表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「雪村と古代エジプトの神々」(セーラー服と雪女 第25巻)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
23/30

㉓ 穴の出口で

 二人がしばらく歩いた後、穴から出ると、そこは懐かしい地下世界だった。


 いつの間にか、全ての子どもたちは、どこかへ消え去っていた。別の横穴でもあったのだろうか?そして、件の笛吹き男だけが、こちらを向いて仁王立ちになり、二人を待っていたのである。


「これはこれは……母性愛の神アセトではないか。そっちの男は、確かアヌンナキにスサノオの称号を貰ったとかいう、青年だな。」


 笛吹き男の方から、話しかけて来た。

 どうやら、相手のウチなる者が見えるのか、過去を読めるのか、何かしらのチカラが有るようだ。


「貴方は一体、何者なの?」由理子が男に尋ねる。

「……悪魔だと言ったら、どうするね?」男が不敵に笑いながら答える。


「子どもたちは……どこへやったんだ?」鷹志も尋ねる。

「全て供物として頂いたと言ったら、どうするかね?」

 男は質問に質問で答えた。


「この地下世界の女王ウアジェットとは、知り合いなの?」

 重ねて尋ねる由理子。

「さあな。知っているような、知らないような……どうだったかな?」

 のらりくらりと、はぐらかす男。

 

「子どもたちを、返すつもりは無いのか?」鷹志がまた尋ねる。

「イヤだね。アレは対価として頂いた。そもそも、私は金貨100枚でいいと言ってやったのに、ソレを拒否したのはニンゲンの方だぞ。私に非は無かろう……愚かな奴らめ。」


「……それは、少し違うな。」鷹志が呟いた。

「なに?」少しだけ表情を変える笛吹き男。


「キミは、僕たち二人の正体に、いち早く気づいた。つまりキミには、相手の心の中を読むチカラが有るんだ。そのチカラで、市長が断る事も読めていた。だから最初からキミの狙いは、130人の子どもたちの魂だったんだ。」


「何故そんな事を?」由理子が、鷹志に尋ねる。

「決まっているさ。ニンゲン側に罪の意識を持たせ、自らの行ないに、正当性を持たせるためだよ。それこそが、悪魔の考えそうな事さ。」


「オマエは、ニンゲンにしては、少しは賢いようだな……よし、敬意を表して、全力でお相手しよう。」

 男はそう言うと、笛を構えた。


「ユリちゃん、コレを!」

 鷹志が、どこに隠し持っていたのか……小型のヘッドホンを取り出し、由理子の頭の後ろから、被せるように取り付けた。そして、自分も同じモノを装着する。


「私の奏でるメロディが、キミたちに向けてのモノとは、限らないぞ?」

 男はニヤリと笑ってそう言うと、おもむろに笛を吹き始めたのだった。



挿絵(By みてみん)

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ