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ちびっこ勇者再び城へ行く

 あれから数時間が経過し気が付けば日が昇っていた。薄暗かった森に光が差し込み辺りは美しい緑色に染まってゆく………はずだったのだが、辺りには赤黒い液体の海と人の形をしていたモノが転がっているという悲惨な光景が目の前に広がっていた。鼻腔を突く血生臭い異臭など私は気にする余裕がなくなっていた、それはユキミヤ君も同じなのだろう、座り込みただどこか遠くを焦点の定まっていない眼で見ていた。


 「……ユキミヤ君……とりあえず…町に戻ろう?」

 私がそう提案するとユキミヤ君は何も言わずに唯コクリとうなずく。私は手をユキミヤ君の目の前に差出すと彼は私の手を握りゆっくりと立ち上がり二人は一言も会話をすることなく町へと戻って行った……


 町に戻ると何やら町中が騒がしくなっていた。いや、騒がしいのはいつもの事なのだがにぎわっているという騒がしさではなく何やら問題が起きたかのような騒がしさだったのだ。

 「……?何かあったのかな…?スミマセン何かあったんですか?」

 「ヒイッ……!」

 近くにいた女性に話しかけると何故か小さく悲鳴を上げどこかへと走り去ってしまった……何故?

 

 「勇者さまとマルア様でよろしいでしょうか?」

 背後から不意に何者かに話しかけられたので振り返るとそこには城の兵士らしき人物が立っていた。

 「私は王の使いの者です。王の命によりお二人をお迎えに参りました。」

 「僕たちを…迎えに?」

 「…とにかく私についてきてください」

 王様に呼び出されるなんて一体何かあったんだろうか…?この街の状況と何か関係があるのかしら?そんなことを考えながら使いの兵士の後をついて行き城へとやってきた。


 「よくぞ来てくれた勇者とマルアよ、待っておったぞ。」

 「あ~…国王様長ったるい前置きとかはいいので早く用件を話してもらっていいですかね?」

 城の中玉座に偉そうにふんぞり返っている国王に対して私は即急に用件を聞いた。周りにいる兵士が何か言ってるけど正直どうでもいい。

 「……うむ、では早速だが用件を話そう。勇者殿とマルア=リヴェルトン、二人には即刻この町から出て行ってほしいのだ。」

 「……はい?」

 「えっ…」

 「な…何でまた急に…?」

 正直驚きを隠せなかった。何せ急すぎる理由を説明していただきたいところだ


 「うむ…実は今朝方一人の男が町中で騒いでおってな、話を聞くところ何も悪くない一般人を勇者殿が殺したと言っておってな…」

 「なっ…」

 逃げて行ったあの男のせいだったのか…

 「ちょっと待ってほしい!確かに殺めてしまったのは事実だ、だが相手は勇者…ユキミヤ君の命を狙っていた!正当防衛です!」

 「ふむ…だが殺してしまったのであろう、ならば正当防衛の度を超えておる。完全に過剰防衛だ」

 「そ…それは……」

 確かにその通りであった。私は何も反論できなくなってしまいそのまま黙り込んでしまった。


 「本来ならば…刑罰を与えなければならないのだが……相手は子供である異世界人の勇者だ、死刑にすることは出来ぬだが何も罰せなければ民の怒りを買ってしまう、そこでだしばらくの間この街に入る事を禁止にした…というわけだ。」

 

 ふむ……死刑にならなかっただけましというべきか…そう思うとユキミヤ君が口を開きこう言った

 「あの…しばらくの間ってどのくらいの期間になるんですか…?」

 「うむ…そうだな…ざっと半年ほど…といったところか」

 半年…か…それまで武器や防具の整備がタリア城下町で出来なくなるのはちょっとキツいわね…


 「ハァ…仕方がないか…分かりましたよ…出て行けばいいんでしょう?出て行けば…」

 「うむ…スマナイ。お主等が魔王を封印できる事を心から祈っておるぞ。」

 私達はシャルル国王に見送られ城から出て行った。

 

 

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