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31 救助



 大型の魔物数匹に追い立てられ、一人の女性兵士が中央深部に近づいていた




「はぁ! はぁ! うっッ、ああっ!」


 木の幹に足を取られ私は倒れた、後ろからは大型のオークや他の魔物合わせ、数十匹は迫って来ている。

 オークは二本足で歩く魔物で、力も強く人を好んで良く食べる、本来なら大型といえどオーク程度なら私がいた分隊では問題なかった。


 

 襲われたのは野営の時、理由としては完全な油断、野営の場所を決める際、周りに何もないか確認するが、この時それを怠ってしまった、そして、襲って来た魔物の数も尋常ではなかった。


 大陸中央緩衝地帯を起点とする彼女の所属する隊は、今は無きカナル隊と同じ大陸中央のエキスパートである、大陸中央の事なら軍の中でも上位に入るほどの実績を持っていた、その実績が自信となり今回の油断につながる。 

 自分たちはこの場所を知り尽くしている、その自信が仇となり、前回はここで野営しても大丈夫だった、今回も大丈夫だろうと考えた。

 それが原因で、この野営地付近に魔物の集落が出来ていたのを、気づくことが出来なかった。そのせいで普段は後れを取らない彼女達も、自分たちの許容範囲を超える魔物との戦闘に耐えられなかった。

 隊員6名のうち5名はすでに死亡、残ったのは回復魔法を得意とするエクレール彼女一人


 倒れた体を起こし走る、自分が走る方向は間違っているのは分かっている、キャンプ地から逆に遠ざかり、強い魔物が誕生すると言われる深部に近づいている、しかし、その方角以外、逃げ道はないのだ、大型のオーク達は彼女を追い立てるように追いかけて来た。


「くそっ! しつこい!」


 夜に襲撃を受け半日ほど逃げ回り、隙を見てやっとのことで救助要請が出来たのが昨日の昼前、  一度は上手く巻いたつもりだったが、今日の朝発見されてしまった。救助要請はしてあるので救助自体は来ると思う、救助要請用の発信機も稼働していることから場所は問題ないだろう、ただし、この状況は圧倒的に不味い状況にある、救助が来る前に捕まるのは時間の問題

 

 今朝になって魔物に発見された理由として

「グアァ!」


「うっ! こ、このぉ!」

 茂みの中から飛び出した魔物の、のど元に向けナイフを刺しそのまま掻っ切る、上手く息の根は止めたが、腕の籠手を貫通するほどの牙により、エクレ―ルは右腕を負傷した。

 魔物に発見された理由はこの鼻の利く4足歩行の小型の魔物、匂いを辿りエクレールを必要以上に追跡してくる。

 魔物の牙は腕の骨辺りまでに達していた、彼女の腕からは血が流れその匂いが辺りに広がる、これで4足歩行の魔物からさらに発見されやすくなってしまった。


「『癒し』よ!」

 匂いが出る血を止めるため、腕の傷は後回しにし、止血だけのために魔法を詠唱する、しかし、装備などに付着した血の匂いまでは隠せない。


「まずい、本当にこのままだと‥‥ハッ!!」


 草むらから先ほどと同じ魔物、しかも4頭が飛び出し、エクレールの腕、足にかみつき、振り回す。


「痛っ! このっ! 邪魔ぁ!!」


 エクレールは自身が契約する事が出来た『氷』魔法を発動、4頭の腹に氷の槍が突き刺さる、氷魔法で作られた槍には魔物の血が伝わり流れていった。

 その血が更に魔物を呼ぶことになる


「足が、完全にやられた‥‥回復している時間はもう‥‥ここで私も終わるのか」


 回復魔法といえど、即座に傷が治るわけではない、足が動く前に大型のオークにやられるだろう、現に視界にはもう足の速い1体のオークの姿を捉えていた、その後ろ林の奥には、さらに多くの魔物がこちらに向かってきている気配がする、攻撃の魔法が得意ではない自分にとって、それでも、今自分が出来る事は攻撃魔法で一矢報いるしかない、どうせやられるなら最後に‥‥


 オークに狙いを定め、魔法を放とうとしたとき、ビリっ! とした音がしたと同時に


 スコン!


 と貫く様に、一本の線が先頭のオークの体を固定するよう、地面に突き刺さった。

「え?」

 

 エクレールが驚きの声を上げたと同時、今度は林の奥で轟音と強い光が響き渡った、太陽が昇っているにも関わらず、その光は太陽よりも強烈だった。


 音と光が終わったと同時に巻き上がる土煙


「パン! パン!」


 乾いた音が鳴り響き、魔物たちの叫び声が聞こえてくる、エクレールはその叫び声に怯え震えていた。


「何が起きているかはわからない、今の私にはこれ以上の戦闘は‥‥」

 少しでも今の状況から脱出するべく、一度はあきらめた自身の体に回復魔法をかけ、少しでも生存率を上げようとする。


 ・・・・・


 鳴り響いていた乾いた音と、あれほど叫んでいた魔物の声が止み辺りは静かになる


「音と声が止んだ‥‥本当に何が起こってるんだ?」

 音がしていた林の奥を息を殺しつつ、エクレールの視界には人のような影が見えた。


「大丈夫でしたか?」

 

 林の向こうから出て来た人影はそうエクレールに問う


 救助が来た!? 助かったのか?


 予定より早い到着に彼女は驚きながらも、安堵する、今まで張りつめていた緊張から解かれ、一気に脱力する


「救助隊か? 私は何とか大丈夫、助かった、もうだめかと‥‥」


 緊張から解放され笑顔になっていた彼女の顔は、



 そのあと絶望に変わった。





 


  ◇◆◇◆◇


 


「ワシはこの国を変えたいんじゃ」

 

 ゴルジア首相のその言葉に心を打たれ、了承した、これでゴルジア首相とは協力関係になる、一度は言ってみたい浪漫なセリフに俺はコロッと行ってしまった


 首相に協力する代わりに、俺は対価を得ることが出来た。

 俺が首相から得る物は、給金、住む場所、そして首相が許可できる魔法陣の全て、その他にも軍の支給品や鍛冶などで使う鉱石、魔石など、移転門の使用許可も貰えた。


 一方首相へ俺が払う物は、俺の召喚の力だ。

 いままで軍が駐留していなかった村や町などへ、軍からの正規の部隊が来るまでの代わりや、その他、首相の国を変えるための極秘の任務などに当たることになる。


  極秘任務とは大げさな気もするけど‥‥、しかしコレも浪漫な響きだ、ちなみに今の所、極秘任務は無い、

 ゴルジア首相の私兵‥‥でいいのかな? 首相の直の命令で動いているから、先ほど会ったタウロンにはそう説明したけど‥‥タウロンも元気そうでよかった。

 そのタウロンに、以前刀を俺に向けて来た事を謝罪され正直ホッとした、嫌われていたらどうしようなんて思っていたし、ニーアもタウロンと同じ気持ちらしく安心した。

 また一緒に飲みにでも行きたいが、もう無理だろう‥‥俺のそばにいるだけでタウロンは辛そうだったし‥‥‥‥


「おっと、首相に報告しないとな」


 簡易司令部に入ると、中にいた人達は皆ギョッとし、顔色を青くする、俺はもういつもの事だから気にしないし、中にいた人達も威圧の事は知っているが、それでも逃げようとする人はいる


 首相に連絡のため、通信機を借りようとしたら


ピーピー!!


 緊急救助要請のアラームが鳴った


「はい! 部隊名と座標を報告してください」

 指令部にいた男性が答える、男性は紙に話の内容を書き込む


 救助要請か‥‥無事だといいけど。


 通信用の受話器を取り、首相宛ての番号を押す、番号はボタン式だ


 えーと、7・3・6の、7・7‥‥


「バリス隊からの救助要請が入りました!」

「状況は!」

 

 ん? バリス隊‥‥何だっけか、歪みを見つけた隊だったっけ?


「生存1名、魔物に追われ中央深部に向け逃走中、拠点にに引き返すこと出来ず」

「中央深部に向かって逃走しているのか‥‥近くにいる隊は?」

「最低でも3日かかります」

「くっ! 3日も掛かるとなると‥‥」


 結構切羽詰まった状況らしい、しかも深部に向かってるとなると‥‥初代グース先輩が通った場所に近づいているのか、あそこは魔物がさらに強力になるらしいし‥‥緊急要請を出す位だし、3日も救助に行けないとなると、生きてはいないだろうな、救助に行った隊も危ういかもしれないし‥‥


 10日ほど休みがもらえる予定だったんだけど、しかたない


「あの~、自分が行きましょうか?」


 ビクッ

「え、え?」

 急に話しかけられてビックリする担当者


「自分だと夜通し移動すれば1日で着きますけど」


「い、行ってくれるのかい? しかし一人で行くには‥‥」


「他の隊が到着するまで3日かかるんですよね、生きてはいないと思いますよ? それに俺は空を飛んで行けるし」


 それを聞き担当者はうーんと考えたあと

「わ、分かった、お願いできるか?」


「ええ、大丈夫ですよ」

 多分



 ・・・・・・・


「いそいでねー」

 ヒヒーン!


 ペガサス状態のコスモで空から救助に向かっている、歪みの再々調査を一人でやってこれた理由はこれにある、地上だと障害物や魔物のせいで時間がかかるが、空の場合、障害物はもちろん魔物も存在しない、ヒュケイぐらいだろうか? あとは無いと思うけど、マシェルモビアの竜翼機ぐらいだろう。


「帰って来てすぐ出発だからお尻が痛いよ」

 自分から行くと言っといて、愚痴が口から出てくる


「ブヒヒヒ」

 しかたないさ、とか言ってるんだろう


 本来なら10日ほど休暇を貰い、行きたい場所があったのだが‥‥


 ◆◇


「あ、あのー!」


 ゴルジア首相との初めての対面をし、協力すると約束したその帰り道、俺は見知らぬ男性に声を掛けられた。


「は? 自分ですか」


 声を掛けて来た男性は、怯えながらもしっかりと俺の顔を見ていた、


「はい、あの、私は喫茶店の店主をしてます、前にも貴方に来ていただいたことのある喫茶店です」


「あ、あー」

 苦パナンサンドのか、思い出した、こんな顔の店主だったな


「ああ、思い出しました、この間はどうも」

 軽く頭を下げてみる


「い、いえこちらこそ、貴方の考えてくれたメニューで店も繁盛してますし、この間はネクター様をお連れになっていただいたことで、雇っていた店員2人では足りないくらい、忙しくなってます」


「はぁ、それは良かったですね」

 俺はアイデアを出しただけで、考えたのはこの店主なんだけど


「はい、ありがとうございます」

 ‥‥それ言うために俺に声かけたの? 別にいいのに‥‥律儀な人なのかな?


「そ、それでですね、その、今度新しいメニューを出そうと思うんですが、もしよろしかったら何かアイデアが無いかと‥‥」


 律儀な人じゃなくて商魂たくましい人だった、威圧で誰も俺に近寄らないのに、新メニューだけのために俺に話しかけるとは‥‥


「と言われても、料理の事なんか良く知らないんですが‥‥」


「いえ、何でもいいんです、何かないでしょうか?」


 何かと言われても‥‥、何を言っても結局甘くなるのに、甘いなら最初から甘いもので‥‥


 なんて考えていたらピンときた、抹茶アイス‥‥


「トロン茶って知ってます?」

 さっき首相から飲ませてもらったお茶だ、元々生産量が少なく少々高いらしい、お年寄りになるとドギツイ甘さはやはりこの世界の人でも辛いらしく、主に年配の人が好んで飲む、ただし砂糖をガバガバ入れることは忘れない。


「ええ知ってます」


「そのトロン茶をどうにかして粉末にして、アイスの中に入れるんです」

 

 そうすればトロン味のアイスが出来るんじゃないかな? 粉末にする方法はそっちで考えてね、そこらへんは店主に投げっぱなしにする、抹茶アイスじゃなくて紅茶アイスになるけど


「アイスの中ですか‥‥」


「そうするとサッパリしたような甘さになります」

 多分ね。

「トロン茶は値段が高いらしいので、少し高級感を出す感じにすればいいのでは?」

 

「なるほど‥‥さっぱりとした‥‥、ありがとうございます、やはり相談して正解でした、これで新しいメニューを試してみたいと思います」


 頭を下げお礼を述べる店主に俺はこう思った、

 投げっぱなしとはいえ、アイデアを出したんだから報酬とかあってもいいんじゃ‥‥


「あの、店主さん、俺はこれで2つのメニューのアイデアを出したんですが、報酬とか欲しいのですが」

 店主の目をじっと見つめ店主の出方を見る、こんな時に俺には役に立つ相棒がいる、その名は「威圧」、死ぬまで一緒の友人だ。


「え、あ、あ、あの、では、アイデアを出していただいたメニューは、その、無料と言うことで‥‥」


 俺の真剣な顔に、威圧効果もプラスして、何やら脅している感じになってしまっている、実際少し脅している部分があるが。

 店主が無料と言ったのだが、別にそんなのはいらない


 店主が無料とまで言ったのだから、俺のこの主張は受け入れられるだろう


「いえそんなのは要らないんですが、メニューにね、俺専用を作ってほしいんですよ」


「専用のメニューですか?」


「そうです、実は俺甘いのが物凄い苦手でね、あなたの店のメニューは‥‥正直全部美味しくないんですよ」


「え! ええ!!?」

 店主がのけ反り驚く、そりゃ~そうだろう、何年も前からちょくちょく来てくれていた客が、実はお前のとこマズイって言ってるんだから


「あ! 一般的に見てマズイと言ってるんじゃないですよ、俺の味覚からしたらですよ」


 店主が物凄く落ち込んでいるのをどうにか励まし、何とか俺専用のメニューを作って貰えることになった、店に俺が行くとしたら、開店直後のお客が少ない時間帯になるだろう


 ちなみにこの店主の名前は「オヤス」と言う、オヤスは新メニューが出来たら連絡すると言っていた。

 それが、歪みの再々調査が始まる頃辺りに連絡が来たのだ。


「出来ました」と、それを食べるのを楽しみにしていたのに‥‥


 ◆◇


 夜通し飛び続け、救助信号の反応をキャッチした、時間はもう昼だろうか?


「痛ってぇー! 早く地面に降りたい!」


 流石に寝ずに、とはいかないので、コスモに移動を任せ俺はコスモの上で睡眠を取っていた。

 

 寝ててうっかり落ちないよう、コスモにロープで体を縛り付けていたが、体が完全に固定されていたせいで、ものすっごく体が痛い、正直お尻も限界だ、卒業式の悪夢がよみがえる。


「ヒヒーン」

 フフッ、お寝坊さんだな今頃起床かい? とコスモが言っている‥‥‥‥ような気がする


「おはようコスモ」

 コスモの首筋を撫でてあげる


「さて、もう少しかな、信号がまだ出ているから生きているはずなんだけど」


 救助信号を出す魔道具は、使用者の魔力を使い発信しているので、使用者が死亡すると信号も止まることになっている


 『探知』魔法に引っかかるとほぼ同時、反応のかなり近くに、土煙のようなモヤが出ていることに気付いた。

 

「何だあれ?」

 目を凝らしてみると何やら林のほうで蠢く物が‥‥


「あれは‥‥全部魔物か?‥‥」

 

 探知魔法圏内に入り、魔物の数が大体分かってきた


 そこには50匹は超えるのではないか? と思われるほどの魔物が移動していた、移動している魔物の進行方向を見てみると、少しだけ木が開けた場所に、地面に転がりのた打ち回る人の姿が‥


「あ! アレだ、コスモ!」

 

 コスモを加速させ、接近する、どうやら魔物に噛みつかれていたらしく、周りにはには槍のようなもので貫かれた魔物の姿があった、そしてそれに近づく大きな巨体。


「オークか?」


 収納から軍供給の槍を取り出し、槍に魔力を込める、と同時にオークに対して『雷』の魔法を放ち、ソレを道標にして投擲した。

 投げられた槍は魔法の力で加速し、オークを地面に縫い付ける。


「当たりっ!」


 それを確認した俺は、これから救助要請の人物のもとに向かっているであろう、林の中を進む魔物に向け、コスモから飛び降りた。


「戻れ」

 その言葉でコスモは光になり消える、続けざまに


「召喚・ヤタ」

 巨大な魔法陣から出たヤタは、即座に真下にいる魔物達に向け魔法を叩き込む、着弾すると同時に激しい轟音と閃光が走る


 上空から飛び降りた俺に、ヤタは土で出来た板上の物に俺を乗せ、風を下から吹き充てゆっくりと降ろす、昇ってくる土煙を風魔法で散らすのも忘れない


 何という気配り上手


 ヤタの魔法は強力だが、意外に攻撃範囲はそうでもない、地上に降りた俺はヤタを帰還させ、すぐさま召喚獣のノームを呼び出す


 パン!

 3体のノームの銃撃で牽制させ、『耐壁』を保険で自分に掛け、氷の槍を次々に作り出し、ノームの攻撃で足の止まった魔物に飛ばし突き刺していく、足の速い魔物がいたが、ノームの銃撃だけで簡単に命を落としていった。


 時間にして5分、ヤタが打ち漏らした魔物はそんなには無く、結構早く戦闘は終わった。怪我を負って居た魔物もいたし。

 

 ヤタで全て片付いたらいいのだが、他の召喚獣と違い、ヤタは自身の持つ魔力で魔法を放っている、しかも、一気に放出するタイプなので、一度呼び出し攻撃すると、ヤタ自体の魔力が回復するまで再度召喚には時間がかかる、簡単に言ってしまうとヤタは一発屋なのだ、気遣いが出来る一発屋、なので中々運用が難しい。


「よし、終わり! 迎えに行こう」


 攻撃の余波で土煙がまだ漂う中、林を抜け救助対象の人の元に向かう、上半身を起こした状態でその人は待っていた。


「大丈夫でしたか?」

 動いているようだから大丈夫の用だ、間に合って良かった、どうやら女性みたいで、肩まで伸びた髪を後ろで一つに縛っている、気が強そうな見た目で、彼女の腕と足にかなりの血が付着していた。


 どうしよう‥‥出血しているのか? 回復薬で持つかな‥‥‥‥



「救助隊か? 私は何とか大丈夫、助かった、もう駄目かと‥‥」


 安堵の表情だった女兵士だったが、俺の姿を見た瞬間、その人の表情がみるみる変わっていき‥‥


「ぎゃぁぁぁぁ! 来るなぁぁぁぁぁあ!」

 叫んだ。


 あっ、忘れてた、俺グースだった。


 今更思い出したがもう遅い


「だ、だべないでぐださいぃぃぃ! わだし、だべでも美味しくないですぅぅぅ!!」


 多分俺の威圧の事は知ってはいるのだろうけど、ずっと一人で逃げて来て、ギリギリの精神状態だったのだろう、それが助かったと思って気を抜いた矢先に俺だ。


 彼女は号泣し涙をボロボロと流していた。

 

 あと下の方からも水が‥‥チョロチョロと




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