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「雪村と古代エジプトの神々」(セーラー服と雪女 第25巻)  作者: サナダムシオ


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㉔ 本物の動物使い

 途端に、辺りの草むらがザワザワし始めた。

 鷹志は咄嗟に、二人の周りに電磁防壁を出した。 

 由理子は、何かを必死に念じているようだった。


 現れたのは、やはりネズミの大群だった。360度、すっかり取り囲まれてしまったようだ。電磁防壁は、触れると感電するはずだが、痛みを感じないのか、ヤツラはどんどんよじ登って来る。


 喰い破られるのも、時間の問題かも知れない。

 そんな恐怖をふと感じた時、鷹志は不意に、頭上が暗くなった事に気づいた。


 鷹志と由理子の真上から、巨大な何かがやって来る。アレは……怪鳥ケツァルコアトルスだ!


 その巨大な鳥は、舞い降りるのと同時に、鋭いかぎ爪で笛吹き男を文字通りワシ掴みにして、あっと言う間に舞い上がった。


 そして、二人の目の前で、その男の胴体から頭を、むしり取ってしまったのである。

 男の首から血が噴き出す。

 構わず、ケツァルコアトルスは、それを掴んだまま、遠くの方に飛び去ってしまった。


 そのあとには、二人の足元に、笛吹き男の頭だけが、転がっていたのである。

「……因果なモノさ。」突然、その頭が喋り出した。

 二人は、ビクッとしてしまった。


「こんな姿になっても、なかなか死ねないんだ……何しろ、悪魔に魂を売ってしまったからねえ。ああ、でも、やっと眠くなって来た。これで漸く、ゆっくり眠れそうだ……。」


 そう言ったきり、男の頭は静かになった。

 どうやら、本当に死んでしまったようだった。


 すると男の頭の中から、何か黒いモヤモヤしたモノが出て来た。そしてそれも、空中に舞い上がって、やがて二人の視界から、消え去ってしまった。


 いつの間にか、あんなに居たネズミたちも、何処かへ去っていた。笛吹き男のコントロールから自由になったのだろう。


「……違うのよ……私、そんなつもりじゃ無かった。」

 由理子が呟いた。

「大丈夫。分かっているよ。」

 鷹志が彼女の肩を優しく抱きながら囁く。


「私はただ……ケツァルコアトルスに"助けて"って、お願いしただけなのに。」

「もう、いいから。気にしないで。おかげで僕らは助かったんだから。」


「まさか……こんな酷い事になるなんて。」

「相手は、笛吹き男だった。そのチカラを封じるには、コレしか方法が無かったんだよ。あの怪鳥は、ユリちゃんの危機を回避するために、最善策を選んだんだよ。」


「本当にそう……なの……かしら?」

「そう考えるようにしよう、ユリちゃん。」

 鷹志は、何度も彼女を慰めた。

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