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ちびっこ勇者騙される

「ユキミヤ君ユキミヤ君!良い話聞いちゃったよ~♪」


私は上機嫌で彼に話しかけた。やはり人間お金のことになると上機嫌になってしまうのは仕方がないよね。

 

「どうかしたんですか?」

 「良い感じの儲け話聞いちゃったのよー♪実はねーごにょごにょ…」

 「ごめんなさい、ごにょごにょだけじゃわからないんで普通に喋ってもらっていいですかね?」

 「アッハイ…」


冗談通じないなー…そんなことを思いながら先ほど聞いたことをユキミヤ君に私は話した。


 「ゴールドスネーク・・・金の蛇…ですか?」

 「そう、それが東の森で出現するのよ…捕獲できれば何十万ものお金が手に入るってわけよ…これは逃せないわよね!ユキミヤ君!!」

 「そ…そうですね…」


 うん…分かりやすい位引いてるー…でもハイテンションになった私はそんなこと気にもせず颯爽と食事を済ませ東の森へと向かったのだった…



 森の中は鬱蒼としていて夜だと言う事もあり木々の隙間から顔をのぞかせる月以外に光源は無く不気味な気配だけが私達を包んでいた。だがこんなこともあろうかと町を出る前にランタンを買っていたので多少ではあるが視界の確保は出来た。


 「…やっぱり夜の森は暗いですね…こんなに暗いのにゴールドスネークを見つけることって出来るんですか…?」

 「そうだねー……ゴールドスネークって言うくらいだし金ぴかに光るからすぐに見つかると思ったんだけどなー…」

 「えぇ…」


 勿論何の手がかりもなしに探し回っているわけではないのだけどやっぱりというかなんというか…あまり考えたくは無かったのだけど…

 「……デマ情報掴まされちゃったかなー・・・」

 「そんなぁ……うわぁ?!」

 「?!ユキミヤ君!!」


 「おっと動くんじゃねぇ」


 私が振り返るとそこには先ほど酒場でゴールドスネークの話をしていた男2人がユキミヤ君を捕まえていた。私が動こうとすると男はユキミヤ君の首にナイフを当てだす。

「動くんじゃねえって言っただろぉ?良いか、お前が動いたらこのチビ勇者の首が飛ぶからな…ヒャッハッハ!!」


 この状況…非常にマズイ……普段だったらこの程度の奴らぶん殴って終わりなのだけど今回はユキミヤ君を人質にとられてしまっている…こうなっては仕方がない…相手の要求を呑んで解放してもらうしかないか……


 「……貴方達の目的は何?お金?アイテム?生憎だけどどっちもまともに持ってないからあきらめた方がいいよ?まぁ出せるだけ出せって言うのなら全部差し出すけど…」

 「生憎だが俺たちが欲しいのは金じゃねえんだよ…というかゴールドスネークの話に乗って来てる時点でかねないことは分かってるしよ」

 正論過ぎて何も言い返せないのがつらい…

 「じゃあアンタたちは何が目的なのよ」

 「俺たちはなぁ…このガキの命を取りに来たんだよ」

 「なっ…」 「ひぃ?!」


 なんてこった…まさかユキミヤ君の命を狙う輩が現れるとは…て言うかまだ一日も立ってないのにこうなる?普通…って…ん?

 「…ユキミヤ君の命を狙ってるならなんで今殺さないの?わざわざ捕えないで闇討ちしちゃえばよかったのに…」

 「マルアお姉ちゃん?!それを今言う?!」

 おっとシマッタ―…こんなこと言ったら今真っ先にやられちゃうじゃん・・・

 「いや…流石に命狙ってるとはいえ子供相手に闇討ちはちょっとなー・・・」

 「やりにくいもんなー…」


  おっとー?意外とやさしい連中かこいつらは……いや…本当にやさしい連中だった命狙わないってーのー…何で一人突っ込みをしてるんだ私は…

 「…そうだな…オイそこの女。このガキを助けてほしかったら夜の相手をしてくれよ、ヒッヒッヒ…」

 「お前ズルいぞ、おれも相手してもらいたいぜ。グへへ」


 うわぁ…………こんなオッサンの相手とかしたくないというか私の初体験がこんな奴らとか絶対嫌だわ!!

 「助けてマルアお姉ちゃん…」

 「ユキミヤ君……」

 いけないいけない…考えないと…ユキミヤ君を傷付けづに助ける方法……私のバージンが奪われない方法を……!!この間わずか0.5秒…だが何も思い浮かばないっ・・・!


 「こんなのどうしろって言うのよ―…」

 頭を抱え座り込む、もういっその事ユキミヤ君を生贄にして逃げてしまってもいいんじゃないだろうかと思った。……だがそれは出来ない、面倒を見ると決めた以上ここで見捨てるわけにはいかない!!

 と思った次の瞬間ユキミヤ君の持っていた剣が強い光は放ちだした。

 「この光は…!」

 「うおぉ?!なんだこの光はっ?!」

 「ウワッ目をやられたぁ?!」

 しめた、相手が怯んだうちにユキミヤ君を救出しよう!……そう思ったその時ユキミヤ君が剣を掴み構え始める。ユキミヤ君本人も何故自分が剣を構えているのか全く理解できていない様子だった。

 「ユ…ユキミヤ君…?」

 「えっ…体が…勝手に…?!」 

 暗闇の中放たれた強い光によって一時的に視力を奪われた一人の男、その男にむかってユキミヤ君は閃光の一撃を放つ。その一撃は男の胴を切り裂き、一つであった体は上下二つに分散し、薄暗い森の草木は血の海で赤く染まりかえる。

 「あっ…がぁ……」

 男の静かな悲鳴が森の木々にしみ込んでゆく…やがて声は聞こえなくなり剣の光も薄くなってゆき静寂だけが残った。


 「そんな……僕は…ひ…人を……」

 ユキミヤ君は赤い液体が付いた剣とその場に転がっている人だったものを交互に見みる。彼の顔色は見るまでもなく真っ青になっていることが分かった。

 「ひ……人殺しィ!!」

 ユキミヤ君に斬られなかったもう一人の男は返り血によって赤く染まったユキミヤ君の顔を見て森の外へと走り去っていった。


 「………どうしてこんなことに…」

 私はそうつぶやきこの状況をどうするべきか考え夜は明けて行った…

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