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「雪村と古代エジプトの神々」(セーラー服と雪女 第25巻)  作者: サナダムシオ


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㉘ 悪魔vs雪女

「Wait a minute! (待ちなさい!)」

 京子が悪魔を呼び止める。


※ 以下の会話は、全て英語でなされています。作者の都合で、日本語表記になる事をお許し下さい。


 帰ろうとしていた悪魔が、コチラを振り返った。

 近くで見るその顔は、ますます悪魔そのモノだ。


「これは、これは……雪女ではないか。この大雪に誘われて出て来たのかな?後ろに居るのは……サン・ジェルマンか!雪女と結婚したとかいう噂を聞いたが、本当だったんだな?」

 悪魔は別に悪びれもせず、気さくにペラペラ喋り出した。


「今、街の住民から奪って来た、精神体のエネルギーを返しなさい。」

 構わず京子が言う。

「それは困るな。私にとっては大切な食事だし、もっと美しいカラダを手に入れたいしなあ……。」

 悪魔はそんな風に答える。


「ニンゲンの世界では、勝手に他人のモノを盗る事をドロボウというのよ。」

「それはこの三次元の世界で、ニンゲンが勝手に決めたルールだろう?私の知った事ではないなあ。」

「どうしても、返す気は無いのね?」

「……だとしたら、どうするつもりなのかね?」


「こうするのよ!」

 京子は何の予備動作も無しに、いきなり空から数十本の氷の槍を降らせた。

 そのほとんど全てが、目の前の悪魔のカラダに突き刺さった。

 が、一瞬でカラダを霧のように変化させると、悪魔は別の場所に再構築された。


「……酷いなあ。いきなり何をするんだい?カラダを分解・再構築できるとは言え、コレでも痛みは感じるんだよ?」

 呟く悪魔。しかし更に京子の攻撃は続く。


 彼女が右手を前に突き出すと同時に、一瞬で悪魔のカラダが凍り付いた。

 しかしすぐに、悪魔は口から炎を吐き出し、顔の部分の氷を解かすと、辺り一面に火の玉を打ち出し始めた。京子はそれを、右へ左へ跳び退って避け続ける。


 真っ白な地面に、悪魔の攻撃が着弾するたびに、派手に雪煙が上がる。

「うはははっ!逃げろ、逃げろ!さもなくば、この凍てついた雪景色の中で、謎の黒焦げ死体になるぞ!」

 悪魔は愉快そうにそう言って、京子を炎で追い回した。


「……アナタ、何か大事な事を忘れてないかしら?」

 炎を避けながら、京子が静かに呟く。

「何だと?……あっ、サン・ジェルマンはどうした?」


「ここですよ。」

 悪魔の首の真後ろから、伯爵が囁いた。

 そして次の瞬間、手に持ったオリハルコンの剣を、横真一文字に一閃させた。

 大きな角の生えた悪魔の首がコロリと雪原に落ちる。


 サン・ジェルマンはすかさず、剣先から炎を出し、ソレを燃やした。

 首は、あっという間に炭化した。

 どうやら、さしもの口から炎を出す首も、オリハルコンの剣の炎には、敵わなかったようだった。

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