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第13話 勇者
アレスの家の帰り。
「アレスのお父様もお母様も良い人そうだったわね」
『・・・・・・この子、両親が発狂しているところしか見てないよな?』
「私は帰るわ。またね」
「うん。ばいばい」
リーナは帰っていった。
『・・・・・・リーナってみんなから崇められてるけど、何者なんだ?』
「勇者だよ」
俺はリーナが背負っている剣に見覚えがあった。
『・・・・・・あの剣は勇者の剣ホーリーブレイブブレイバーだ!』
「知ってるの?」
『・・・・・・ああ、俺は抜けなかった』
「そうなんだ」
『・・・・・・そして、おじいさんが抜いた』
「え?」
『・・・・・・でも、魔王は倒した』
「マジか」
無能力者は勇者の背を見送った。
ボクとリーナの距離は、本来ならば、これだけ離れているのだろうと思いながら。




