。我が父、英二が付けてくれた、大切な名前です。」
「……そうね。私もそう思うわ。」
並行世界の姉、雪子がそう言った。
「昔は、聖徳太子の中に、潜んでいた事もありましたが…それ以外は、鳥の姿で居る事が多かったので、主にこの国では、鳳凰とか火の鳥、不死鳥などと呼ばれていました。」
「確かにそうでしたね。そこまでは、私も調査してあります。」
サン・ジェルマンがそう言って頷いた。
「ですが、私の精神体の本質は……全く別のモノでした。私の本当の名は、アモン・ラー。私は五次元世界から、この三次元世界にやって来た者なのです。」
この発言を受けて、その場はザワつくのてはなく、むしろ皆、凍りついたように静まり返った。
ニンゲン、本当にショックな時は、喋れなくなるものなのである。
雪村の話は続く。
「皆さんがご存じのように、私は……と言うか私の精神体は、太陽神として、古代エジプトの人々を、導いた事もありました。」
「……アレが初めての、この世界への介入でしたね。」
セト神の成雪がそう言った。
「そしてその時に、私のワガママに付き合って、一緒に活動してくれたのが……ここに居るアヌビス、バステト、セクメト……そしてセト神だったのです。」
「あの頃は、楽しかったわね。」
バステトがそう言った。
「折しも、シュメールでは、鳥族のアヌンナキたちがニンゲンを導いていたので、我々はお互いに棲み分ける事にしました。」
「……あの頃、ピラミッドのポータルだけは、各種族でシェアしましたね。」
アヌビスがそう言った。
「……まだ有ります。当時のメンバーには、他に知恵の神ジェフティと、天空神ホルスが居ました。そして伯爵、貴方がジェフティ……いや、ジェフティの一部なのです。」
雪村に突然、そう宣告されたサン・ジェルマンは、しかし、さほど驚いたようには見えなかった。
「やはりそうでしたか。正直に言うと、時々意識を、何者かに乗っ取られている感覚は、確かに有りました。多分、並行世界の、12名のサン・ジェルマンズを合わせると、一つの魂……ジェフティの精神体になるのでしょうね?」
「その通り。流石は知恵の神です。もしもの場合に備えて、自分の意識体……つまり魂を、12体の三次元のカラダに分離したのです。」
雪村が答えた。




