入寮と、同室の子
「ここが寮か…」
王都に着いたサーラはまず、入寮予定である剣士生徒専用の寮である、剣士寮に訪れていた。
外観は、周りの建物に馴染むようにザ、中世の建物というような、レンガ造りの中型のマンション程度の大きさのものだった。
ガチャ
「ん?ようこそー、剣士寮へー。新入生?」
「あ、はい」
「受付はこちらでーす」
中に入ると、気怠げなお兄さんが椅子に座りながら受付を済ませてくれた。
「じゃあ、これ部屋の鍵ね。207番。部屋間違えないように。あ、あとちゃんと戸締りはするんだよ。男子もいるから」
「分かりました。気をつけます。ありがとうございます。これからお世話になります。よろしくお願いします」
受付の男は少し目を丸くさせてから返した。
「こちらこそよろしく。君、田舎出身にしては礼儀がしっかりしてるね。ここは至る所から剣士見習いが集まってくるからそーゆーの、出来ない子も多いんだよね」
「そうなんですね。私は母に仕込まれましたから」
サーラはニコリと答えた。が、嘘であり、本当は前世できちんとした社会人だったため、相手に気に入られようとしただけであった。
とにかくこれで彼女も王都での家を手に入れたのであった。
「えーと、207、207…あ、ここか」
サーラはガチャリと鍵穴を回して、部屋に入っていった。どうやら二人部屋のため、同室の子がいるらしい。
(大人しくて優しい子だったら良いんだけど)
「あ!貴方が私の同室の子ね!!私、ネラって言うの!貴方の名前は?」
「サ、サーラだけど」
「サーラって言うのね!!よろしく!」
ネラという少女が手を出したのでサーラも手を出すと、強引に握手をされた。ネラの表情はずっと笑顔であった。
とにかく、ネラはサーラのとても苦手な部類の人間であった。この少女と一緒に学校生活を送る。想像しただけで気疲れがする。
(この子と一緒に住む……村に帰りたーい!!)
サーラは苦い顔で天井を見上げた。
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