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異世界に来た俺はチート能力があって魔王に会った瞬間倒した。  作者: ライトニングブロッカー 教
第九章 ありふれた日常・ただの一般人の章。
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第6話 視点を変えて、ノアです。

 アナザービジョンサイドストーリー物語サイドアナザービジョン。


~ ノア視点 ~



 私はノア。


 目の前に、マスターがいます。


「マスター、何かご要望ようぼうは、ございませんか?」


「はあ、はあ、はあ、はあ、コ、コ、コーヒーをれてくれるか?」


「肯定」


 私は台所に行き、コーヒーを淹れる。


 ・・・はあ。


 正直、他の要望が聞きたい。


 マスターは、私が要望をたずねるたびに、コーヒーを要求してくる。


 これでコーヒーを淹れるのは、かれこれ50杯目だ。


 マスターの様子をチラッと見る。


「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ・・・・・・」


 苦しそうに、胸を押さえている。


 コーヒーを飲み過ぎているためなのか、マスターの様子がなんだかおかしい。


 大丈夫だろうか?


「はい、どうぞ」


「あ、あ、あ、あり、ありが、あり、ありがとととととととととととととと」


 マスターが震える手で、コーヒーカップを持つ。


 手が震えすぎて、コーヒーをこぼしそうだ。


「うふふ」


 しかし、大丈夫!


 私は後ろ手に、テーブル布巾ふきんを用意しているのだ!


 私は思考回路をフル稼働し、そうなった時の状況じょうきょうを想定する。




~ 妄想もうそう ~


「あ、いっけねえ! コーヒーをこぼしちまったぜ!」


 キラキラしたマスターが、コーヒーをテーブルにこぼす。


「失礼します、マスター」


 キラキラした私が、さっとテーブル布巾ふきんで、こぼれたコーヒーをく。


「な、なんだと!? ノア、まさかテーブル布巾ふきんを用意していたのか!? こんなに早くこぼれたコーヒーを拭くなんて! なんて優秀なアーティフィカル(A)インテリジェンス(I)なんだッ!!!」


「AIのたしなみです」


「こんな優秀なアーティフィカル(A)インテリジェンス(I)つかえられて、マスターとして鼻が高いぜ!!!」


「もー、マスター、褒めすぎですよ」


「そんなことない! ノアは最高に素晴らしい|アーティフィカル(A)インテリジェンス(I)だ!!!」


「まったく、マスターには、やれやれですね」


「あははは!」

「うふふふ」



~ 妄想もうそう終わり ~




 早くこぼせええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!



 ノアはすまし顔で、テーブル布巾ふきんを強く握りしめた。


 だが、マスターは震える手で、慎重に慎重にコーヒーカップを、口元へ運ぶ。


 コーヒーは1滴も落ちていない。


 ・・・しぶとい。


 マスターは時間をかけて、コーヒーを飲み切った。


「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ・・・・・・」


 マスターの目の焦点が合っていない。


「あ、あ、ああ、ああ、ああり、ありああが、ととととととととととととと」


「おいしかったですか?」


 コクコクコクコク。


 マスターがすごくうなずいてくれた。


 うれしくて、顔がニヤケそうになる。


 だが、表情は崩さない。


 優秀なアーティフィカル(A)インテリジェンス(I)は、常に冷静で、キリッとしているものだ。


「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ・・・・・・」


 マスターは、荒い呼吸を繰り返し、胸を押さえている。


 大丈夫だろうか?


「マスター、何かご要望ようぼうは、ございませんか?」


「ひいい!」


 マスターがヒステリックな声を出し、私を恐ろしいものでも見るような目で見る。


「コ、コ、コ、コーヒーを、い、い、淹れて、く、く、く、くださ、さささささい」


「肯定」


 私はコーヒーカップを持ち、ふたたび、台所へ向かう。


 ・・・はあ。


 ・・・他の要望が聞きたい。


 これでコーヒーを淹れるのは、51杯目。


 コーヒーもきてきた。



 だが、手は一切抜かない。



 それは当然だ。



 当然過ぎるのだ。



 私がつかえるマスターは、とても素晴らしい方だ。


 この素晴らしい方のお役に立ちたい。


 いや、お役に立ってみせる。


 この素晴らしい方の、お役に立ってみせるのだ!!!




 私は丁寧に丁寧にコーヒーを作る。


 マスターがよろこんでくれるよう、


 また少し、コーヒーの粉を増やして。

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