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「雪村と古代エジプトの神々」(セーラー服と雪女 第25巻)  作者: サナダムシオ


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16/30

⑯ 通常業務

 4月12日の月曜日。

 チーム・サン・ジェルマンのメンバーは、取り敢えず、6年後の運命の日には備えつつ、その後は、通常の時空調査を続行する事になった。


 伯爵は以後、黒いワーゲンビートルを専用車にしたため、シルバーのモノは、恒久的に真田雪子に貸し出される事になった。


 後はこれまで通り、緑色は杉浦鷹志、赤は由理子、黄色いビートルは村田京子に、それぞれ半永久的に貸し出される事になった。


 そして、真田香子が来た時は、由理子のところへ、ジャンヌ・ダルクが使いたい場合は、鷹志のクルマへ、カグヤ・イシュタルと成雪が希望する場合は、伯爵のクルマに乗せるように、新たに割り当てられた。


 もちろん、緊急時は、この限りでは無い事は言うまでもない。


 雪子は、いよいよ自由に、タイムマシンを使用出来る事になって、ゴキゲンだった。


 彼女は自分の"照和の時間軸内"では、生身のタイムトラベルが可能だが、"並行世界のこちら側"では、些か消耗が激しいのである。


 それに、左腕に着けたリング型デバイスでも、移動可能だが、その使用には細々とした制限が有る上、基本的には、お一人様用なのだ。まあ要するに、クルマに乗って移動した方が、安楽なのである。


 そんな訳で、本日も彼女は、シルバーのビートルの運転席に収まった。

 そしておもむろに、以前から気になっていた事件を調べるために、以下のように、目的地の座標を打ち込んだのだ。


 西暦1891年2月3日

 時刻02時00分

 北緯51度30分

 西経00度04分


「さあ、行くわよ。」

 彼女は呟きながら、クルマを地下駐車場から出すと、光学迷彩を掛けて空に上がり、時空転移装置のスイッチを入れたのである。



 ……ところ変わって、ココは19世紀末のイギリス。

 時刻は、草木も眠る丑三つ時だ。

 アーネスト・トンプソン刑事は、近頃流行りの連続殺人鬼の捜査のために、休暇も取らずに奔走していた。


 と言うのも、事件の被害者が皆、貧民街の売春婦で、襲われる時刻は、決まって深夜だったからだ。

 彼はこれまでの事件について、自分なりに分析し、今日辺りは、ホワイトチャペル周辺が怪しいと睨んでの、パトロールだった。


 今夜も霧が立ち込めている。こんな忌々しいモノが出るから、殺人鬼も暗躍しやすいのだ。

 まあ、恨み言を言ってみたところで、この土地特有の気象条件は、変えられないが…などと考えながら暗い路地裏を歩いている時だった。


 行くての曲がり角で、突然霧が晴れたかと思うと、次の瞬間、そこに馬車が現れたのだ!

 しかもその馬車には、馬も御者も居ない。ただ乗り物だけなのだ。


 

 

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