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夜空に見えるのは青い地球  作者: 妃 大和


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29. 獣人のお嬢さん達

 ジャージってやっぱ動きやすいね。

 フワフワさんのオレンジの可愛いらしいキュロットドレスやロン毛さんの青いつなぎを見ていると思う。

 つなぎも悪くないけどジャージの伸縮性にはかなわない。

 ただ…ジャージは可愛くない。もっと華奢な子がダブッと着ていればもう少し可愛いのかもしれないけど、所詮私は十人並の容姿と体型。女子高生のピチピチとしたはつらつさは…生憎とない。だって脳みそめちゃくちゃ疲れているんだよ。足は上がるけど、走り続けていれば身体だって疲れることに変わりは無いし。元々ブリブリした態度なんてとれない真面目な奴だし。


 可愛さや可憐さの漂うお嬢さん獣人の2人と並んで走る勇気はでなかった。やや後ろから見るのが精一杯。

 獣人なのにこのお嬢様オーラは何なの?

 守られていることに慣れている姿にビックリだわ。弱い獣人っているの?

 でもでも、さすがこのお嬢さん達、何気に苦も無く走っているのよ。結構なスピードでているのにハッハッとジョギング程度の感覚ですんでいるなんておかしいよ! なんて肉体と心臓の持ち主なんだか。


 私なんて、根性出さなくちゃ走っていられないのに!

 まだ足上がるけど、腕なんかブンブン振らなきゃ足がグングン地面を蹴ってくれない。

 歩幅が小さい?!

 そりゃ私の背じゃ、足も短いよ。

 一人心の中で、自分へ突っ込んだり突っ込まれたり…だってこんなくだらないこと、初めて会うお嬢様達とする会話でないことくらいは私でも分かるわ。


 ここにいる2人、どっちも悪い娘ではなさそう。従者も真面目そうだし。

 宇佐見君が人間とのハーフであっても気にしなさそう。彼が見た目で気にするなら、獣耳としっぽを持たなさそうなロン毛の彼女の方がお勧めか。…どっちも美人さんだし。獣人ってクッキリ顔が多いよね。こんな獣人ばかり見ていたら、私なんか平たい顔に見えているんだろうなあ。自分では人並みの顔の造りと思っていたんだけど。深く考えるのは止めよう。顔を変えられるわけではないんだから。


 さてと、今考えるのはこの2位3位ポジションの二人だって、1位になって優勝する可能性はまだまだあるってこと。

 宇佐見君にふさわしいか見極めるとは思ったものの、どういう基準で判断すれば良いのかちゃんと考えていなかったな。婚約者に求める物ってなんだろう?

 宇佐見君の助けになる人。これは譲れない。そう、家柄は関係ないって言ってたっけ。

 宇佐見君を好きな人。好きなら育った環境の違いからの価値観の違いに歩み寄れると思うし。

 この2点は譲れないよね。

 そして人間と地球に理解がある人。これは仲良くなって知っていってもらうこともできるか…


 あー、考えて走っているだけじゃダメだ。

 声かけるしかないよね。


「あ、あの。私、霧島透子って言います。あなた達に聞きたい事があるんですけど、質問して良いですか? 会話が苦手なのでゆっくり話してもらえると助かるのですが。」


 下りの道をだいぶ降りてきたようだ。周りの木々が高く感じる。ちょっと息上がってきた。

 シュア君いないから道よく分かんないんだよね。残りがどんな道なのか。このまま街道に入って再度王都に入るのかな。

 本当なら道について質問するのが正解だったかと思う。


 お嬢さん達が顔を見合わせ、それぞれの従者に確認を取って私に向かいうなずく。

 素直な感じが好印象だ。


「ディ皇子(これで良いんだっけ?)のこと、どう思っていますか?」


 皆して手足をちゃんと動かしての会話はちょっと変だね。


 まずはフワフワさんが答えてくれた。

『どんな方なのか良くは知らないのですが、王様は穏やかで良識を持つ方ですし、第1皇子も婚約者さまを大事にしていますから、ディ皇子も素敵な方と思いますわ。』

 続いてちょっと走るペースが落ちてきたロン毛さんが答えた。

『お父様が良いというので、いい方だと思います。婚約者という立場になれば結婚しなくても自分の格は上がりますのでレースには参加いたしました。よい順位をとれば私の評価も高くなりますし。』


 あー、やっぱり宇佐見君自身をよく知っているわけではないんだ。知らなければ好きでも無いよね。

 宇佐見君、こっちにもホントの友人いなさそうだし。いったい誰と交流持っているの? 

 うん、悪い子達じゃないけど、宇佐見君の婚約者にはさせられない。なりたかったら死にものぐるいでレースで一番になってね。

 この2人は追い抜かなくちゃ。遅くも無いけど早くも無いこのスピードでずっと走っていきそうだな。

 まだ前に1人残っているはず。私も死にものぐるいで走らなきゃ追いつけなさそう。


 はあ。手足は動くけど、息が非常につらいんですけど。


「護衛さん、ゴールってこの道に沿って行けば良いの?」

 シェパードさんがコクコクと首を縦に振って、身振りを交えて教えてくれた。交差点には道案内がいて教えてくれるって。

 しょうがない、行きますか。


「ありがとうございました。先にいきますね。」

 そう言って私はスピードをあげて獣人お嬢様2組を追い抜きました。





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