↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

第3話 変人

挿絵(By みてみん)

魔王(エドナ)と悪魔執事(ルード)は、龍の国の国境の壁が見える人気のない場所に転移した。


陽は殆ど下り、薄い雲のかかった夜空に満月が輝き始めていた。そして、その場所は荒野故に、少々肌寒い風が通り抜けていた。


ドラゴンの国ーーー


確かに、見える国の高い上空に、数体のドラゴンが飛んでいた。


魔王(エドナ)「ねぇ、執事(ルード)?あそこに見える国が、そうなのよね?」

思ったより大きな国ね…。近くに転移って…、言っていなかったかしら?まぁ、元の世界からよりは、かなり近づいたけど…、これ、何kmあるのかしら?


執事(ルード)「はい、その通りで御座います。魔王(エドナ)様、もし宜しければ、そのだだ漏れた魔力を閉まって下さいませんか?多くの魔物や魔力を感じる者がいたら、その魔力にビビって接触する事もままなりませんし、何より、グレン様が赤子だった場合、"その魔力で即死は免れないと思います"ので…。」

下々の事はどうでも良いが、何より、魔王(エドナ)様がこれ程御気にかけられている御方かもしれない者を、粗末に扱う理由にはいきませんしね。


魔王(エドナ)「!…そ、そうね。」


シュゥーーー……


魔王(エドナ)は目を閉じて魔力をしまうようにして、体内に鍵をかけた。


魔王(エドナ)「これで、私の魔力がグレンを殺す事はないわね…。」

もう一度グレンが死ぬとか嫌よ!


魔王(エドナ)がチラッと執事(ルード)の方を見ると、何やらニヤニヤしていた。


魔王(エドナ)「なによ?」

ちょっと気持ち悪いんだけど?


執事(ルード)「いえ…、"魔王(エドナ)様が魔力をゼロにされて御散歩をされる"という…最早、前代未聞で御座います。フフ…これでは、人間や力の無い獣人と同じですね。"油断、なさらないで下さいね"?まぁ、私としては"至高の眼福"で御座いますが…。魔界の他の者には、この特等席は譲れませんね。」


魔王(エドナ)「!…」


魔王(エドナ)はプイッとそっぽを向いた。


魔王(エドナ)「"変人執事"…。」

相変わらずね…。


執事(ルード)「"はい"。魔王(エドナ)様が言われるそれはもう、私は"最高の褒め言葉"として受け取らせて頂いておりますので。変人で結構で御座います。」


執事(ルード)は悪魔の歯を見せて大きくニヤケながら、堂々と胸を張って言い張った。


魔王(エドナ)「はいはい…。貴方のそれは、"私でも止められないのよね"…。」

もう諦めていたけど、ここ数日はこの変人っぷりが落ち着いていたから、良かったのにね…。これでも、私に気を使ってくれていたのね…。相当…貴方は嬉しかったのね…。


執事(ルード)「ええ。"正式な御命令"でなければ、止めるつもりはありませんよ。……ちなみに、私はグレン様を探す為の水晶起動の為、極僅かに魔力の出力はあります。ですので、我々の見た目としては恐らく"良い獲物"になると思いますので、この道のりは退屈ではないかと。」

夜は活発になる魔物もいますよね…。


魔王(エドナ)「!…はぁ、"絶対の口実ね"…。まぁ良いわ…。行きましょう。何か、さっきより気配が増えたような気がするしね…。」

餌として色々呼び寄せて、眼福に浸りたいのね…。にしても……数だけなら、かなり多いんじゃない?


荒野岩盤や森から、異様な気配が漂っていた。


執事(ルード)「ええ、気のせいでは御座いません。おそらく、先程のだだ漏れ魔力で魔物達を刺激したのでしょう。流石は魔王(エドナ)様に御座います。ちなみに、魔界での魔物達同様、"今ので雑魚共が上がっております"ので、御注意下さいませ。」

今の一瞬のだだ漏れ…、あれで"あの国まて"届いているかもしれませんね…。


魔王(エドナ)「な!?しれっと言わないでよ!この意地悪!!」

待って!?私、鍵をかけたから魔力は使えないんだけど!?開けたら鍵をかけた意味が無くなるし、酷くない!?


執事(ルード)は既にウズウズして、その口はニヤニヤを止めきれていなかった。


執事(ルード)「"はい。悪魔ですので"。さ、行きますよ。」


その低くも明るい声が魔王(エドナ)の背中を押し、ドラゴンの国へと向かった。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。