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夜空に見えるのは青い地球  作者: 妃 大和


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20/38

20. レース前日

 レースまであと1日。

 悪あがきするしかない。

 バイクの乗り方、マラソンの合間に護身術なんてものまで練習することになってしまった。

 いくら従者がいても誘拐して身代金をせびろうとする不届き者がたまに出るらしい。

 以外なことにケガをわざとさせるようなレースの妨害はないということだ。

 清々堂々と優勝しなければ国民の反感を買っちゃうもんね。


 部活の練習を黙々とこなしているような生活…ここ裏月で観光気分で過ごすはずじゃなかったっけ?

 はいはい、私が自分で優雅な生活を葬り去りましたよ。

 私の色々な訓練にお付き合いしてくださる皆様に感謝しなくちゃいけませんよね…


「いっぱい動くからご飯がおいしいよ。」

 乙女なのに、素敵な皆さんの前なのに、お代わりしっぱなしって。たくましすぎる!

「ご飯がおいしいのは幸せなことですわよ。」

「この屋敷のご飯は格別にうまいもんね。」

「お前、俺より食っているな。」

『レディーに失礼ですよ。』


 慣れてきたことに喜ぶべきか、言葉に遠慮が無くなってきているよ、宇佐見君。

 はいはい、女子力低い私がいけないんですよ。


 あー、ご飯おいしい。

 今日のランチはベーコンがきいたピラフです。白身魚のピカタもハーブの香りが効いていて絶品です。


 ちょっとばかり疲れの見える私をシュア君は王都へ買い出しへ連れて行くことに。

 時間もないので今回は二人乗りして馬で行くことになりました。

 そして私は耳付きボンネット装着です。


 ◇


 明日はレースということで王都全体が花とテープ状の布で飾り付けられている。華やかでまさにイベントって感じ。

 あー、ちょっと緊張してきたかも。

 今日は市はなく、広場のままだ。

 広場近くのお菓子屋さんでシュア君とレースに持って行くおやつを選ぶ。レースは長いからモチベーション維持におやつは必要なんだって。


 辺りを歩いていれば、声がかかる。

『子供助けてレースに出ることになった姉ちゃん』だの『皇子が大好きな姉ちゃん』だの…恥ずかしいんですけど。

 横をみれば困っている私を見てシュア君がプププと笑っている。

 そして皆が『がんばれよ!』『応援しているよ!』って言ってくれる。

 裏月語でしゃべっていてもちゃんと理解できる。皆、本心で応援してくれているんだね。勇気が出てくるよ。

 嬉しくなってちょっと手を振れば、更に応援がかえってくる。アイドルみたいだわ。


 そんな中後ろから『地球から皇子追っかけて裏月来たんだろ、わかってるわかってる。』との声。

 ビックリして振り返れば、いつぞやのカントリーベア似の熊さん?の一人が立っていた。

『よくよく考えればわかるって。』

 歯をむき出しで笑っている。

 気が付かないと勝手に思って馬鹿にしていました。ごめんなさいと心の中で謝ります。


 熊さんおすすめの蜂蜜飴も買って、宇佐見君の屋敷に帰りました。

 そうそう、シュア君との二人乗りも馬にまたがって乗ったよ。バイクの練習の一環だって。


 ◇


 おいしい夕食を食べて、早くにお風呂に入って、シュリさんのマッサージを受けて、お腹いっぱいでクタクタで、気が付いたらレースに対して緊張することも無くぐっすりと眠っていた私でした。



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